睡眠障害(sleep disorder)
不眠症(imsomnia)
十分に睡眠がとれないことで苦痛を感じる状態。
寝つきが悪くなる「入眠障害」、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、深く眠った感覚が得られない「熟眠障害」などがある。
原因として、寝床に入ると眠れるかどうかが不安になって緊張が高まり、かえって眠れなくなる「精神生理性不眠」、客観的にはほとんど正常な睡眠をとっているにもかかわらず、主観的には眠れていないと訴える「睡眠状態誤認」、「うつ病」などがある。
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)
いびきを伴う寝ている間に何度も呼吸が停止する障害。
7時間の睡眠中に10秒以上の呼吸停止を30回以上繰り返す、あるいは1時間あたり5回以上の無呼吸があると診断される。
充分な夜間睡眠が得られず、日中に過度な眠気が生じるため、集中力の低下や抑うつ状態を招く。
患者は夜間覚醒を自覚していないことが多い。 (3)
過眠症(hypersomnia)
夜間に十分寝ているにもかかわらず、日中に過度の眠気を呈する睡眠障害の総称。
○ナルコレプシー(narcolepsy)
昼間に突然生じる耐え難い眠気(睡眠発作)と、強い情動によって誘発される脱力発作(カタプレキシー)を主症状とする過眠症。
危険な作業中や食事中でも生じる。
ほかに睡眠麻痺や入眠時幻覚を伴うこともある。
概日リズム睡眠障害(circadian rhythm sleep disorder)
体内の生物時計の周期が外界の24時間周期に合わなくなる障害。
生物時計が遅れているため、睡眠が遅い時間帯のほうにずれ込む睡眠相後退症候群と、生物時計が進んでいるため、睡眠が早い時間帯にずれ込む睡眠相前進症候群がある。 (5)
睡眠時随伴症(parasomnia)
睡眠中に起こるさまざまな異常現象の総称。
○夜驚症
睡眠中に叫び声をあげて突然起き上がり、目を見開いて顔を引きつらせているように見える症状。
○夢中遊行
睡眠中に突然起きて歩き回る症状で、話しかけると応えることもあるが、会話ができる状態ではない。
○レム睡眠行動障害
夢の内容にあわせて攻撃行動などを示す症状。
○悪夢
レム睡眠に同期して起こり、夜驚と同様に夜中に恐怖で目覚めるが、直前の夢の内容を鮮明に覚えているのが特徴。
睡眠関連運動障害
睡眠中に体の余計な動きが生じることで、睡眠が中断される障害。
○むずむず脚症候群(restless legs syndrome)
脚に何らかの違和感が生じ、動かさずにはいられずに睡眠に入ることができなくなるため寝不足になる状態。
○周期性四肢運動障害
睡眠中、脚に周期的な不随意運動が生じるために、熟眠感が得られない状態。