優柔不断な人、捨てられない人
あなたは優柔不断だろうか?
例えば、ランチを食べに行った時、メニューを決めるのに何分かかるだろうか?
もしくは、服や鞄を買いに行った時、即決するタイプだろうか?もしくは何個も何個も見て吟味するタイプだろうか?
僕はそこそこ即決タイプだと思う。
要らないものは容赦なく捨てるし、ご飯に行っても基本すぐ決める。
しかし、なかなか決められない人がいる。
そんな人間に共通する特徴が捨てられない事である。
誰だか忘れたが、過去に心理学者が「1つを選ぶ事はその他を捨てる事だ」と言っていた。
まさにその通りで「選択」とはその他の選択肢や可能性を捨てる作業である。
誰でも捨てるのは好きではない。もっと厳密にいうと失うのは好きではない。
必要か否かに関わらず持っておく事で安心するのだ。
例えば紙袋を溜め込んだり、もう着ないであろう服を捨てられない人も同じ人である。
彼らは自分が持っている選択肢や可能性を失うのが怖い人なのだ。
なので、優柔不断な人は全ての選択肢を捨てる事が出来ない。
一つだけを選びその他の選択肢を捨てる事が出来ない。
これは専門用語で「喪失嫌悪」という。人は元々「失う」事に対してネガティブな感情を感じるようになっている。
アメリカの行動経済学者ダン・アリエリーが面白い実験をしている。
もし過去の文章の中でこの実験について書いていたら重複する内容にはなるが、そうなら申し訳ない。
彼の実験では、大学のキャンパス内で缶詰を売り出した。
1つのブースでは6種類の缶詰を売り、もう一つのブースでは24種類の缶詰を売っている。
そして、それぞれその中から1つ選んで買ってもらい、その後自分の選択と買ったものへの幸福度を計測した。
一般的には選択肢が多い方が良いと言われており、24種類から選べる方が嬉しいと思うかもしれない。
しかし、彼の実験では6種類の中から選んだ人の方がその後の幸福度は高かった。
この実験からわかることは、選択肢が増えれば増えるほど捨てるものも増える。
つまりは選んだ1つに対する喜びよりもその他の選択肢を捨てなければいけないという嫌悪感の方が強くなるのだ。
この結果はどれを選んでもある程度同じになる。
どれだけ気に入ったものを選んでも、捨てたことへの嫌悪感は残る。
その嫌悪が強い人ほど捨てられなくなり、そして優柔不断になる。
別に優柔不断なのが悪いとは言わない。
しかし、優柔不断な人ほど自分の選択に喜びを感じられなくなる。
自分が選ばなかったものばかりに注意がいってしまうのだ。
もし優柔不断な所を治したい人は、捨てる基準を低く持つことが大事だろう。
これいるかな?使うかな?って迷った時点で捨てる、というように捨てる基準を低く持つことで捨てることへの恐怖と嫌悪が解消されていく。
そうすれば選択も早くなるだろう。
優柔不断な人、捨てられない人。
最後まで読んで頂きありがとうございました。