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DUNE 砂の惑星 PART2(2024)
映画のパワーがみなぎる壮絶な宇宙戦争
複雑な内面を抱えたヒーローにも注目
2部作として製作された、砂の惑星デューン(DUNE)の支配をめぐる宇宙戦争を描いた壮大なSFアクション超大作の後編です。
2021年に公開された前編『DUNE/デューン 砂の惑星』は、SF叙事詩として名高いフランク・ハーバードによる原作の前半部分を描いたもので、重厚かつ複雑な物語の世界観を余すところなく紹介し、後編への期待を高めて幕を閉じました。
本作では、邪悪なハルコンネン家の陰謀により、全滅したアトレイデス家の逆襲が描かれています。
【ストーリー】
アトレイデス家の後継者ポール(ティモシー・シャラメ)と母親のレディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)は不毛の惑星アラキス(デューンの正式名称)に逃げ延び、そこで砂漠の民フレメンに出会います。フレメンに受け入れてもらうため、レディ・ジェシカはフレメンの教母になる儀式を受けます。
一方、未来を視る力を持つポールは、夢の中に現れる女性がフレメンの戦士チャニ(ゼンデイヤ)であることを知ります。そして、ポールとチャニは惹かれ合うが、ポールには不穏な未来が待ち受けていました。
味方を失ったポールがどうやって強大なハルコンネン家に立ち向かうのか。疑り深いフレメンの信頼を得るため、巨大なサンドワーム(砂虫)を自在に操り、母親からの生死をかけた非情な試練を生き延びたポールが、アレキスの救世主として成長していく過程が丹念に綴られていきます。
醜い姿態をした悪の権化ウラディミール男爵や、サイキックなフェイドなどのいるアトレイデス家の脅威、皇帝シャッダム四世が全宇宙を支配しようと画策する宇宙帝国の不気味な動きなどを挟みながら、空前絶後の宇宙戦争へと徐々に高まりを見せます。
『メッセージ』(’16年)、『ブレードランナー 2049』(’17年)など、ディテールを緻密に練り上げた繊細なSF映画で評価を高めたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は共同脚本も担当。広大な砂漠を舞台にしたアクションは迫力満点で、映画のパワーを感じさせます。
それでいて、ド派手なだけのアクション大作に留まらないのは、キャラクターの内面がしっかり描けているからでしょう。
自らの運命に苦悩するポールを演じるのは『君の名前で僕を呼んで』(17年)、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23年)のティモシー・シャラメ。美しく整った顔立ちと繊細な演技で、今、注目度No.1の若手俳優です。
クリストファー・ウォーケンや、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、シャーロット・ランプリングら、演技派のベテラン俳優たちが重厚感のある演技でひきしめています。
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【ティモシー・シャラメの最新主演作が2月28日より公開】
若き日のボブ・ディランの苦悩