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ハッピー・バースデー 家族のいる時間(2019)

名女優カトリーヌ・ドヌーヴが優しく見つめる
フランス流の激しくも、愛すべき家族の物語

 母親の70歳の誕生日を祝うために、離れて暮らす子どもたちが家族とともに帰ってきます。

陽光まぶしい、緑に囲まれたテラスで家族が食卓を囲む穏やかな場面写真が印象的な本作品。さぞかし微笑ましい、ハッピーな物語が展開すると思いきや、そこは現実的で辛口なフランス流。一筋縄ではいかない家族の絆がひねりを効かせて描かれます。

【ストーリー】
アンドレア(カトリーヌ・ドヌーヴ)は夫のジャンや孫娘エマとともにフランス南西部の邸宅で穏やかに暮らしていました。
アンドレアの70歳の誕生日。長男ヴァンサン(セドリック・カーン)は妻や2人の息子とともに、次男ロマン(ヴァンサン・マケーニュ)は恋人ロジータを連れてやってきます。
アンドレアは家族の再会を喜び、パーティの準備に余念がありません。さらに3年間、行方不明だった長女クレール(エマニュエル・ベルコ)も帰ってきます。
アンドレアはクレールを抱きしめ、あたたかく迎えますが、アメリカでの結婚に失敗したクレールは情緒不安定になっており、不穏な雰囲気が立ち込めます。

クレールが家族間にあった遺産問題を独断で解決しようとしたことから、家族のさまざまな思いが交錯、それぞれの不満が爆発し、混乱の誕生日が幕を開けます。

家族が共有する時間が長くなるほど、それだけ良い思い出も苦い経験も増えてくるものでしょう。苦楽をともに味わい、愛したいはずの家族自体が問題になることも。そんな大人になると芽生える複雑な家族への感情がアグレッシブに表現されています。

物語だらけの家族をまとめるアンドレアを演じたカトリーヌ・ドヌーヴがさすがの存在感を発揮。はちゃめちゃなエピソードもあるストーリーをしっかりと引き締めています。

監督と脚本も手がけたのは長男のヴァンサンを演じたセドリック・カーン。また、トラブルメーカーのクレール役のエマニュエル・ベルコは監督としても活躍するなど、フランスの才能豊かな俳優たちが繰り広げる、激しくも愛すべき家族の一日は覚悟して観てほしいです。

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【カトリーヌ・ドヌーブの最新主演映画が2024年11月8日より公開】

シラク元フランス大統領とその妻ベルナデッドとの
自由をかけた“戦い”をコミカルに描く

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