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ラブ・アクチュアリー(2003)

さまざまな愛が宿るクリスマス・イブの夜
幸せな気分になれる至福のロマンティックコメディ

『フォー・ウェディング』(’97年)、『ノッティングヒルの恋人』(’99年)など、1990年代~2000年代にかけてイギリスらしいクラシカルな落ち着きと品の良さをまとったラブストーリーが好評を博したイギリスの映画製作会社ワーキングタイトルが生み出した究極の愛の物語。

クリスマス5週間前からクリスマス・イブまでのロンドンを舞台に、さまざまな状況にいる19人の男女が“本当の愛(ラブ・アクチュアリー)”を見つける姿が描かれます。

【ストーリー】
クリスマス5週前。
落ち目のロック歌手ビリー・マック(ビル・ナイ)は不本意ながら往年のヒット曲の歌詞をクリスマス仕様にアレンジして発売し再起を図ろうとしています。長年のマネージャーのジョー(グレゴール・フィッシャー)もビリーの売り込みに奔走中です。
ピーター(キウェテル・イジョフォー)とジェリエット(キーラ・ナイトレイ)は結婚式を挙げます。ピーターの親友で画家のマーク(アンドリュー・リンカーン)は結婚式を盛り上げますが内心は複雑です。結婚式に出席するはずだったミステリー作家のジェイミー(コリン・ファース)は自分の婚約者の浮気を発見してしまいます。
また、結婚式で給仕をしていた若者コリン(クリス・マーシャル)は冴えない日常が不満でした。
ハリー(アラン・リックマン)の経営する会社では2つの秘めた恋が進行中。サラ(ローラ・リニー)は同僚のカール(ロドリゴ・サンドロ)に片思い、そして、既婚のハリーは秘書ミア(ハイケ・マカシュ)から猛アタックを受け、まんざらではなさそうです。
一方、ハリーの妻カレン(エマ・トンプソン)はクリスマスの劇に出演する子どもの世話などクリスマスの準備に余念がありません。
最愛の妻を亡くしたばかりのダニエル(リーアム・ニ-ソン)は妻の連れ子のサム(トーマス・サングスター)の初恋を応援することに。
ジョン(マーティン・フリーマン)とジョディ(ジョアンナ・ペイジ)はスタンドインの俳優。ラブシーンを演じるスター俳優の代役として撮影準備中のセットで出会った2人は裸で抱き合うきまずい状況で他愛のない話をして乗り切ります。
そして、イギリスの新たな首相に就任したディヴィッド(ヒュー・グラント)は首相公邸のスタッフであるナタリー(マルティン・マッカチョン)に一目ぼれします。

クリスマスに成就するさまざまな愛を描いた本作は大ヒットを記録、クリスマス映画の決定版として愛され続けています。

ヒュー・グラントやコリン・ファース、キーラ・ナイトレイなど、主演級の俳優たちが多数出演する華やかなアンサンブルムービーにワクワクしますが、この映画が多くの人の心を捉えるのは、人を愛することの喜びと切なさを織り交ぜたストーリーに共感できるからでしょう。

小学生から首相まで、さまざまな登場人物の日々の暮らしを追ううちに見えてくるのは、みんな思い通りにいかない人生の中で、悩みや悲しみなどを抱えながらも、やっぱり“愛”を求めて生きていること。

でも、好きな異性と結ばれることだけが幸せではありません。見事、恋人同士になった人もいれば、友だちやきょうだい、夫婦や親子、家族などとの愛を再確認した人も。どんな関係でも、大切にしたい人がいれば幸せなのだと思えます。

愛をめぐる9つのドラマの結末はどれも温かく、さまざまな愛が咲き乱れるクリスマス・イブの奇跡は幸せな気分になれます。

本記事冒頭の2作に加え、『Mr.ビーン』テレビシリーズ(’89年~)、『ブリジット・ジョーンズの日記』(’01年)などの脚本家リチャード・カーティスが、本作では脚本とともに初めて監督を務めました。

2001年に米同時多発テロが起こり、絶望を予感させる21世紀の幕開けに、その鬱屈したムードを振り払うかのように「愛こそすべて」と高らかに謳い上げたカーティス監督。クスリと笑える仕掛けも施し、愛すべき作品を生み出しました。

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【『ラブ・アクチュアリー 4Kデジタルリマスター』が、2024年12月6日より公開】

クリスマス気分を盛り上げます

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