ドリームランド(2019)
旬の女優マーゴット・ロビーが魅せる
“ドリームランド”への危険な逃避行
『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』(’17年)と『スキャンダル』(‘19年)でアカデミー賞候補となり、クエンティン・タランティーノ監督とレオナルド・ディカプリオ&ブラッド・ピットの競演が話題を呼んだ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(’19年)でヒロインを務めるなど、近年の活躍が目覚ましい女優マーゴット・ロビー。
公開時には、いろいろな物議を醸した『バービー』('23年)では、リアル・バービーを演じて、大きな注目を集めました。(米アカデミー賞候補を巡り、今なお、お騒がせは続いているようですが……。)
本作は、弱冠31歳にして映画制作会社を持ち、『アイ、トーニャ~』を手がけるなど、映画プロデューサーとしても確かな才覚を見せるロビーが、オリジナル脚本にほれ込み、自ら主演&製作を務めたスリラー映画です。
1930年代のアメリカ・テキサスを舞台に、美しき銀行強盗と17歳の少年との危険な逃避行が描かれます。
方や銀行強盗、方や犯罪者を匿うことで、“背徳”行為を犯した2人が何を考えているのか? 薄暗い納屋の中でのミステリアスな2人の駆け引きにドキドキします。
やがてアリソンの秘密を知ったユージンは、荒涼とした砂漠を巨大な砂嵐ダストボウルが迫り来るなか、人生を変えるために危険な決断をするのです。
2人が求めたのは愛と自由。“ドリームランド”へ向かって疾走する2人のボルテージはクライマックスシーンへ向けてぐんぐん上がっていきます。
‘30年代のクラシカルな衣装をまとったロビーの妖艶な美しさ、荒涼とした砂漠をダイナミックに使ったスペクタクルな映像、そして、ひりひりするような痛みを伴った愛のドラマ。
静と動を巧みに使い分け、さまざまな見せ場を盛り込んだ展開で、アメリカン・ニューシネマの傑作『俺たちに明日はない』を想起させるクライムサスペンスに仕上がっています。
***************************************************************************
【大ヒットを記録した『バービー』が2024年2月2日よりリバイバル上映開始】
人間の世界へ迷い込んだバービーの恋と大冒険!