見出し画像

ウォンテッド(2008)

ダメ男から凄腕暗殺者へ
華麗なる変貌を遂げた異色のヒーロー

人気アメリカン・グラフィックノベルを映画化。監督は、世界的ヒットを記録したアクションホラー『ナイト・ウォッチ:NOCHNOI DOZOR』(05年)、『デイ・ウォッチ』(06年)のロシア人監督ティムール・ベクマンベトフ。この2作の成功により、ハリウッド進出を果たした鬼才が異色のヒーロー譚を生み出しました。

【ストーリー】
25歳の会社員ウェスリー(ジェームズ・マカヴォイ)は冴えない人生に嫌気がさしていました。会社では意地悪な女性上司にいびられ、恋人には会社の同僚と浮気され、その同僚にコケにされても文句も言えません。
そんな情けないウェスリーの前に謎の美女フォックス(アンジェリーナ・ジョリー)が現れます。彼女は、ウェスリーの失踪した父が偉大な暗殺者で、実は彼にもその資質があるといいます。
ウェスリーは人生を変えるため、悪人のみを暗殺する秘密組織〈フラタニティ〉に入り、暗殺者になる決意をします。

心の中に不満を溜め込み、たとえ自分が悪くなくても、「アイム・ソーリー」と謝ってしまうウェスリー。緊張すると極度に鼓動が早くなり、不安発作用の薬を大量に服用してストレスをしのぐウェスリーのあまりに惨めな生活は悪いジョークのようで、思わず笑ってしまいますが、決して他人事だと思えない人は多いでしょう。

物語の中心になるのは、ウェスリーが暗殺者の訓練を受ける過程。フォックスを始め、フラタニティの凄腕暗殺者たちの壮絶なしごきにより、ウェズリーは命を落としかけながらも、心身共に暗殺者として成長していきます。

『マトリックス』で話題を呼んだ、銃弾の軌道を捉えたバレット(銃弾)シーンも登場する、斬新なアクションシーンや、強さと妖しさを備えたジョリー、野性味溢れる男へと変貌を遂げるマカヴォイら俳優陣の力演、ウェスリーやフォックスそしてフラタニティの真実の姿が次第に明らかになるストーリーなど、ドラマチックな展開にぐいぐい引き込まれます。

しかし、この映画の一番の魅力は、日常から飛び出したウェズリーの姿を通して、観る者に〈自分の生き方〉について考えさせること。ハリウッド製アクション映画らしからぬ深遠なテーマが息づいています。

ダメ男から凄腕暗殺者へ、華麗なる変貌を遂げた異色のヒーロー、ウェスリーの今後がとても気になります。

※本作の後日談として、ゲーム『Wanted: Weapons of Fate』が製作されました。
映画の続編も気になるのですが、2024年現在制作されていません。もう無さそうですね。。。

************************************************************************
【ジェームズ・マカヴォイの最新主演映画が2024年12月13日より公開】

ジェームズ・マカヴォイが怪しすぎる男を快演

************************************************************************
【ジェームズ・マカヴォイの出演映画なら、こちら👇もどうぞ】

文豪トルストイの驚くべき晩年

衝撃的な展開のラブストーリー


いいなと思ったら応援しよう!