アイアン・ジャイアント(1999)
アニー賞9部門独占受賞という離れ業をやってのけた
2次元アニメーションで描かれた20世紀最後のロボットアニメ
ソ連が世界初の人工衛星スプートニク号を打ち上げた1957年。その成功は米ソ冷戦に拍車をかけ、社会的には暗い影を落とす結果になりましたが、一方で今日の科学技術の発展への扉を開けた革新的な出来事に、少年たちの未来へ馳せる夢や憧れは否が応でも膨れ上がりました。
そして、未来への希望を象徴し、世界中の少年たちの心を捉えたのが圧倒的な強さとパワーを持ったロボットでした。
1999年に製作され、巨大ロボットと好奇心旺盛な少年の友情を描いた『アイアン・ジャイアント』はそんな当時の少年たちの夢の集大成であり、20世紀におけるロボットアニメーションの有終の美を飾るにふわさしい作品となりました。
1968年にイギリスの桂冠詩人であるテッド・ヒューズが発表した『アイアン・マン』を基に、原案と監督を務めたのはアメリカのテレビアニメ『ザ・シンプソンズ』シリーズのブラッド・バード。
主な登場人物や背景は昔ながらの2次元アニメーションの手法が用いられ、アイアン・ジャイアントのみが“地球外から来た”雰囲気を出すためCGIで作り出されました。
やや受け口気味で愛嬌たっぷりのアイアン・ジャイアントは、実は地球外から送られた恐ろしい戦闘兵器でした。そんな鋼鉄のロボットが“地球を救うスーパーマンになりたい”と願うクライマックスが秀逸。2次元アニメーションのレトロな雰囲気にマッチしたピュアな物語です。
本作は1999年、アニメーション界のアカデミー賞であるアニー賞の主要9部門を独占受賞。主演男優賞であるキャラクター賞を受賞した人気、実力とも断トツでナンバー1のロボット、アイアン・ジャイアントが何とも泣かせる演技をしてくれます。
次第に感情と心を宿していくロボットのキャラクターデザインを担当したのは、『スター・ウォーズ』旧三部作の視覚効果を担当し、『ミクロキッズ』『ロケッティア』『ジュマンジ』の監督を務めたジョー・ジョンストン。本作とほぼ同時期に公開された『遠い空の向こうに』では初めてヒューマンドラマを監督し、同じく1957年を舞台にして少年の夢を描いています。
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