<時間栄養学>昼間の方が排尿回数が多くて、夜中には排尿しないのは、体内時計の働きによるものなんだ!?
今日は体内時計の3つ目、末梢時計について触れていこうと思います。1つ目の主時計、2つ目の脳時計については、昨日、一昨日のコラムをご覧ください。
末梢時計ですが、末梢臓器で機能している体内時計のことを指します。具体的には、肝臓や腎臓、肺などです。画像はシンプルな人体図ですが、腎臓と肺は表記されていて肝臓が表記されていませんが、肝臓はちょうど膵臓の位置の表側にイメージです。
では、体内時計とこれらの末梢臓器はどう関連するのでしょうか?
例えば、肝臓で作られる‟血漿アルブミン”は血液の浸透圧を保つための重要なタンパク質となります。このアルブミンは一日の中で特定の時間に作られており、それはアルブミンを作る遺伝子の働きが体内時計の影響を受けるからとされています。
また、腎臓に関しては、排尿のタイミングを考えると、昼間は排尿が盛んですが夜間は排尿をしなくても寝ていられます。これはまさに腎臓に体内時計の仕組みがあることに他なりません。
このように、末梢臓器の働きに時間情報を与え、効率的に臓器のサポートをするのが末梢時計の役割と言えそうです。
末梢時計と病気や健康に関連することもわかってきております。そして、腸内細菌叢の変化によっても肝臓や筋肉の時計遺伝子発現が変化するなどもわかってきています(ちょっと難しいです!?)。
体内時計と腸内細菌がつながっているとは、非常に興味深いです。
そのあたりも今後見て行きたいと思います。