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<腸内細菌>長寿者の腸内マイクロバイオームには酪酸産生菌が豊富に含まれています!

腸内細菌叢(腸内マイクロバイオーム)は年齢を重ねていくとどのように変化していくか?今日は、④成人期と⑤長寿者について、見てみたいと思います。

成人期の腸内マイクロバイオームでは、個人差があり、それまでの食生活やその他の生活環境、疾病の影響そして疾病に対処した薬の影響も受けると、昨日のコラムでお話ししました。

それでは、成人期にはどのような腸内マイクロバイオームを形成しているのでしょうか?

もちろん、個人差はあるのですが、まず、Bifidobacterium(ビフィズス菌)は多くの方が幼少期より減少し、ほとんどない方もいらっしゃいます。ちなみに私も前回の検査では全体の0.3%でした。そのため、毎日、ビフィドバクテリウム・ブレーベやロンガムなど幾種類かのビフィズス菌を腸まで届くヨーグルトで摂取していますが!?

よって、Bifidobacteriumは確実に年齢とともに減少する腸内細菌です。

また、Faecalibacterium(フィーカリバクテリウム)などの酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸を生成する腸内細菌も通常は減少すると言われております。ちなみに、私の場合は、Faecalibacteriumなどが属するファーミキューテス門の細菌は、60%ほど所有しており短鎖脂肪酸については、生成能力は高いようです。

ただし、菌のリレーをしっかりと行わないといけません。麹や酵母、納豆菌などの糖化菌を投入し、乳酸菌やビフィズス菌で乳酸等に変化させ、それをエサにする酪酸産生菌が発酵させて短鎖脂肪酸を形成するという流れです。

⑤長寿者(100歳以上)のデータから見ると、長寿者の腸内マイクロバイオームには酪酸産生菌が多く見られ、短鎖脂肪酸が長寿に寄与していることが確かめられています。

あくまでもこれは想像ですが、長寿者が多い長寿村と言われる地域の食は、食物繊維が豊富な野菜やイモ類、穀物を摂取し、味噌汁や発酵させた漬物(乳酸菌)を好み、畑仕事など適度な運動を行い、早寝早起きの習慣がある。

腸内マイクロバイオームにあまり良い影響を与えない、お肉類をがつがつ食べてる印象はないですね。たんぱく質は魚や大豆で摂取しているイメージです。

この環境(生活環境と腸内環境)の中で、酪酸産生菌が育っていれば、自然と短鎖脂肪酸が生成され、免疫力が高まり病気になりにくい、それが長寿の秘訣と言えそうです。

もちろん、聖路加国際病院の日野原重明先生のように、お肉を週に2日がっつり食べておられても、105歳まで健康で過ごされた方もいらっしゃいます。お肉に含まれるたんぱく質や脂質を消化吸収する能力は個人差がありますので、ご自分がどこまでその能力(消化酵素の力)があるのかを把握する必要があると思います。

画像は以前のコラムでも使いましたが酪酸の化学式です。