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腸内細菌がつくる短鎖脂肪酸!

昨日は、食物繊維をエサにする腸内細菌のことを書きました。今日は、そのあたりをもう少し深く突っ込んでいきたいと思います。

腸内細菌は食物繊維をエサにして、何を人にもたらしてくれるのでしょうか?
腸内細菌が作る代謝産物とは何か?

このあたりがわかってくると、腸内細菌のありがたさもわかりますよね(笑)!

この腸内細菌が作る代謝産物のことを、ポストバイオティクスと言います。

その代表的なものが、短鎖脂肪酸で有機酸の一種です。私たちの体に有益に働く短鎖脂肪酸は、酪酸、酢酸、プロピオン酸の3つになります。
では、どのように有益に働いてくれるのでしょうか?

国澤準先生によると、
①腸内を弱酸性に保ち、有害菌の発育を抑え、有用菌の発育を促す
②腸の活動エネルギーになり、ぜん動運動を促す
③腸がナトリウムを吸収する際のエネルギー源になる
④腸管のバリア機能の強化する
⑤免疫の働きを整える
⑥血糖値を一定に保つホルモンのインスリンの分泌を調整する
⑦肥満を予防する
⑧生活習慣病の予防と改善をする

これを見ると、いかに短鎖脂肪酸が人の健康に寄与しているかがわかりますね。

では、食物繊維を食べた腸内細菌が短鎖脂肪酸を生み出すまでの工程を見てみましょう。
食物繊維は小腸で消化されずに、大腸まで運ばれると昨日のコラムで書きました。その運ばれてきた食物繊維を糖化菌が糖に分解していきます。ここで、糖化菌がいなかったり、不活性な状態だと、そもそも短鎖脂肪酸が生み出されないのです。

ここが食物繊維を食べても、便秘が改善されない人の一つの原因でもあります。

その分解された糖を材料に、乳酸菌は乳酸を、ビフィズス菌は乳酸と短鎖脂肪酸の酢酸を生み出します。そして、別の菌の働きにより、乳酸や酢酸から短鎖脂肪酸のプロピオン酸や酪酸が生み出されます。

要するに、菌たちの働きが徐々に加わり、食物繊維が短鎖脂肪酸へと変わっていくのです。

ここで、一つ疑問点が出ます!
糖を口からダイレクトに入れれば、食物繊維なんてものから変化させずに済むのでは?と・・・。

その疑問点は明日のコラムでお伝えしたいと思います。