2025年1月14日(火)の株式関連振り返り
株式市況(2025/01/14 18:15)
その他株式・ETF・REIT・債券市況
国内株式指標
日経平均株価・寄与度上位銘柄
上位10銘柄
下位10銘柄
コメント(個人メモ)
日経平均株価は4日続落。
前週末比716円10銭安の3万8474円30銭で取引を終えた。
米政権によるAI半導体輸出の新規制案が発表され、半導体関連銘柄が大幅に下落した。
また、日米の長期金利の上昇も相場に影響を与え、日経平均は900円近く下げる場面も見られた。
日銀副総裁は、1月の金融政策決定会合での利上げ議論について言及したが、株式市場の反応は限定的だった。
良品計画(7453)は前週末の決算発表が市場期待を上回り株価を大きく上げた。
感想
AI半導体輸出新規制に起因する米国市況悪化や、日米金利上昇を受けた株式の割高感から、日経平均は2%近くと大きく下げた。
市場は日銀副総裁の発言に大きく反応せず、半導体悲観一色だった。
2025年1月10日(金)の株式市況振り返りで「アドテスト(6857)などが大きく下げた場合、日経平均も下落へ舵を切る可能性がある」と危惧して早々、アドテスト1銘柄だけで日経平均を250円以上も押し下げた。
2025年1月12日(日)の株式関連振り返りでも指摘した通り、日経平均はレンジ相場である。38,000~38,500円を下値に意識されており、ここを下抜けると危険であるため、今晩の米株式市況や明日以降の東京株式市況は緊張感が高まる。
日経平均MACDデッドクロス形成など、売りの見方も多い一方、騰落レシオ(6日)は37.19と極めて低水準に達しており、反発期待の見方もある。難しい相場が続く。
氷見野日銀副総裁の講演
利上げに関する発言
「1月の利上げは、それまでに得られた情報を精査して、経済物価の全体像を考えた上で、政策委員の間でよく議論して、適切に判断していく」
ポイント1(物価を巡る状況と今後の金融政策)
国内での注目点の一つは、2025年度の賃上げの見通し
2024年度に続いて強い結果を期待
前週の日銀支店長会議で、今後の継続的な賃上げを中期経営計画に盛り込むこととした企業についての報告が複数の支店長からあった
各種アンケート調査でも、賃上げ予定先比率や賃上げ率は、前年並みないし前年を上回る結果が多い
海外での注目点の一つは、米国の新政権の政策と、それが米国経済・世界経済・日本経済に与える影響
来週の就任演説で政策の大きな方向は示されるのではないか
少なくとも米国経済は当面強いパフォーマンスが続くとの見方が多い
ポイント2(金融政策を巡るコミュニケーションのあり方)
フォワードガイダンスの時代とは局面が変わっている
あらかじめ将来の金融政策決定会合の結論についてまで一定のガイダンス(フォワードガイダンス)が示されるのが当たり前だった
フォワードガイダンスは、効果もある一方、政策転換が必要な局面においては制約になる、あるいは政策変更を遅らせてしまいかねない弊害がある可能性が意識され始めた
現在では、多くの中央銀行で「決定会合時点までに入手したデータの全体像をよく見て、会合ごとに判断していく」という姿勢が基本線になっており、昨年3月に日銀もフォワードガイダンスを取りやめた
金融政策が意図してサプライズを起こすことは、基本的に望ましいことではない
市場が金融政策に対して抱く予想と日銀の考え方とのギャップが解消される過程で市場が混乱することが考えられる
金融政策の効果は、中央銀行の意図がどれだけ広く正確に受け止められるかに大きく依存する
コミュニケーションについては経験に学びながら継続的な改善に努めていく
政策委員による金融経済懇談会についても、時期を平準化していく
日程についても、ぎりぎりの発表では緊急のメッセージと誤解されかねないため、できるだけ早くに公表する
気になるニュース
バイデン米政権、AI半導体輸出で新規制発表
バイデン米政権は、NVIDIAなどのAI向け先進半導体の販売に関する新規制を発表した。
輸入国が制限対象国に輸出する場合も規制対象となり、米政府の基準に対する同意と許可が必要になる。
この規制は1年以内に発効予定で、販売可能な演算能力の上限を設定し、対象国の企業は安全保障や人権基準に合意することで制限を回避できる。
意見公募期間は120日と長期に設定され、業界からの反発も強い。
レモンド商務長官は、国家安全保障の保護と取引継続のバランスを強調し、ゲーム用半導体は対象外と述べた。
米国は、中国の技術的進歩を懸念し、友好国にAI開発を集中させる狙いがある。輸出規制は与野党両党にとって優先課題となっている。
Blackwell搭載ラックのオーバーヒート問題
NVIDIAの最新AIチップ「Blackwell」を搭載したラックに関して、主要顧客が注文を遅延させていることが明らかになった。
ラックとは、データセンターで使用されるチップやケーブル、その他重要な機器を収納する構造物のことであり、Blackwellを搭載したラックの初回出荷分がオーバーヒートし、チップ同士の接続に不具合が発生している。
MicrosoftやAmazon、Google、Metaといった大手企業が一部注文を削減しており、顧客は新型ラックの後続バージョンを待つか、旧型チップを選択する状況にある。
マイクロソフトは、主要パートナーであるOpenAIより旧世代のNVIDIAチップを求められているとのこと。
欧州最大の年金、テスラ保有株を全て売却
欧州最大の年金基金であるオランダの公務員年金ABPは、昨年7~9月に米テスラの保有株式を全て売却した。
売却額は5億7100万ユーロ(約920億円)に上り、イーロン・マスクCEOの報酬パッケージに賛成できなかったことが主な理由とされている。