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「歯・歯並び」 姿勢や運動のパフォーマンスに重要? 理学療法士
今回は歯や歯並びと姿勢・運動の関係についてまとめていきます。
歯や歯並びは容姿などの観点から矯正治療やホワイトニング等の治療がトレンドになっていると思います。
その中で歯や歯並びと大きく関係する顎関節は運動にとって大きな影響を及ぼす部位の一つであると思います。
その理由として、口を開けたり、閉めたりするには必ず上位頸椎の運動が伴います。
口を開ける際には上位頸椎は伸展運動、閉じる際には上位頸椎は屈曲運動をします。
頭位前方位では開口障害が起こるとされていますが、視線を前方に保ち、頭位が前方に偏位すると上位頸椎は伸展し、口が開いたような姿勢になり、その状態からさらに口を開けることは難しいことは実際に行うとよくわかります。
生活の中では、大きな声で話すことやご飯を食べる際にも必ず頸椎の運動が起こります。
そして、顎関節と大きな関係を持つ頸椎は頭位をコントロールする大事な部位でもあります。
頭位の傾きは前庭神経系を介して、姿勢の安定やバランスに大きく関与するため、頭位が傾いた状態では姿勢の不安定性に関連します。
その不安定な状態で歩いたり、走ったりすることはより頭位のブレが起こり、不安定な刺激として感覚が入り、より姿勢を緊張させるため、効率の良い動きにはなりません。
さらに上位頸椎の回旋や側屈運動に伴い、下顎の側方への運動が起こる報告もあります。
そのため、上位頸椎と顎関節の関係は矢状面だけではなく、前額面・水平面上での偏位にも影響しあうことが考えられます。
これらのことから良い姿勢を保つことと良い歯並びや歯の状態でいることは相互的な関係であることが予測され、両者の状態をしっかりと管理しなければいけいないと思います。
歯の治療を怠ることでパフォーマンスが低下することがあるため、定期的なケアも必要なことである一方、歯や歯並びの状態を良くするための一つの因子として姿勢を見直すことも大事であると思います。
ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。