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肩腱板筋機能と肩関節運動の関係 理学療法士

今回は肩関節機能において重要である腱板筋の機能についてまとめていきます。

肩の腱板筋とは棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋があり、これらが機能することで肩関節が安定している状態である「求心位」を保つことに繋がります。

そのため、インナーマッスルトレーニングカフエクササイズなどが肩関節疾患の運動療法では重要視されることが多いと思います。

私も肩腱板筋がしっかりと機能することの重要性は十分に理解しているつもりですが、現場レベルではややトレーニング等が方法論になっている場合があるようにも感じます。

その上で、しっかりと効果的なエクササイズをするために知っておくべきとても面白い知見があります。

それが海外の報告で、上肢挙上運動における肩関節周囲の筋活動のタイミングと活動量を研究したものになります。

その報告では、「棘上筋が肩を挙上する0.1秒前から筋活動がみられた」という事実です。

つまり、パッと見た時に何も動く様子がない状態で、すでに棘上筋が先行的に活動しており、そこで求心位が取れることでアウターマッスルが機能し、フォースカップルが機能できるということになります。

その事実を考えると「動かそう」と思ったときの姿勢である上肢下垂位の状態で静的なアラメント不良がある場合体幹が不安定である場合などではうまく棘上筋が機能せずに求心位がうまく保てずにアンバランスな挙上運動が起こることが予測されます。

そのため、肩関節複合体の静的なアラメントの評価姿勢に伴う体幹機能の評価を前提として、エクササイズやトレーニングに移行することが重要であると思います。

この部分をしっかりと細かく判断できる評価技術や触診技術はとても重要であると考えます。

なので、腱板筋が効くトレーニング方法をするだけでは、確実な効果がでるかどうか不明瞭な部分が存在します。

上記の内容を評価したうえでエクササイズを考えると、無意識的でかつ先行的な働きをする腱板筋を賦活できる運動腕を細かく素早く無駄な力を入れずにできる動きである水をいれたペットボトルを振るなどの動きが近いように感じます。

これを下垂位や2nd外旋、結髪肢位などいろんな肢位でできること自体が腱板筋が機能していることも繋がるのではないかと思います。

意外とやってみると振りにくかったり、肩や背中で振ってしまって脱力できていないこともあるので試してみてはいかがでしょうか。

ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。

※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。

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