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絵やアカウントの画像が、教えてくれること。~アナログな遊びに隠された力~

小学生の時、漫画家さんになりたくて描いていたことがありました。
でも、上手く描けなくて。
右目は描けるのに、左目が描けないと四苦八苦してた思い出があります。

いつも楽しく記事のヘッダーを選んでいます。
素敵なイラストをシェアさせて頂き、皆さんありがとうございます。

文章がそうであるように、絵もその人の心や人柄を映し出すものだと私は、思っています。


音読カードが真っ黒に!

うちの小学校では、ほぼ毎日音読の宿題が出ます。
真っ白の画用紙を半分に折った表紙を開くと、チェックシートが貼ってあります。それを親がチェックしてサイン→先生のスタンプをもらう、というものです。

表紙は、無地のままでもいいのですが、長男は絵を描いていました。
低学年の時は、好きなキャラクターが多かったかな。
4年生の時は、社会で学習したからか、世界の国旗を描いてました。
5,6年の時も好きなものを描いていたと思います。

でも、6年生のある日、異変が起きました。
音読のチェックシートにサインしようと取り出したら、
真っ黒に塗りつぶされていたんです。
表も、裏も。

これまでも何度か書いていますが、丁度、彼が学校に行きたくないと言い始めた頃だったと思います。もしかしたら、
「どうして急にぼくをほったらかしにするの?」と言われたのと同じ頃だったかもしれません。
(過去記事:「思い切って塾をやめたら、学力以外が伸びた、という話。」も、よろしければぜひ。)

目にした瞬間、胸に衝撃を感じました。

間違いなく、彼の心理状態を表していると思いました。
これは、SOSだと。

言葉にできない気持ちが、音読カードの表紙に託されていました。
このままでは、いけない。
このサインを見逃しちゃだめだって。
音読カードを塗りつぶしたことには、特に触れず、
(そこを指摘すると、表現しなくなってしまう可能性があるので)
ひたすら長男を丁寧に観察したり、寄り添うことを重視しました。

具体的に何をしたか・・・ということを思いだそうと思ったのですが、
すみません。忘れてます。
とっておきノートやスケジュール帖にも書いてませんでした。
多分、必死だったんでしょう。

その甲斐あってか、しばらくすると、
真っ黒だった音読カードにぽつぽつと星の絵が加わりました。

「わ。これいいね。夜空だったんだね。星が出てきていいねー」
と伝えると、
「ん? んー・・・」と素っ気ない返事でしたが、
彼に向かって伸ばした手が、どうにか繋げられた気がしてホッとしたのを憶えています。

お絵かきやおままごと遊びからわかること。

心理学の世界では有名な、「バウムテスト」。
木の絵を描いてもらって、その人の心理状態を絵から読み取るというものです。
言語聴覚士として働いていた時、3歳児検診にも携わっていました。
いわゆる、「きこえとことばの教室」の担当でした。
その時に、臨床心理士さんとも一緒にお仕事をさせてもらっていたので、間近で箱庭やロールプレイといったお子さんとのセッションを学ぶことができました。

大人とのセッションとは違い、子どもとのセッションは臨機応変な対応が必要です。もし「木はいやだ!」と言われたら、別にそれでもいいんです。
花や人物でも好きなものを描いてもらう。
そこから読み取ることは、可能です。
「遊び」には、子どもの心がたくさん映し出されています。

お人形遊びや、おままごとなんかも心の中のものがよく反映されると思います。否定はせず、こどもの主導に任せてお話を展開していきます。そうすると、無意識のうちに溜まっていた気持ちが解消されてすっきりするようです。箱庭療法みたいな側面があります。

大切なのは、安心できる場であること。
だから、絶対に否定したり大人が思う「常識」や「正しさ」へ誘導してはいけません。

たとえ、
お人形にひどい言葉を浴びせたり、暴力をふるったり、
ぎょっとするような絵を描いたりしても。

もしそんな場面に出会ったら、驚くとは思いますが、
「そうなんだ」とまず受け止め、
「どうしてこの子(人形や絵の中のキャラクター)はこういうことをしてるんだろうね」と訊き、子どもの反応を待ちます。
言えるタイミングであれば、理由を教えてくれると思います。

そう思うと、アナログな遊びはとても自由で、創造性があって、やっぱりいいですよね。ゲームやデジタルなものにはない強さと魅力を感じます。

受けたショックや抱えきれない気持ちを言葉にできない子どもだからこそ、遊びや絵から読み取る、ということも子育ての中で活かせる一つの技術かなと思ったりします。
まさか、高学年の音読カードでそれが出てくるとは予想していませんでしたが。

ちなみに、SNSのアカウントで同じようなことが読み取れます。
長男の気分が落ち込んでる時は、やっぱりアカウントの背景画像が真っ黒なんですよね。で、調子が戻ってくると、楽し気な画像になるんです。
中1、2の時にはアカウント画像がコロコロ変わっていたのですが、
最近はそれも落ち着いてきているようです。

まだ小さなお子さんの場合は、
お絵かきやままごと、お人形遊びなどで。

少し大きくなってきたら、
学校での図工作品やお絵かきから。

もっと大きくなったら、
SNSのアカウントやデスクトップの背景とかでしょうか。

時には、そういったものから
子どもや相手の気持ちを想像したり考えてみるのも興味深いと思います。

読んで頂き、ありがとうございました。
どなたかのお役に立てたら、嬉しいです。









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