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【インタビュー】ネイリスト・おかば先生 TikTokでバズる企画づくりのコツは?

現役ネイリストであり、TikTokを中心に動画を投稿するインフルエンサー・おかば先生。TikTokアカウント(@kabachano)は14万人近くのフォロワーを抱え、セルフネイルのコツやトレンドに限らず、食べ物を再現したリアルでユニークなデザインネイルなどをショート動画で届けています。今回はおかば先生にインタビューを行い、現役ネイリスト流のSNS活用術を聞きました。

おかば先生/現役プロネイリスト。大阪在住。TikTokを中心に、ネイルの正しい知識と役立つセルフネイル向け情報発信。趣味は飲み歩き、パワースポット巡り。

現役ネイリスト兼インフルエンサーとなったきっかけ

――おかば先生がTikTokを始めたきっかけを教えてください

ネイリストの会社に就職した時、新人研修担当になったんです。技術を後輩に教えるってやりがいのある仕事だからめちゃくちゃありがたくさせてもらってたんですけど、次の年から新人が入らなくなって、「誰かに教えたい」って気持ちだけ残ったままになってしまったんですね。ネイルの楽しさや良さを伝える方法がないかなーと考えていた時に、あ、SNSでできるかもって思ったんです。誰かに教えるってことをやりたかったから、おかば“先生”って自称した名前になりました(笑)。

――YouTubeやInstagramではなくTikTokをメインにした理由は?

TikTokが好きだったというより、消去法で残ったのがTikTokでした。YouTubeは当時ショートがなくて、長い動画は素人だとハードルが高いと感じていて。Instagramはおしゃれなイメージが強くて、私のキャラをInstagramで出すならどないしたらええか?って考えてみたんですけど、どうも続けていけるイメージが見えなかったんですよ。TikTokならショート動画だしキャラを全面に出して続けられそうということで始めてみました。

――おかば先生といえばアニメ『カードキャプターさくら』に登場するケロちゃんっぽい、おっとりした関西弁も人気ですが、そのキャラクターは最初から作り上げていたのでしょうか?

このキャラっぽくいこうって最初は全然意識していませんでした。関西弁って親しみやすく喋ろうとすればするほど強い口調になるので、丁寧に丸っこく喋るよう意識したら「ケロちゃんに似てる」ってコメントをたくさんいただいて。あれ、そうなの?と気づいてから、ちょっとずつ寄せていってみたら、「癒やされる」「聞き取りやすい」って反響もたくさんいただくようになったので、この声で喋るようになりました。視聴者のみんなのおかげで完成したキャラ、と言っていいかもです。

SNSの棲み分けや意識していること

――SNSのフォロワーの属性を教えてください

TikTokは10~20代がメイン、Instagramは少し上がって30代くらいまでの方が見てくださっています。YouTubeになると幅が広がり、10代後半から50代くらいまでの方にフォローしていただいてます。性別は女性がメインです。

――TikTokの企画を立てる時に意識していることはありますか?

企画に関しては、その時々に目に留まったもの、なんとなく「流行ってるな」って思ったものを、直感で取り上げることが多いです。投稿する時間についても、大体20時から21時って軽く意識しているくらいで。性格的にきっちりしようとすればするほど続けるモチベーションがなくなりそうなので、あえてふわっとしたゆるさでやっています。

――TikTokのサブスクリプションもありますが、どんな投稿をされているか教えてください

サブスクはプロのネイリストさんやネイルの知識がある方向けに、スクールと変わらないくらいの熱量で、技術を惜しみなく伝える場にしています。入ってくださってる方限定のオープンチャットがあるんですけど、そこで毎月「みんな今学びたいものは何? 何でもいいよ~」って聞くんです。そこで出た意見を参考にして、マシンの使い方やネイル技術を動画にします。通常の投稿は基礎中の基礎を、サブスクでは専門用語を交えながらしっかりと、と棲み分けています。

――TikTok、Instagram、YouTubeは、それぞれどのように使い分けていますか?

メインの発信はTikTokでしていて、ネイルの情報プラス自分の興味があることや気になることなどの雑談もお話しています。YouTubeはTikTokの切り抜きやLIVE動画のアーカイブを載せていたんですけど、普通に長い動画もこれから増やしていきたいなって思ってます。Instagramはお店のお客さん用にデザインのサンプル画像を載せたりイベント告知したりと、少しずつ使い分けています。

「セルフネイルをしない層」もファンにする動画テクニック


――これまで反響の大きかった動画の特徴は?

私の動画はセルフネイルのやり方をお伝えしていることが多いのですが、それとは違う「リアルシリーズ」というのがあるんですね。ラーメン、お寿司、ビール、かき氷とかリアルな食べ物のモチーフをネイルにしていて、フォロワーのメインは女性ですが、このシリーズは男性からもコメントが多くて、ネイルという枠に留まらず反響をいただいています。「食べ物」という多くの人が興味のあるものをテーマにすると、一気に視聴者の層がワッと広がる実感があります。一度リアルシリーズでバズってからは、多くの方に楽しんでいただけるよう、定期的に動画を作っています。

――セルフネイルを実践しない視聴者にも楽しんでもらえる工夫をされているんですね

工夫でいうと、ただセルフネイルを紹介するだけではなくて、「最近あったおもしろいエピソード」も動画で一緒に話しています。最初はウケると思ってなかったんですけど、エピソードに関するコメントを多くいただくようになってから、ちょこちょこと話すようにしていて。外国人の方に道案内したら日本語で返されたとか、ひとつひとつは小さい話題なんですけど(笑)。

――コメント欄で人生相談するファンも多く、おかば先生のあたたかいアドバイスも反響が大きそうです

ネイルが好きでネイリストをしていますけど、対人関係やキャリアの悩みって誰しも共通する部分があると思うんです。こうやったら私は楽やったな、こんな時にしんどかったけどこう乗り越えたな、とか、ネイルに限らず私がお伝えできることは全部共有していきたいなって思っていて。ネイルに興味がある人以外にも何かちょっと楽になったりクスッと笑っていただけたりすることがあるといいなと思いながら、日々動画を作っています。

ここ最近、みんな大変で、疲れていると思うんです。しんどいなぁって時にボーッとお茶を飲みながら動画を見て、ちょっとほんわかしたわって思っていただけるアカウントでありたいと心がけています。ネイルとはまた違う動画は今後YouTubeで出していく予定なので、楽しみにしていただけると嬉しいです。

YouTubeチャンネルでは長尺動画も増やしている

コラボの基準は「ネイルと向き合っているかどうか」

――企業とのコラボも行っていますが、コラボを受ける基準を教えてください

ネイルに対してきちんと向き合っている企業さんであるかどうかが、お話を受ける基準にしています。あと、TikTokは動画のパターンが決まっているので、その流れに合うように、ある程度の自由度を許容してくださる企業さんの商品は積極的に受けさせてもらっています。ただ、紹介する商品は全て試しているので、「ちょっとちゃうかも」と思ったら、その時点でお断りさせていただくこともあります。

――最後に、今後、挑戦したいことはありますか?

コメントでよくいただくのが、おかば先生プロデュースのネイルスターターキット。どのメーカーがおすすめかセレクトしてほしいという声をいただくので、私も作ってみたいです。あとは、ネイリストさんのテンションが上がるアイテムにも興味があります。ネイリストはお客様に“かわいい”を提供する仕事だからモチベーション維持が大切なので、かわいくて機能性が高いものに囲まれているのが良い環境だと思うんです。私が愛用しているエプロンがあるのですが、ここのメーカーさんのエプロンは本当にかわいくてお気に入りで、こんな感じのモチベーションにつながるアイテムを作り出せたら楽しいなって想像しています。

おかば先生のSNS・YouTubeアカウント

Z世代に愛されるインフルエンサーのヒント

✓「あえてふわっとしたゆるさ」で更新
✓美容がコンセプトでも雑談やグルメなど興味のあるテーマを盛り込む
✓コラボを受ける基準は「商品に向き合っている」かどうか

「ネイル」という視聴者の幅が絞られるジャンルでありながら、おかば先生が14万人近くのフォロワーを抱える理由は、ネイル初心者でも分かりやすい技術を伝える工夫はもちろん、セルフネイルをしない層もファンにさせるトークや企画力があるからこそです。ひとつのジャンルに特化していても、幅広い層の視聴者がいるインフルエンサーにこそ、熱狂的なファンがついているといえます。ジャンルを超えてファンを獲得するおかば先生のSNS活用術に、プロモーションのヒントが散りばめられています。

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