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和の心 「懐石料理」

懐石料理(茶懐石)の由来

懐石料理店-イメージ図

懐石料理」(茶懐石)は、
安土桃山時代に茶道の創始者としても
有名な「千利休」が禅の精神を追究し
確立した日本人の心を表す料理です。

当初は、
空腹状態で茶を飲むことを避け、
茶をより美味しく味わうことが
目的の質素な料理のようでした。

しかし、大正時代に入ると、
諸外国から多量の肉などを容易に
手に入れられるようになり徐々に
今日に見られる和の心「おもてなし」
の豪勢な懐石料理となってきました。

一方で、今も昔も変わらないのが、
汁物1品とおかずを三品とした一汁三菜
=(いちじゅうさんさい)の形式です。

また、
確立したのが千利休ということもあり、
懐石料理の食事作法は、茶道の作法に
準じており現代の多国籍料理が主流の
料理界においてもシッカリと日本の心
侘び寂び」の心が息づいています。

四季折々の素材、
侘び寂び」という日本独自の心を味わい、
茶を美味しく味わうための質素ながら中身に
こだわった四季折々の素材の味を堪能する、
それが本来の懐石料理の魅力です。

茶道に通じるおもてなしの心で親しく
配慮の心身の活動の何気ない心配りや
気配り、心から感じられるように調理
された旬のものなどを味わえます。

懐石料理には、一般のサービス業に無い
とても厳しい作法≒所作・心得があります。

例えば、亭主(もてなす人)であれば、
食材の季節感を大切に味を最大限に生かす。
客人(おもてなしを受ける人)の場合は
魚の食べ方や箸の扱い方にも作法があります。

そう言うおもてなしの作法を通じて、
侘び寂び」という唯一無二の日本独自
の心を重んじながら食事を楽しむのです。

おもてなし-イメージ図

食材の持つ味、色合い、香り、風味
と言う素材の長所を活かす懐石料理は、
旬の食材を用い12ヵ月夫々に工夫され、
または四季の献立を料理人が独自に考え
試行錯誤して生みだした独自の料理であり、
故に特に決まった工程はありません。

しかし、
料理人に共通する精神・姿勢はあります。

それは
食材本来の味・色合い・香りを活かし、
お客人へおもてなしの心で調理すること。

また、食材は大地や海の恵みである
と言う精神から喩え食材の切れ端でも
勿体ないの心で決して粗末にはしません。

一方で、
冷たい料理は涼感を楽しんで欲しい
との思いなどから、盛りつけする器
に至るまで冷たくするなど、些細な
気遣いがとても心温まる工夫が見られます。

茶道はよく、
おもてなしの文化」と言われますが、
自分の姿を探すための文化
であると思います。

千利休・茶道

勿論、この茶道は客人をお迎えして
心尽くしのお茶を差し上げることです。

そこには、人と関わることによって、
自らを育むというプラスの目的があります。

茶道は自分の中にある見栄や妬み、
邪(よこしま)なものをできる限り取払い、
本来の自分を探す為、本来の自分に近づく為に、
余分なものを削る為にお稽古があるのです。

そのような稽古の先に、
もてなす」という行為が入ってくるのです。
また、茶道の「おもてなし」は海外で
ティーセレモニー」とも言われています。

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