上に立つ者の人間力(2)-対内
管理・監督・指導者の対内対人関係力
此処で言う対人関係力(管理指導者)は、
対人関係力は会社内や職場内の人を
対象とする「対内人関係力」とお客様や
患者さん・クライアント・取引先に関する
「対外対人関係力」に二分出来ます。
この二つに共通する能力は、
相手を思い遣る心の表現と伝達であり、
触合う相手を観察し察知する洞察力、
その他感謝心、先見力、寛容力、知識
情報力のようなその人の持つ感性や意識、
スキルなどであり、またそれを触れ合う
相手の状況に合わせ適切に表現し伝達する
ために必要とされる言語力や会話力、
態度や所作、マナーなどがあります。
管理者の能力【C】
A.「対内対人関係力」
【ポイント】
部下と人として心で触合う時間を
進んで持ち部下と向き合い観察する
時間を取ることを積極的に実践する。
1.指導する場合.
部下の資質を把握し、
指導時の精神状態を瞬時に判断し、
相手が受止め易い切り口から指導する。
部下の長所を見出し、
才能を引き出す場合のポイントは、
本気で真剣に指導を受ける人の事を
思考し、思い遣りと真心を持って指導、
育成を行うことが大切なことです。
指導する際に大切なことは
一人ひとりの良い処を見つけ出し、
本人の持つ隠れた才能を探し出し
それを個々人に合わせ育み生かす
ことでありこちらの都合や事情で
一方的に指導教育することではありません。
2.管理監督者・指導者の在り方=心の軸
「どんな知識があり、何が出来るか」よりも、
「どのようなスタンスを持ち仕事に取組んでいるか」
と言う取組み姿勢を支える土台石「在り方」
が、管理監督者・指導者としての信頼や
人望・信望を得るためにも大切なです。
その為に管理監督者・指導者は自らの
仕事へのスタンスを意識して普段の職務
の遂行時から行うことです。
3.相談を受ける
先ず、話しを確り聞き、即答出来るようにする。
或は、その後でその人に合わせた
他の選択肢も個別面談などで伝える。
結論は、こちらから出さないで
相談者本人に考えさせ決めさせる。
4.知識・情報収集
管理監督者・指導者・責任者として
仕事に従事する者は出来る限り多方面に
様々なアンテナを張り巡らし、社会情勢、
知識や情報収集のためのルートを常に作り、
適切に選択し伝えることを怠らないようにする。
同時に、自らの心身の活動を内省を
すると共に未知の知識に対する
向上心を以って学ぶ姿勢が必要とされる。
5.信頼される指導者になる
信用信頼は一つ築くと細胞が増える
のと同じようにどんどん増えて行く
ことをいつも自覚認識しておくこと。
その為には、
最初の一つの信用をいかに築くかポイントです。
何事に対しても見返りを求めたり
望んだりする行為はしない取組姿勢で、
意識や情報などを与える側に徹すること。
話す内容の自信と力強い信念のある話し方、
大切なことは、喩え厳しい内容であっても
勇気を持って話し伝え自信のある
判断や決断を示せる指導をすることです。
先ず信頼の原義を知るために
大辞泉で辞書検索すると
「信頼」は、
<信じて頼りにすること。
頼りになると信じること。
また、その気持ち。>とあり、
信頼と深く関わる「信用」については、
<確かなものと信じて受け入れること。
それまでの行為・業績などから、
信頼できると判断すること。
また、世間が与えるそのような評価。>
とあります。
言換えると「信用」は、
実績の客観的評価であり、その信用を
根拠にその人や物が将来も安定して
信じ続けられることである、と言う
感情が「信頼」であると考えられます。
詰り、信用は自ら築いた「過去の成績」
と捉えれば、信頼は周囲から寄せられる
[現在から未来への期待]と解せます。
この信頼の文字を分解してみると、
「人」「心」「口」「束」「頁」の
文字で構成され、この五つの文字を
人間的、仕事上、組織・会社の夫々
に当て嵌めて考えみますと「頁」の部分が
以下のように解釈することが出来ます。
人間的な信頼の場合では、
その人の持つ心の「頁」(人間性)の厚み、
即ち日々の人として大切な心や言動
などの様々な生き方の「頁」を
一枚一枚の積み重ねでありそれを束ねる
ことを意味し、一方仕事上では、
実績やスキル、取組み姿勢や言動など
の一つひとつを束ねたこと、
店・組織・会社では評判や歴史、
人とモノを束ねたなどのことを
意味すると考えられます。
と同時に上記した五文字の中で「頁」は、
信頼を紐解く上で大切なキーワードです。
即ち、
このキーワードである「頁」の厚みは、
信用。信頼の深さであると言えます。
6.向上心.
実際に行う際に必要と考えられる
モチベーションを与え、何故するのか?
という目的を能力に合わせて理解させ、
まず、ワンランク上或いは少し上の仕事
をさせてみることから始める。
相談、報告時の
指導者(自分)の利用の仕方を教える。
相手の立場に立ち思考する(立場転換意識)
を理解させ、実際の具体的な例などを
些細な事も含め加味して話しながら、
管理監督者・指導者(自分)の部下として
活用法、利用の仕方を教える。
7. 心のエンジンを動かす
人は得てして、
他人に認められたり評価して貰える
心のエンジンに目が向いてしまいます。
何故か?がその元の自分と「向き合う」
ための心のエンジンは動かそうとしません。
本当に大切なのは、
「自分と向き合う」エンジンを
動かすことではないでしょうか❓
このエンジンを動かすことで素晴らしい
成果を得たのはスケートの「羽生選手」です。
私達は日々仕事や生活に追われ、
真摯に自分自身と向き合うことは
中々出来ませんが自分自身を真摯に
見つめる心のエンジンを発動させる
ことを疎かにしては進歩はありません。
ではどのようして
己と向き合えば、よいのでしょうか?
今の自分に合った以下のこと
を参考にし考えてみてください。
1. 行いや思いについて実体を知る
2. 自分自身の強み弱みを知る
3. 好き嫌いの弊害を知る
4. 感情の理解、認識、調整、識別、利用を知る
5. 対人関係における平等と受容を知る
6. 自らの道徳やモラルの実際を知る
7. 自らのゴール(理想の自分)とその道を知る
8. 当たり前に知っていると思っている心の要素、
思いやり・感謝・誠実・謙虚・立場転換
と言ったことの語彙を知る
9. 行動を妨げている自分の心を知る
10.正しい判断基準の実体を知る
11.自己開示の方法と効果を知る
12.現在の心の所在が解り、本来の己の姿を知る
13.自分の心に警報が鳴った時、素直に原因を探せる
14.己の心にある好き嫌いやプライド、驕りを知る
15.自分と他人の様々な差異を知る
・・・など、まだまだあります。
今後の為にも人の上に立つ方が、
この心エンジンを効率的に
動かすことをお薦めします。
また、折に触れ部下と対等な立場で
人生観や社会観を語ることも必要です。