迷いを乗り越えてSEから介護職へ!37歳の挑戦がもたらした成長の軌跡
「挑戦してよかった」と心から思えることは、システムエンジニアから介護職に転職したことです。
新たな道に踏み出したその瞬間から、私は介護業界で成長し続け、輝く人材を目指して挑戦を重ねてきました。この決断が、私の人生にとって最も大きな転機になったと確信しています。
挑戦してよかったこと
1. 転職のきっかけ — 心の中で燃え続けた想い
振り返ってみると、37歳でシステムエンジニア(SE)から介護職へ転職することは、私にとって大きな転機でした。その決断は一瞬の衝動ではなく、心の奥で静かに燃え続けていた「ある想い」から生まれたのです。
祖父母は私にとってかけがえのない存在でした。幼い頃からたくさんの愛情を注いでくれた二人に、何か恩返しがしたいという気持ちが常にありました。祖父母が亡くなって以降、その思いはますます強くなり、やがて「介護職」という形で自分の人生に向き合うことを考え始めます。
しかし、現実的には「介護はきつい仕事」という先入観がありました。SEとしてのキャリアは順調に進んでいましたし、介護職に転職するという選択肢を真剣に考えることはありませんでした。
それでも、心の中ではずっと「このままで良いのか?」という問いがくすぶっていたのです。
ある日、社内で部署移動の話が持ち上がり、それをきっかけに私は自分の人生を改めて見つめ直しました。「今、このタイミングで挑戦しなければ、年齢的にもうチャンスはないかもしれない」と感じ、介護職への転職を決断したのです。
2. 不安と葛藤 — 突きつけられた現実との向き合い方
介護職へ挑戦することを決意したものの、30代後半で未経験の仕事に飛び込むという現実は厳しいものでした。これまでの専門性も役に立ちません。
特に、自分に「他人のお世話」が本当にできるのか?排泄のケアや身体介護が苦にならないか?という不安が常に頭をよぎっていました。実際に現場に立ったときの自分を想像するたびに、冷や汗が出たのを覚えています。
そんな中、私の背中を押してくれたのが当時の彼女でした。彼女は介護職に就いており、私の不安に対して的確なアドバイスをくれました。
「あなたは優しいし、相手の立場に立って物事を考えることができるから、介護職に向いていると思うよ」という彼女の言葉は、私にとって大きな救いでした。今思えば、彼女の支えがなければ、あの大きな一歩を踏み出せなかったかもしれません。
給与面ではSE時代と比較して大きな減額があり、夜勤もある仕事です。それでも、私は自分で選んだこの道を「正解にする」と心に決め、前に進む覚悟を固めました。
3. 介護職への挑戦 — 初めての現場での試練と成長
介護職としての最初の仕事は、名古屋市内の介護老人保健施設でした。
寝たきりの利用者様や認知症を抱える利用者様の日常生活の介助を担当することになりました。正直に言って、最初の数ヶ月は本当に大変でした。介護に関する基礎的な技術も、利用者様とのコミュニケーションも、全てが初めての体験で、自信を持つことができませんでした。
特に苦労したのは、利用者様それぞれの個別ニーズを理解することです。
利用者様によって対応が異なるため、一律のやり方では通用しません。私は、先輩スタッフからのアドバイスを受けながら、介護記録やフェイスシートを読み込むことで、利用者様の背景やニーズを理解しようと努めました。
地道な努力の結果、徐々にコミュニケーションのコツを掴み、利用者様との信頼関係を築いていくことができたと感じています。
あれほど心配していた「お世話」に関しては、意外にも抵抗なく受け入れることができました。むしろ、生活を支えるという実感が、自分の中での「やりがい」に変わっていくのを感じました。
介護職に就いて初めて、私は「人の生活を支える仕事」の本質を理解したのです。
4. SE時代のスキルが活きる瞬間 — 意外な発見
驚いたことに、SEとしての経験が介護現場で役立つ場面がいくつもありました。
特に、SE時代に培った問題解決能力や業務効率化のスキルは、介護の仕事にも応用できました。ただ、その中で最も役立ったのはコミュニケーション能力でした。
SE時代には、技術的な内容をクライアントにわかりやすく説明することが求められましたが、そのスキルが介護現場でも大いに役立ったのです。
介護の現場では、看護や他の職員と連携し、利用者様の状態を正確に共有する必要があります。私は、SE時代に身につけた論理的な説明能力を活かし、看護に対して利用者様の状況を的確に伝えることで、スムーズな連携を図ることができました。
SEとしての経験が、まさかこのような形で役立つとは思いませんでしたが、これもまた「挑戦してよかった」と感じる瞬間でした。
5. 新たな挑戦 — キャリアの転換点
介護職として1年間の経験を積んだ後、私は新たな挑戦を決意しました。
より高度な医療を提供し、利用者様が最期を迎えるまでサポートする施設で働くために、名古屋市内の住宅型有料老人ホームへ転職しました。
この施設では、看護師との連携がさらに重要となり、より深い介護の知識と技術が求められました。ここで私は、介護職としての成長を実感しながら、新たなスキルを磨くことができました。
この施設では、介護リーダーおよびサービス提供責任者として、チームをまとめながら、利用者様一人ひとりに合ったケアを考え、提供しました。
さらに施設運営にも関わることができました。特に、施設の入居率向上のための営業活動を行い、利用者様の数を増やすことで、施設全体の運営に貢献しました。この経験は、単なる介護職員としての役割を超え、組織全体に貢献できることの喜びを感じるものでした。
6. このまま介護職を続けられるのだろうか
介護職として順調にキャリアを積み重ねていく中で、私はふと新たな不安に直面しました。それは「このまま介護職のみでやっていけるのだろうか?」という不安です。
私が勤めているのは身体介護が中心の業態で、身体が資本の仕事です。今はまだ問題なく働けていますが、年齢を重ねたときに、果たしてこの仕事を続けられるのだろうかという不安が頭をよぎるようになりました。
私自身、80歳まで働くことを目標にしています。しかし、年齢を重ねたときに今のような身体介護の仕事を続けられるのかどうか、そのイメージが全く湧かないのです。むしろ、50歳を迎える頃には、今の仕事が厳しいと感じてしまうのではないか、とも思い始めました。この不安が、私に新たなキャリアを模索させる大きなきっかけとなったのです。
7. さらなる挑戦 — 生活相談員への道
この不安をきっかけに、私は身体的負担が少なく、さらに利用者様やそのご家族を包括的に支援できる「生活相談員」という新たな職種に目を向けるようになりました。
生活相談員は、介護職として培ってきた経験を活かしながら、利用者様の生活全体をサポートする役割を担う重要なポジションです。
実は、明日(9/16)から、新たな勤務地で生活相談員としての業務がスタートします。慣れ親しんだ介護職から少し系統の異なる職種のため、自分に務まるのか不安もありますが、自分で選んだ道を「正解にする」ために日々改善しながら取り組んでいきます。
8. 介護業界での挑戦は続く
介護業界に転職して約6年が経ち、私も40歳を超えました。
昔ほどの体力や活力は感じられなくなってきましたが、それでも介護業界の中で必要とされる人材であり続けるために、私は常に挑戦を続けています。
介護職としてスタートし、生活相談員を目指すという新たな道を歩み始めた今、私は自分のキャリアをより広げ、深めるために努力を惜しまず、利用者様やそのご家族により多面的なサポートを提供していきたいと思っています。
挑戦を続けることが、自分の成長だけでなく、周りの人々の生活を支えるための一歩であると信じています。