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100円のコーラを1,000円で売る!

 6月20日に東京都知事選挙の告示がされましたが、異例な事態が起こっています•••

 当選を目的としていない候補者が乱立するだけでなく、訳のわからないユーチューバーが掲示板の大半を占拠するとか、ほぼ全裸のポスターを掲示するとか、本当にとんでもないですよね!
 ここまでに至るまで政治が信頼できないことを積み重ねた結果、国民から見放されるようになったことから、こういう事態が発生しているのではと思わざるを得ません•••
 東京都民のみなさんには、こんな暴挙ともいえる手段で混乱されているかと思いますが、東京都の未来を決める一票ですので、自分が暮らす街の未来を賭けてもいいと思う人に投票していただくように心から願う次第です
 さて今回は、以前に書かせていただいたnoteで二重価格について少しだけ触れましたが、適正な価格をテーマに書かせていただきます

今回のnoteは「価格設定」をテーマに書かせていただきます!

■統一価格にしないといけない理由など何一つない!

 コロナ禍が落ち着きをみせた昨今、コロナ禍前に問題となっていたオーバーツーリズムが再燃してきました
 そこで勃発ぼっぱつしたのがこちら↓ のニュース

 地元住民とインバウンド客とで同じ商品の値段が違うってお話なんですが、一部では問題視する声もあがっています
 また兵庫県にある姫路城でも同じ話が出てきていて、インバウンド料金も設定する動きも出てきているそうです

 しかしながら価格設定自身に問題のある日本において、「いいものを安く」していることが薄利多売はくりたばいとなり、労力をかける割には手元にお金が思ったほど残らないという構造になってしまっています
 これを「おもてなし」という人がいますが、そんな実入りのない商売は長く続けることはできません
 日常的に利用する日本人客と、訪日時にしか利用しないインバウンド客と一緒にしなければならない理由が「おもてなし」というのであれば、営利目的で事業をされたことのない人の空論でしかありません
 それはなぜかは次で説明します

「おもてなし」だけでは事業は続けられません

■ビッグマック指数から見る日本の価格設定の低さ

 マクドナルドのビッグマックは世界各国で売られていることで知られていますが、このビッグマックの値段が、各国の為替レートや物価水準、購買力といった経済状況の比較や把握をしやすくするための指数を表しているとしてエコノミストが提唱したものです
 同じビッグマックでも各国で値段が大きく異なるのがわかります

ビッグマック指数(松濤bizパートナーズ合同会社HPより引用)

 これを見ていただくとわかるように、2024年1月期では、日本で食べるビッグマックほぼ3個分に相当する金額をスイスでは払っているのです
 為替レートやその国の貨幣価値にも左右されるので、一概には言いにくいところもありますが、それを差し引いたとしても日本の値段は安いです
 最近、マクドナルド社がモスバーガーと同水準にまで価格を上げる戦略に出ているというそうです

 コロナ禍が落ち着きをみせ、これだけインバウンド客が一気に増えてきて、それに加えて、人手が不足し人件費も高騰してきている中、「おもてなし」だけでは事業を続けることはできません
 「適正な」値段で事業をしなければ赤字になってしまいます
 二重価格表示は一般消費者に対して法に抵触する恐れがあるそうですが、インバウンド客が景品表示法でいう一般消費者と言えるかどうかが鍵となりますが、タイムセールスなどは認められていることから、それ相当の理由があればOKなのかなと勝手に解釈しています

 適正な価格の考え方について、次で説明していきたいと思います

ビッグマックの値段でその国の経済状況などがわかるそうです!

■100円のコーラを1,000円で売る方法

 まず商品の値段を設定する場合、原価と必要経費、そして利益以上の金額で値段設定します
 ここで問題となるのが、必要経費や利益の求め方ですが、必要経費はどこまで入れるか、販売予定個数をいくらに設定するかです
 ここを見誤るとそれなりの数を売っても赤字になってしまいますのでご注意を!
 あと利益をいくらに設定するか、これが損益分岐点の分かれ目となるのですが、どうしても類似商品の値段を気にしすぎて同じような価格帯にしてしまいがちです
 そうなると薄利多売のループに陥ってしまい、売っても売っても労力だけが増えるだけで、ほぼ手元にお金が残らない状態になってしまいます
 買われるお客さんが値段だけでその商品の価値を計っているわけではないのに、いい人が多すぎるのか、あまり強気になれない人が多いのかわかりませんが•••
 要は、その商品の値段が買う側が「安い」と思うのか「高い」と思うのかで売れるかどうかが決まり、「安い」と思う人が多ければ人気が出るのです
 もちろん、相場も気にする消費者も少なからずいますが、その人たちに売ろうとしている商品の価値をどう伝えることができるか、それが大きな鍵を握りますね

価格と価値の関係(「月3万円ビジネス」(藤村靖之著)より)

 今回のタイトルをご覧になられて「おやっ」と思われた方もおられると思います
 この「100円のコーラを1,000円で売る」は永井 孝尚ながい たかひささんの名著「100円のコーラを1,000円で売る方法」から拝借させていただきました
 この本の中で、原価100円程度のコーラを実際に1,000円で売っていて、それでも「安い」と感じる方法などが書かれています
 人は値段以上の価値を感じると惜しみなくお金を出してしまうものなのです

100円のコーラでも1,000円以上の値段設定も可能なのです!

■「お値段以上〜」が成功の秘訣

 経済ジャーナリストの須田慎一郎さんの講演会で伺ったお話ですが、子ども向けの駄菓子「うまい棒」が価格高騰のため1本10円の値段をやむを得ず2円値上げしたそうです
 最初は子ども向けの商売のため、公表しなければそこまでおおきな話題にならないだろうと会社が考えていたところ、たまたま全国放送しているワイドショーにうまい棒の値上げが取り上げられたそうで、そのお話を聞いて客離れが起きると会社は慌てふためいたところ、蓋を開けてみたら、逆に売上は伸びたそうで、原因を調べてみると今まで客層ではなかった大人が話題になったからと話のネタで食べてみたところ、この値段でこの味かとビックリしたそうで、文字通り「大人買い」から売上を伸ばしたそうです
 この逆のお話もありますが、要はどこかの企業のCMで流れてくるように「お値段以上〜」の価値があれば、値上げをしても客離れが起きないのです

値上げした「うまい棒」が売上を伸ばしているそうです!

 日本人が日常的に買う商品は1円でも安い方がいいでしょうが、観光で訪れた地域ではその感覚がなくなってしまいます
 それはその貴重な経験を楽しみたいという気持ちが湧き上がるからです
 人によって、価格を重視する人もいたら、価値を重視する人もいて、機能性を重視する人もいて、多様な感じ方をしているため、どれが正しいということはないのですが、特に日本では自分の価値観を相手に押し付けがちです
 コロナ禍が収束してきたのですから、安い日本ではなく価値ある日本にシフトしていきましょうよ、ね〜
 平成バブル期に一度は抜かしたものの、昨年ドイツに抜かされてしまったGDP、また適正な価格設定で、日本の再生へとつながることを期待しています

日本再興でGDPをあげてもらいたいです!

でも

お金で選挙掲示板の多くの枠を占拠することは、どう考えても民主主義に対する冒涜ぼうとくですよね•••💦

※参考にした文献


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