「アンティチョークと巡る冒険」-エッセイ-
名前を聞いたことはあるけど、ほぼ食べる機会がない食材の一つ「アンティチョーク」。
ヨーロッパではとてもメジャーな食材で、イタリアでは、カルチョーフィと呼ばれて親しまれています。
一時期、イタリア料理にはまり「どうにかして食べてみたい!」と思って、一度だけ入手した事があります。
……が。
実物を見ると、こう……なんていうか。
「本当に食べられるのか?」と困惑するしかない見た目なんですよね。
食材にするのは花のつぼみと茎の部分。
アンティチョークの花はきれいな紫色で、その花が咲く前に収穫されます。
もう普通に花もキレイだし、鑑賞用でいい気がするのですが、なぜ食材にしちゃったのでしょう。
スーパーフードと呼ばれるくらい、栄養豊富だからでしょうか?
いや、でもそれが判明する前から食べられていたみたいだし、やっぱり美味しいから……?
それにしても。
半分に切ってみても「えっ?本当に食べるとこあるの?」という感じです。
新鮮なものは生でも食べられるそうですが、さすがにためらい、今回はゆでてみることにしました。
YouTubeで検索すると、わりとマイナーな食材でも、調理方法や食べ方なんかが見れるので、ありがたいですね。
さて。
「こんなに食べられるところ少ないの?」と不安になりながら、動画を参考にガクをとりのぞきます。
この状況、何かに似てるなと思ったけど、タケノコ!
大きなタケノコをゆでて皮をむいた時、ちまっと残った可食部分の少なさに、思わずガッカリした時と似ています。
食べてみたら、思っていたより苦味もなく、クセも少ない。
ほくっとしてるけど、そこまで甘くもない。
こう、何かの味をたとえるのが難しいですが、しいて言えばユリ根に似てる……?
調理方法によっては、もっと美味しくできるかもしれないですが、私の料理スキルでは、ゆでるのが精一杯!
ちなみに、省略しましたが、わりと下ごしらえは大変でした。。。
これは、絶対お店で食べた方が良いなと。
何となく……謎の食材として「憧れのままそっとしておけばよかったかな」という気持ちと。
気になっていた食材の味がわかってホッとしたという気持ち。
二つの気持ちが混ざり合った何とも複雑な気分で、後片付けをしました。
後日、知人に話すと。
「よく食べ慣れないものに手を出せるね」
と呆れられたものです。
まあ失敗というか、ハズレを引くことも多いのは確かです。
今回のように、美味しい!ともマズイ!とも言いがたい時もわりと多い……。
いや、アンティチョークもお店で食べればきっと美味しかったと思うんですけどね。
でも、自分が食べたことのない食べ物や食材に挑むのって、一番身近でできる冒険だと思うんですよね。
勇気を出して挑んだ先にあるのは、宝物(美味しいもの)かもしれないし、そうでないかもしれない。
毎回うまくいくとは限らないけど、だからこそ上手く行ったときに嬉しいし楽しい!
コンビニで見かけた新しいお菓子でもいいし、地元のスーパーで見つけた初めてみた野菜でもいい。
もし、とんでもなくハズレをひいたら、それはそれで話のネタにもなるし。
……という感じで。
今日も私は、昨日の自分が知らなかったものを求めて、新たな冒険先を探してます。
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