【ライターの仕事】リノベーション取材からこの世の色々を学ぶ
リノベーションの取材をさせていただいたフリーマガジンの見本誌が届きました。
この取材では、学びが多かったです。
去年、実家(私の年齢よりも+10歳くらいのとても古い建物)を、両親がリフォームしたんです。
父が「外観を綺麗にする」と言い出したので、私はそれを母から聞いた直後に父の携帯へ電話。
「えっなんで? 何で外観??? もっと他に直すとこあるよね?」
水回りとか、トイレとかお風呂とか。そもそも床がベコベコしてるところがあるよ?
「だって、カッコ悪いだろう」
そんな風に父が言うので、「いやいやお父さん、もう少しで後期高齢者だし。体の不自由も増えるんだから暮らしやすい方がいいよ」そう私がいうと、「何が高齢者だ。今から少しずつ直していけばいい(ぷんすか)」と。
会話が噛み合うことはありません。
価値観が違う。
家は家族のコミュニケーションの象徴だとしみじみ。家族間の会話が噛み合わなければ(父と母の間でもコミュニケーションがままならない)家が合理的でスッキリするわけないな。と。
でも。
外観をどうしても直したかった父は、知り合いの屋根屋さん(そこを起点にあれこれ職人さんを手配して工務店ぽくやってくれる)をベースに、大工さんと知り合い、屋根と外壁を修繕したのでした。
さらに「やっぱり、床もやってもらうことにする」という流れに。キッチンも取り替えるという。
その時点で大工さんとの信頼関係はできていて、60代くらいのベテランで、力仕事が必要な時は息子(同じ建築関係)が手伝いに来てくれる。時には20歳くらいの孫まできてくれる。人柄に惚れ、「この人になら家の中もお願いしたい」となったのですが。
「8畳一間の床の張り替え、いくらですか?」と価格を尋ねると、
大工さん「40万くらいかな」
で。
上記のやりとりを、私はリフォーム本の取材時に工務店の人にかいつまんでお話しした。
工務店さん「高いねー。状況を知らないからなんとも言えないけど。うちなら15万くらいかな」
えっ。
そうなの?
しかも取材すればするほど「両親が難解極まりない補助金申請をしているかどうかめちゃくちゃ不安になってきた」という(追及したが、父はのらりくらりしていて把握が困難だった)。
価格については心に秘めるしかない。
リフォームはもうすでに去年の話。
結果的に家の中はとても綺麗になり、母は念願の「明るいフローリング」になってとても喜んでいる。
【結論】
○この世に相場はない。人と人の関係性が先にあり、「誰に仕事を頼みたいか」によって価格は変わる
○でも価格にこだわりたいなら、比較検討する必要がある
○自治体ごとに色々補助金があるから活用する方がいい。ただ補助金申請の分厚い書類ファイルを作れる気がしない(頼めるならお願いしたい)