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私の時間術・急〜国語編〜

 3度に渡り、私の時短術をまとめてきました。まとめたことで、自分自身がどうやって、『時間貯金』を作っているのかが分かりました。正直、書いていて、ああ!と思うものから、これは…と思うものまでありました。

 今回は、その『時間貯金』を空っぽにしても、いや、借金をしても、費やしたいことについてお伝えします。


その一つが、国語の単元づくり
 

 私は学生時代、国語を学んできたわけでも、生粋の国語好きでもありません。むしろ、それらとは、対極の生き方をしてきました。だからこそ、せめて目の前の子供は、私と同じような思いをさせたくないと思い、勉強を始めました。

楽しくて、力が付く単元を創りたい!


 ずばり、ここを目指しています。『次の時間…ああ、国語かあ…。』と肩を落とす子供にとって、毎日ある国語の授業が楽しかったら、随分、楽しみが増えると思っています。教師にとってもそう。

『やってみたい!』という声が生まれる単元づくり


 国語の楽しさは、言葉学びの楽しさです。言葉一つで、ときには、たった一文字で、受け取るメッセージや解釈の幅が広がっていきます。読んだり、書いたり、話したり、聞いたり、見たりしながら、知的好奇心や知的興奮が呼び起され、『なぜ?』『どうして?』が止まらなくなります(私は20代後半に呼び起されました。)。

 一方で、国語の学習に抵抗感がある子供にとっては、この言葉学びの楽しさを感じることができない部分も多々あります。よくよく考えるとそうなんです。小学校に入る前の彼らは、『遊び』を中心に学んできています。体を動かすことで楽しさが呼び起される子。手先を使って、何かを創り出すことによって楽しさが呼び起される子。何かを演じることで、楽しさが呼び起される子。就学以前は、そんな幅が広い楽しさを随分と経験をしてきています。『体育が好き』とか『図工が好き』とか『音楽が好き』は、そういった『遊び』が好きだということに置き換えられます。

 働き始めたばかりのころは、国語って人気がないな。と思っていましたが、少し考え方を変えると、国語は今の子供たちにとって、非日常の行為だとも言えます。そう考えると、子供たちが身を乗り出して学ぶためには、教材の質だけに頼り切るのでは、難しいです。やはり、そういう国語の学びを楽しめる環境づくりを意図的に作り上げるのが、教師の仕事だと思うのです。

 そこで、私は、単元づくりをする前のゼロステップとして、子供たちが何に興味をもって、どんな遊びに没頭しているのかを分析します。そうすれば、単元で、どんな『言語活動』を設定すれば、彼らの楽しさを呼び起こすのかを考えることができるからです。この『言語活動』こそ、楽しさの原動力につながるのです。

 例えば、今年度、空前の『鬼滅の刃』ブームでした。教室でも、その話題でいっぱいでしたし、おしゃれな鬼滅柄のマスクや上靴入れをもってくる子供たちもいました。いつか、この『鬼滅の刃』で単元を組みたいなあと思いなあ、作りたいなあと、わくわくしながら作ったのが、この単元です(以下のファイルは、PCから見ることができます)。

 1学期に、説明文の読み比べの単元がありました。2年生にとって、読み比べることは、初めての経験。結構、ハードルが高いもので、一苦労しそうだなあと思っていました。それで、ぴんときたのが、子供たちの教室でのごっこ『遊び』。

雷の呼吸・一ノ型! 水の呼吸・十二ノ型!


 この漫画では、技を繰り出すときに、『〇〇の呼吸・〇ノ型!』と言います。これを読み比べをするときの“観点”に置き換えることができないか。それに、今までにない『呼吸』を見つけ出すことも楽しみの一つになるのではないか。そう頭を巡らせるようになります。そこで、生まれたのが、『読みくらべの こきゅう』。

 とは言え、漫画の呼吸がそのまま使えるわけではないので、モデルも示します。これまで学習した『たんぽぽ』ともう一つの説明文の読み比べをして、どう読めば、呼吸が生み出されるのかを示したものです。

 ざっくりとですが、こんな感じで、子供の関心に最も近い言語活動を提供しようとしています。時間はたくさん使いますし、計画的に進めないと難しいです。ですが、こんな言語活動を設定すると、授業前にそそくさと準備をする子供が劇的に増え、『昼休みも、呼吸見つけをしていいですか?』『給食を早く食べて、付箋に書いていいですか?』登校するなり、『先生、やりたい!』と言い出す子供も出てきます。

 『はじめの こきゅう』見つけた!『中の こきゅう』もある!『おわりの こきゅう』はどうかな。この題名みたいなのは何?『だいめいの こきゅう』?同じサツマイモの文なのに、ちがうとことだらけだ。書いてあるじゅんばんもちがう!『じゅんじょの こきゅう』かな?

 こんな感じで、書いては対話し、読んでは対話し、疑問が生まれれば話合い。そんな、わいわいした授業風景です。

 『今日の国語って何時間目?』


 休み時間に、そんな言葉が子どもたちの間で飛び交うのが、嬉しくて、嬉しくて辞められないのです。『音読しましょう。』とか『読みましょう!』とか言わなくても、自然と声に出して読んでしまっている。そんな姿が理想です。

 先輩から、『そんな自学みたいな授業ばっかりしたら、テスト取れないやろ。』と言われますが、そんなことはありません。なぜか、全国平均は、優に超えて、『テスト簡単すぎた~』と過ぎたと言いながらテストを提出する子がほとんど。とは言え、もっと国語の力を付けなければと思う、毎日です。

 プロフェッショナル風自分史を書く(6年)

 立場を決めて、〇〇トーークをする(6年)

 【私】と筆者の対談型インタビュー記事を書く(4年)

 〇〇県のショートムービーをつくる(4年)

 ごんぎつねミュージアムをつくる(4年)

 わたしがすいせんする、おすすめの旅(3年)

 えらんだ物語で、ペープサートげきをする(3年)

 ビーバートレカを つくる(2年)

 すきまの なぞを おえ(2年)

 …。

 そういうわけで、私は、国語の虜になっています。時短術によって時間を生み出すのは、こんな手塩にかけたい時間を創り出すためでもあります。


 一人でも、多くの先生方の今日が、幸せで、明日が待ち遠しいものになりますように。
 

最後まで読んでいただきありがとうございます。みなさまに、よき明日が訪れますように^^




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