猫店長ショコラ・Aとの出逢い
三回目の記事は、『le premier quartier 猫用品専門店』店長の、ショコラ.Aとの出逢いを、思い返してみたいと思います。
彼も見た目こそ若々しく、つやっ艶の毛並み(最大限の忖度中・・)の持ち主ですが、4月で15歳になった高齢猫です。今年、体調を崩して動物病院に行った時には「慢性腎不全ステージII」と診断されました。
腎臓や尿路に配慮したフードを長年与え続けてきたのに・・・、やっぱり年齢には叶わないものかと、落胆しました。慢性腎不全は、進行を遅らせることは出来ても、基本的に回復することは無いと解っています。
でも・・1日でも長く、できれば永遠に一緒に居たい・・。
だから絶対に諦めないし、できる限りのことはしてあげたいと思っています。
永遠の片思いかもしれませんが・・。
(↑ひまわり型のエリザベスカラーを付けて・・)
そうそう、彼との出逢いでした・・(汗)。
私の実家は、寒さ厳しい東北地方の山あいにあります。彼と出逢ったのは、恋焦がれた春がようやく訪れた、実家の庭先でした。
もう15年ほど前の春ですが、他県で一人暮らしをしていた私が、暫くぶりに実家に帰省した時のことです。実家の庭先は、母の育てた花たちで賑わい、蝶や蜂が踊っていたのを覚えています。
庭先に設置された木製の椅子は、庭を一望するのにちょうど良い位置にあり、ポカポカと暖かな椅子に座って、「一人お花見」を開催していた時のこと・・・、花台のカゲから小さな仔猫が歩み寄ってきて、鉢植えのスミレの匂いを嗅ぎ、時々くしゃみをする姿に、心臓を鷲掴みにされてしまいました。
「この仔を諦めたら、永遠に後悔する・・」直感でそう思い、次の瞬間、「必ず迎えにくるから」と約束をしていました。
実家の庭の南端には、隣のおじいさんが飼っている「牛くん達の小さなお家」が建っています。「牛くん達の小さなお家」は、野良猫やコウモリ、ノネズミのたちのアパートメントでもあり、わが家の「ヒト」との近所付き合いは、常に良好な関係にありました。
この仔猫の実母も、この小さな「動物アパートメント」の住人でした。
ある日、「動物アパートメント」とわが家を、必死に往復する雌猫の姿を見つけた母が、雌猫の口元に、小さな命のあることに気付いたのです。
「はてさて・・この母猫は、うちの玄関に仔猫を運んで何をしようとているのかしら?」・・・。
時々仔猫を引きずりながらも、60メートル程の距離を必死で往復する母猫の姿に、何らかの強い意思を感じ取った母。玄関のドアを開けると、そこには4匹の仔猫が身を寄せ合っていたのでした。
厳しい東北の冬は、生き物にとって、常に死と隣り合わせの厳しい環境です。仔猫の命を守ろうとする母猫の姿に、母も必死で応えたいと思ったのでした。
母猫と母(ヒト)との愛情ですくすく育った4匹の仔猫たち。とはいえ、野良猫ですから、容易に捕まえることは出来ず、庭先で休める場を作り、ご飯をあげることが精一杯。ショコラは・・というと、不思議と私の肩に乗り、一緒にカレンダーを眺め、「いつ出発しようかね・・」と相談し合える様な仲になれたので、本当に不思議です。
兄弟たちは、私たちが出発し、新しい暮らしを始めた頃、其々がいつの間にか旅に出てしまった様です。兄弟たちとも別れ、私の元ですくすく育ってくれたショコラも、気付けば15歳。兄弟たちも、まだどこかで元気に生きていてくれることを願っています。