踊れよ、皮膚が裂けるまで。
太陽の副作用
散歩は夜に限る。昼間は眺めているだけで目眩を患いそうになる程脈々と蠢いている街の路地が、夜も更けてはたと突然死してしまったかのような錯覚を起こすのだ。そして私は、最近聴き込んでいる音楽に肉体を任せ、うっ血死した巨大な獣の鳩尾を歩き、愉しむ。
お遊戯、スポットライトは眠っている。
私はその道中で不思議な平均台の幻想と遊ぶ。足元に私の足一つ乗るか、乗らないかというような細い台が現れるのだ。(私は独り、その上で舞う。)しかし、それは必ずしも直線であるとは限らない。私の足先が着地する度にその台は、かくりと曲がり、私の足が台から落ちぬように台の方から私の足に寄ってくるのだ。
そうして遊んでいると、街の死と相対するかのように(昼間は煙のような憂鬱にため息をつくばかりの)私の心に、感情に、命が芽吹くのだ。これが生きているということなのか!私は今、身をもって生を実感している!