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過ぎてく日に走り書き

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2019年6月の記事一覧

繊細って面倒だ

新聞に掲載される広告の見出し。書店の入口に並ぶ本。 「ポジティブに考えろ」と飛び込んでくる題名とポップについ目をそらす。入口にあるんだから売れるんだろうな。 よくポジティブだと言われる。 楽しそうに仕事をすると言われる。 ……そんなことないから。 根がネガティブ。ダジャレのつもりではなかったけど、改めて書き直すことはやめた。 やばい……怖い。うまくいかないんじゃないの。 仕事をしている時だったり、ふと将来を想像した時だったり、自分の年齢に改めて気づいた時だったり。不安

あなたの好きより少しだけ多い好きを

あなたの性格なんて自分の中でつくりあげればいい。十年以上も前に初めて聞いたとき、衝撃を受けた曲の歌詞。細かい言葉は覚えてないけど、そんなニュアンスの歌だった。 あの頃を思い出して書いている。 僕はあなたのことを勝手に妄想してた。きっとこういう人なんだろうって。おしゃれで、優しくて、よく笑って、少し弱い。 そして勝手に好きになって、眠れない夜に寂しくなり、何度もメールの受信ボックスを確認して。返信のないメールが怖くて疑問符をつけたこともあった。書きながら蘇る苦すぎる感情は

赤い自転車と優しい嘘

小学校で初めての参観日。 校庭狭しと並ぶ保護者の車と、鮮やかな緑の葉をつける桜の下にぽつんと置かれた色褪せた赤い自転車。 授業が終わり、娘はできたばかりの友達に「一緒に歩いて帰る?」と聞いた。 その子は「お母さんと車で帰るんだ」と笑って答えた。 娘は「じゃあ私も車で。」と言ったあと「あっ。おとうさん、自転車だった」と声を落としながら言った。 校庭に向かう人の流れからゆっくりと離れ、娘と赤い自転車に向かう。 僕が「自転車で来たの、恥ずかしい?」と聞くと、娘は「全然そんなこ

ただ待つことができたなら

待つ。何もしないのに、動詞。 そして待つことについて思うこと。それはとても難しい。 高速道路の渋滞だったり、アトラクションに並ぶ列だったり、終わりの見えるものは待てるけど、結末の見えないものだと待てない。 眠ることができたなら少しは上手に待てるんだろうけど、眠るのはあまり得意じゃないからなおさらだ。 これまで何度も失敗してるのに、それなのに今日も待てなかったりする。 「待てよ。時間が最良の薬って聞いたことあるだろう。」 さすがにこれまでの経験から第三者的な位置にいる僕の