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遠回りした道路で待ってて 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観て
▼2013年の日記
パッケージを見て、正直 観ようとは思わなかった。
「切ない恋愛映画でしょうね、」と勘ぐってなかなか手を出せなかった作品。(相当ひねくれてるw)
観たあとは(あのときのわたし、なぜすぐ観なかった・・・!!?)と
自分を攻め立てたくなった。
とてもよかった!!!全体的に裏切られた。
あらすじも知らずに観たのがよかったのかもしれない。
思ったよりもロードームービー要素が強く恋愛だけでなく、
生きる上での「愛情」についていろんな模様が見える作品でした。
ジェレミーみたいな素敵な男性がいれば私も毎日カフェに通うだろう。
彼の細やかな優しさが、押し付けがましくなく
さらっとしていて、女性は甘えてしまう、あんなの。
そして健気。犬のように彼女を待ち、何でも料理を作ってくれる。
やさしく微笑む顔は、クリームたっぷりのココアのようです。
「帰るね。」って出ていった彼女が気になって気になって
カウンターでご飯を食べる仕草や
客に絡まれて鼻血が出た時も
「チョコレートを食べすぎたんだ」って嘘をついたり
他にもたくさんたくさんあるけど
なんか抱きしめたくなる人、愛らしい人。
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スローモーションになる場面が多く
音と映像がずれて、不思議な感覚になる瞬間が多かった。
でも、とても心地いい。
ノラジョーンズさんの曲がたくさん使われているので
全体的に、色気がありました。(いやらしいシーンはないよ。)
主演の女の子が
ノラジョーンズだってことは後から知りました。
きれいだし、若いのね。
ほかにも出演している俳優さんたちの、美しいこと。
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スー・リン役の人がすごくタイプ。
ナタリーポートマンが、ギャンブラーだけど
すごく不器用で魅力的な役。
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恋愛って美しいものではないし見苦しいものだ。
泣いたり、追いかけたり
待ってみたり、探ってみたり、戻ってきてとすがったり。
疑ったり、なくした瞬間、気づいたり
後悔したり、胸のうち、言えなかったり。
「すきよ」「わたしも」だけじゃないでしょう。
もっといろんな色が混じって
その二人の間にしか出来ない色になるでしょう。
その「間」は、ふたりも気づかない
そんな色を覗いたような映画でした。
最後のシーンで、ジャケットの意味がわかるよ。