ビジネス頻出の漢字集6
前回の続きです。
凡百(ぼんぴゃく、ぼんびゃく)
色々なもの。数々。もろもろ。
・凡百の人間
・凡百の中の特別な存在
綿密(めんみつ)
詳しく細やかなこと。手抜かりのないこと。
・データを綿密に分析した
・綿密な計画が必要です。
・契約書は綿密に読んだ方がいい
暴利(ぼうり)
不当な利益。法外な利得。
・10日で3割の利息はは暴利
・円安の波に乗って暴利を得た。
・暴利を貪る(不当な利益や法外な利得を際限なく獲得すること)
有終(ゆうしゅう)
終わりを全うすること。
・金メダルを獲得して有終の美を飾る
・有終完美(最後まで完全にやり遂げ、結果や成果を残すこと)
翻意(ほんい)
意志をひるがえすこと。
・説得されて翻意する
・法案に同意するよう翻意を促す
・翻意を促す(意志をひるがえすよう働きかける)
未定(みてい)
まだ決まっていないこと。
・細かい予定は未定
黙礼(もくれい)
黙って礼をすること。
・位牌に黙礼する
反故、反古(ほご)
書画などを書き損じた不用の紙。転じて、役に立たない物事。
・党が取り決めを反故にした
・コピー用紙を何枚も反故にする
・反故にされる(役に立たないものとされる
無駄にされる。約束や契約を破られる)
目端(めはし)
場合を見はからう気転。
・目端が利く店員
・商売は目端が利かないと続かない。
・目端が利く(機転が利く)
威儀(いぎ)
礼式・作法にかなった。いかめしい振る舞いや身なり。
・背筋を伸ばし威儀を正す。
・威儀を整え出発した。
・威儀を繕って出勤していきました。
・威儀を正す(身なりを整え、おもおもしい態度をとる)
究竟(くきょう、くっきょう、きゅうきょう)
①究極。終極
②極めて優れていること。
③極めて都合のよいこと。
・究竟、内閣は総辞職に至った。
・究竟の機会を逃した。
・学問も事業経営も、究竟の目的は人情だ
本位(ほんい)
判断や行動の基本となるもの。もとの地位・位階。
・興味本位で尋ねる
・見映えではなく実用本位な机
・顧客本位の業務運営を推進する。
・本位に復する(もとの地位にもどる)
流麗(りゅうれい)
詩文の語句や書きぶり、音楽の調子がなだらかで麗しいこと。
・流麗な音楽
・その古文書は流麗な筆で記されていた
・流麗な名文
放縦(ほうじゅう)
何の規律もなく勝手にしたいことをすること。
・放縦な生涯を送る
・放縦な性格
保身(ほしん)
自分の地位・名誉・安全などを守ること。
・保身のために嘘をつく
・民意より保身を優先させた大統領
・保身に走る(自分の地位や名誉、身の安全を真っ先に守ろうとすること)
要衝(ようしょう)
軍事・交通・産業のうえで大切な地点。
・軍事上の要衝
・宮城県名取市は交通の要衝
門戸(もんこ)
①門と戸。
②一家。家。
③流儀、一派。
・会員、非会員に問わず門戸を開く
・全国への門戸開放を提案ふる
・門戸を開く(外部の者を受け入れる姿勢を取ること)
幾重(いくえ)
幾つかの重なり。多くの重なり。
・幾重にも包帯を巻く。
・幾重にもお詫び申し上げます。
幾多(いくた)
数量の多いこと。
・幾多の危険を冒す
利器(りき)
①よく切れる万物。鋭い兵器・武器。
②便利な器具。優れた性能の機械。
③役に立つ才能。
・文明の利器
・道徳は弱い立場にある人の利器
・文明の利器(物質的文化の発達によりもたらされた、便利な機械や器具)
有道(ゆうどう、ゆうとう)
正しい道にかなっていること。正しい道にかなった行いをすること。またその人。
・有道の人である
謀略(ぼうりゃく)
人をおとしいれるはかりごと。
・満州事変は謀略事件とされている。
・謀略を巡らす(考えをあれこれと働かせる)
面々(めんめん)
①おのおの。一人一人。
②二人称の人代名詞。対等または目下の多数の者に呼びかけるのに用いる。
・委員会の面々が到着した。
・出席の面々を紹介する。
・重役の面々が揃っている
苦心(くしん)
成し遂げようと色々試みて苦労すること。
・苦心して仕上げる。
・苦心の跡が見られる。
意趣(いしゅ)
①恨みを含むこと。人を恨む気持ち。
②心の向かうところ。意向。
③無理を通そうとすること。意地。
④理由。わけ。
・意趣晴らしする
・アイディアが意趣卓逸である
・意趣返し(恨みをかえすこと。復讐)
明言(めいげん)
はっきり言いきること。
・辞職を明言する。
・質問に対する明言を避けた
・明言を避ける
本分(ほんぶん)
①人が本来尽くすべきつとめ。
②そのものに本来備わっている性質。
・車の本分は走行すること
・学生としての本分を弁えて行動する
・本分を尽くす(人が本来尽くすべきつとめを果たす)
未明(みめい)
夜がまだ明けきらない時。午前0時から午前3時まで。「まだ明らかになっていない」という意味は誤用。
・今日未明(今日の午前0時から午前3時までのこと)
・未明に起こった火事
没入(ぼつにゅう)
①沈み入ること。陥ること。
②没頭すること。
・その船は海中深く没入した。
・思索に没入して、日が暮れた
露命(ろめい)
露のようにはかない命。
・パンの皮を食って露命をつなぐ
・露命を繋ぐ(細々と命を保つ)
苦節(くせつ)
逆境にあっても、自分の信念や態度を固く守りとおす心。
・苦節十年、うちの会社も軌道にのった。
・苦節の末に大成功をおさめる。
・苦節を経て(逆境にあっても、自分の信念や態度を固く守り通して)
悠然(ゆうぜん)
物事に動ぜず、ゆったりと落ち着いているさま。悠々。
・悠然と構えている。
・悠然とした態度をとる。
放蕩(ほうとう)
思うままに振る舞うこと。特に、酒や女遊びにふけること。
・10代の頃は放蕩の日々を過ごした
・放蕩生活に身をやつした彼
面目(めんぼく)
人に合わせる顔。世間に対する名誉。
・こんな間違いをして面目ない。
・彼の面目に関わる。
・試合に勝って面目をほどこした(面目を高め高めた)
・面目を保つ(名誉や評価を保つこと)
愚息(ぐそく)
自分の息子をへりくだっていう語。豚児 (とんじ) 。
・愚息をよろしくお願いいたします。
・先日は愚息がお世話になりました。
流布(るふ)
世に広まること。
・よくない噂が流布する。
・妙な風説が流布する。
・風説の流布(虚偽の情報を流して、証券取引の相場を動かそうとしたり、人の信用を損ねたり業務を妨害したりすること)
異状(いじょう)
普通とは違う状態。
・体の異状を訴える
・機内に異状は認められなかった。
論駁(ろんばく)
相手の論や説の誤りを攻撃すること。
・彼の理論に論駁を加える。
・陳述を論駁する。
没落(ぼつらく)
栄えていたものが衰えること。城や陣地などが敵の手に落ちること。
・没落貴族との結婚
・帝国の没落
来賓(らいひん)
式典や会合に招待された客。来客を丁寧にいう語。
・来賓の席は最前列にあります。
・ご来賓の方々をはじめ、皆様にはお忙しい中、ご臨席を賜り誠にありがとうございます。
茫漠(ぼうばく)
広くてとりとめのないさま。はっきりしないさま。
・茫漠とした荒野
・あの先生の講義は茫漠としている)
容喙(ようかい)
くちばしを容れること。横から口を出すこと。
・私の所言に対して容喙する
・容喙を許さぬ断定的な主張
・政治家として容喙することは厳に慎んできた。
明視(めいし)
明らかに見得ること。
・晴れた日はここから霊峰を明視できます
・老眼で近くのものが明視できない。
・明視距離(眼を疲労させず物体を明視できる距離。正視では約25cm)
口火(くちび)
爆薬やガス器具などに点火するのに用いる火。物事の起こるきっかけや原因。
・デモ隊への投石が騒動の口火となった。
・激しい論争の口火となった。
・口火を切る(物事を一番先に初めて、きっかけをつくる)
未了(みりょう)
まだ終わらないこと。
・審議未了のまま廃案となった
・仕事を未了のままにしておく
利発(りはつ)
賢いこと。
・百人一首を全て暗記するほど利発な子
目方(めかた)
はかりで計った物の重さ。重量。
・この猫は目方が3kg
・この店では肉を目方売りしている
・釣れた魚の目方を量る
屈託(くったく)
①1つのことが気にかかり他が手につかないこと
②くよくよすること。疲れて飽きること。
③することもなく退屈すること。
・若い人は屈託がない。
・屈託のない晴れ晴れとした表情
・単調な生活に屈託している
・屈託のない笑顔(こだわりや心配のない笑顔)