マガジンのカバー画像

機械分野の話

16
運営しているクリエイター

#解析

音響解析の話3

音響解析の話3

前回までのお話です。
音響解析の話1
音響解析の話2

幾何音響理論幾何音響理論は音の波動性を無視して扱うもので、直接音と反射音の間の干渉や、回折などの波動現象は起こらないとし、光と同じように直進および幾何学的反射のみで音の伝搬を記述します。

この幾何音響理論の代表的な解析手法には音線法と虚像法があります。

【音線法】
音線と呼ばれる単位エネルギーの進行経路を用いてその反射履歴を追跡する計算手

もっとみる
音響解析の話2

音響解析の話2

音響解析の話1の続きです。

音響解析の理論音響の支配方程式は「波動方程式」と「空気の体積弾性係数」から構成されます。

【波動方程式】
波動方程式は音波、水面の波紋、電磁波など様々な媒質の振動現象を記述する基本方程式で、主に流体力学、弾性体力学の分野に該当します。

【空気の体積弾性係数】
弾性とは、外力を加えると変形し外力を除くと元の形に戻る性質です。つまり体積弾性係数とは物質の圧縮性を表す量

もっとみる

少し専門的な熱設計の話

本稿では、熱設計と熱回路網について解説します。

熱設計について熱設計とは、熱計算を行い設計段階で必要な熱対策を盛り込むことです。

特に最近の電気・電子機器では小型化と高性能化の傾向が続いた影響で、熱問題は避けられない状況となっています。 そのため熱問題が発生してからの対策では遅く、設計段階から機器の温度上昇を予測しようという機運が高まりました。

これを「熱設計」と呼びます。適切に熱設計する

もっとみる
少し専門的な熱解析の話

少し専門的な熱解析の話

水や空気の流れはなかなか視認できません(※)。

さらにそれら流体が持つ熱の「伝わり方」となると、想像することさえ難しくなります。

今回はこれら熱の動きを視覚化する「熱解析」について解説します。

(※  温度を色で識別する技術の話)

熱解析の種類熱解析は大きく分けて2つあります。
* 熱流体解析
* 熱応力解析

熱流体解析では、流体と気体を対象とし熱の伝わり度合いを解析します。

反対に熱

もっとみる

流体騒音の話2(解析)

様々な流体騒音解析方法を紹介します。

流体騒音の背景流体騒音の大きさは流れの速度のの6乗〜9乗に比例します。そのため流体機械の小型化や高速化により騒音問題が顕在化してきました。

従来は個々の製品ごとに経験に基づき流体騒音の予測や低減を図ってきましたが、このような対策には限界があります。今では数値流体解析(CFD)に基づく流体騒音の予測に大きな期待が寄せられています。

流体騒音の正体流体騒音の

もっとみる