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記事一覧
Coffee story 番外編【ホットココア】
【Mr.ココアマン】⑦
沙耶が残してくれた俺のシルエットと沙耶の色。沙耶が切り取ったあの瞬間。あの時の風景が瞼の裏にある。
目を閉じるといつも沙耶が現れる。夕陽のオレンジと彼女のシルバー。
いつか本当に現れてくれるのを待ちながら歌う俺は、女々しくて憐れなヤツなのか?
光一さんや美月さんにどんな風に見えているのだろう。
今まで誰とも交わらず深入りせず一人で生きてきた俺が、こん
Coffee story 番外編【ホットココア】
【Mr.ココアマン】⑥『いつわりの日常
ただ呼吸してるだけ
淡々とした日々を
ただこなしていた
あの時あの場所で
お前に会うまでは
無機質な毎日を
ただ過ごしていた
この世に生み落とされた時
二つに裂かれた魂が
ひき合うように
なにげなく出会い
さりげなく寄り添う
力強く抱きしめる
お前を感じるため
こころ寄せ合い
こころ震わせる
力強く抱きしめる
お前を感じるため
こころ通わせて
こころ
Coffee story 番外編【ホットココア】
【Mr.ココアマン】⑤何が何だかわからない二人の雰囲気を察したのか、光一さんがギャラリーの奥から現れてきた。
「ああ、美月さん。いらっしゃい。あれから何かわかりましたか?沙耶ちゃんから連絡とかありましたか?」
「あ、光一さん お世話になります。いいえ。何もないです。本当に沙耶はどこにいるのでしょう。
てか、この人は、なんで沙耶のことを知っているのですか?この人うちの店のお客様なんですよ。」
Coffee Story 番外編【ホットココア】
【Mr.ココアマン】③
俺の相棒 ギブソン「B-25」
ギブソンのアコギといえば「J-45」という人もいるがスモールボディの「B-25」の方が俺にはしっくりくる。
ボディがひょうたんのように大きなくびれを作っているので、抱き心地がいい。
かなり小ぶりなサイズ感だけど鳴りはいいし、俺の感じたそのままの音を出してくれる。
激しく引けば振動がそのまま感じられ、優しく弾くと囁くように歌ってくれる。
こい
coffee story エピソード番外編【ホットココア】
WEDGEWOOD フェスティビティ ブルー
通りに面したガラスを通して夕方になるといい具合の夕陽が差し込んでくる。
1日中太陽を感じる向きにある「カフェReQ」にいると、時間帯で客層が分かれているのが分かる。取り分け夕方だけやって来るお客さんは、何やら趣きのある人が多い。
昼のランチの客と違い、家に帰る前に一人の時間を楽しむために一杯の好きな飲み物で1日の終わりを迎える準備をしている。そんな人
Coffee story エピソード4 【ロイヤルミルクティー】
【プリンス】
職場の近くにあるショッピングモールの中にある喫茶店が、僕の憩いの場所だ。憩いというか僕が僕に戻れる場所と言った方が良いかもしれない。
『カフェRe-Q 』
いつもビートルズが流れていてガラス張りの店内は光に溢れている。入り込む陽射しでシルバーのように白い店内は、色塗れになった僕をその光で元の色に戻してくれる。
僕はとにかく毎日色々な色に染められている。汚染されてい
Coffee story エピソード4 【ロイヤルミルクティー】
ロイヤルコペンハーゲン ブルーフルーテッド【グリーンちゃん】オマケ
あれから彼女は、なかなか現れなかった。
おそらく私が教えた場所に行ったんだと思う。いつか何かしらの報告をしにグリーンの服を着て現れるだろう。もしかしたら、もうグリーンは、やめて違う色の服に変わっているかもしれない。まあ、楽しみに待っておくことにしよう。それはそれで面白いから。
今日も相変わらず昼のランチタイムには、ママさんた
Coffee story エピソード3 【ホットミルク】
【グリーンちゃん】➂大きな窓ガラスから差し込む柔らかな日差しを感じながら、カップの内側にへばりついたミルクの膜をスプーンで削ぐように中に落として店員さんを待っていた。
へばり付いた膜を洗い落とすのは、なかなか時間がかかるだろうと思いついついやってしまうのだ。
この前店員さんから、しばらくお湯につけておけば簡単だらか気にしないでくださいって言われていたけど家でもやってしまうのでクセになって