REBTに基づく「人間関係論」のシラバス
アルバート・エリスの認知行動療法、REBT(Rational Emotive Behavior Therapy; 論理療法、理性感情行動療法)に基づいた人間関係論の授業を計画しようと思います。
対象は、看護師、理学療法士、技師装具士を目指す大学1年生。全8コマです。
「心理学」や「臨床心理学」は国家試験を意識した内容にしていますが、この授業の範囲は国家試験で問われることは少ないので、その点は無視し、「人間力」を高めることを主眼に置いた授業編成とします。
教科書は、最近翻訳が改訂された、アルバート・エリス著「現実は厳しい でも幸せにはなれる」(文響社)
【本書の目次】
1 性格ではなく、考え方を変える
2 あなたを悩ませる「思い込み」を見つけ、反論し、打破する
3 あなたを変えるABC論理
4 やればできる──自己変革5つの発想
5 「壊れにくい自分」をつくる方法
6 自分を受け入れ、他人も受け入れる
7 最悪だ! 自分には耐えられない!
8 最悪の場合、どんなことが起こるだろう?
9 動揺しにくくなるための「考え方」
10 他の方法の効用と限界
11 自分を変えるための実践的方法
12 動揺しにくくなるための「行動のしかた」
13 自己実現と、より幸せになるために
14 まとめ──幸せは自分でつくる
以下、全8講の計画です。
こちら、実際に授業を行いました!前8講のスライド資料が閲覧できます。
第1講:イントロダクション【1章、2章】
1.シラバスの確認
2.人間関係を学ぶ意義
3.ソーシャルスキル
「成人ソーシャルスキル尺度」(相川・藤田、2005)
4.人間関係スキルと認知行動療法
Discuss:この授業に期待すること
第2講:人間関係の振り返り【3章】
1.うまくいっていること
2.課題
3.ABC理論
Discuss:人間関係についての強みと課題
第3講:ABC分析【4章~8章】
1.人間関係とABC理論
2.ABC分析の実践
Discuss:人間関係の問題についてABC分析
第4講:役に立つ信念の確立【9章】
1.健康でネガティブな感情と不健康でネガティブな感情
2.健康な信念と不健康な信念
3.役に立つ信念の確立
Discuss:人間関係の問題についての役に立つ信念
第5講:役に立つ信念への確信を強める①
1.不健康な信念の検証
2.健康な信念に従った行動
Discuss:健康な信念への確信を強めるためにできること
第6講:役に立つ信念への確信を強める②
1.ABC分析の質を高める
2.信念は簡単には変わらない
3.イメージ技法
Discuss:これまでの授業を振り返って
第7講:良好な関係を築く7つのルール
※参考書:「幸せなカップルになるために―エリス博士の7つのルール」(ダイヤモンド社)
1.相手をありのままに受け入れよう
2.感謝する気持ちを繰り返し伝えよう
3. 真摯なコミュニケーション―誠実さをあなた自身のために活用する方法
4.立場や意見の違いを正直に認めよう―2人が満足できる結論に達するには
5.相手がめざしている目標を応援しよう
6.相手にも間違いをおかす権利があることを認めよう
7.かなえられない願望を目標としてとらえなおそう
Discuss:今後どのようにREBTを活用していくか
第8講:学びの振り返り
1.ソーシャルスキルの再確認
2.REBTのスキルと課題
Discuss:この授業を通して学んだこと身についたこと