在宅ワーク疲れから心を守るために
「なんかさ、最近無性に会社に行きたいんだよ・・」
先日、東京の会社に勤める知人と電話で話したら、ため息まじりにそんなことを言っていた。
彼は昔から「通勤嫌い」「職場嫌い」を公言していたので、とても意外な発言だった。
「一体どうしたんだ?」
不思議に思って聞くと、彼は次のように話し出した。
少し長いけど引用しよう。
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いままでは毎朝わざわざ通勤電車に乗って会社に行くのがダルかった。
行ったら行ったで、昼休み以外はずっとオフィスで、固定された人間関係のなかで過ごないといけないのが本当に窮屈だった。
外はあんなにいい天気なのに、なんでオレはこんなところに閉じこもってるんだ!!って。
でもさ、それでも1日の仕事を終えてひとたび会社のビルから出てしまえば、その日はもう仕事のことは一切忘れられてたんだよ。
だけど、在宅ワークが始まってからというもの、四六時中、仕事のことが頭から離れなくなってしまった。
朝起きて、家から出ずにそのままテレワークが始まる。
残業が毎日のようにあるから、それが夜まで続く。
そうやって朝から晩まで家にこもって仕事することになってからというもの、仕事を切り上げたあとも全然気分がスッキリしない。
気分転換も兼ねて食料の買い出しに外出したりはするんだけど、このご時世だから外食もできず、早々に帰ってきて自宅で食べるしかない。
家に帰ってきたところで、また仕事場に来たみたいな気になって全然リラックスできないんだよ。
しかも、PCやスマホを開くとまだ仕事中の同僚や関係先から連絡が入ってたりするし。
会社っていう仕事専用の場所にわざわざ出かけて、仕事はそこにいるときだけやることには、情報のセキュリティ面だけじゃなく社員の精神衛生上も大きな意味があったんだな。
いままでさっさと在宅ワークを導入してくれればいいのにってずっと思ってたけど、ちょっと考え方が変わり始めてるよ。
ああ、会社に行ってたころは良かった・・
(引用ここまで)
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増え始めたリモートワーク疲れ
いま、どうやらこの知人と同じように、在宅ワークは思っていたほど楽ではない、むしろ疲れると感じている人が増えているようだ。
3月ころにリモートワークが導入されはじめたころは、
「満員電車での通勤なし」
「上司や同僚とずっと同じ空間にいなくて済む」
と歓迎する向きもあった在宅ワークだけど、“リモートワーク疲れ”の叫ぶ声が一部で聞こえはじめた。
曖昧になる仕事とプライベートの境目
いままで自分にとってストレスになっていたものから解放されたはずなのに、なぜ疲れるのか。
それはきっと、仕事とプライベートの境界、仕事と遊びや生活とのメリハリが曖昧になってしまい、後者の領域に前者がドップリと侵食してきたからだろう。
仕事の場とプライベートの場。
それぞれが明確に分かれていれば、過ごす場に応じて意識のモードを切り替えられる。
しかし、プライベートの場にまで仕事が入り込んできたことでその切り替えができなくなり、絶えず仕事モードでいることを強いられるようになってしまった。
だから、心が休まらない。
積極的な「無作為」のススメ
このように、いままでなら家にいればリラックスできていたのがそうではなくなってしまった状況では、より能動的に「心を休ませる」ための行動が必要になる。
ではなにをすべきかというと、いま“行動”と言っておいて矛盾するようだけど、「何もしない」の徹底が大事だ。
その日やらなければならない仕事が終わったら、あとは食事など最低限の生活に必要なこと以外何もしない。
気になることがあってもメールボックスやメッセージアプリを開かず、余力が残っていても明日できる仕事は今日やらない。
私物のPCやスマホを仕事にも使っている場合でも、開くのは何時までと決めておく。
“あれもこれも”に気をつける
やらないのは仕事だけじゃない。
たとえプライベートに関する行為であっても、あれもこれもやろうとしない。
心が何かに追われているときにあれこれ詰め込もうとすると、心をさらに疲弊させかねない。
つい何かをやろうとしてしまう自分を見つけたら、
「いやいや、疲れてるのに本当にいまそれをやりたいか?」
と自分自身に問いかけてみよう。
そうやって、「もう休む。あとは何もしない」と決めて意識のモードを切り替えて充電に入らないと、全然心が休まらなくて、翌日以降また仕事に向き合うエネルギーの回復ができなくなってしまう。
いままでとは生活スタイルやワークスタイルが大きく変わりつつある今だからこそ、人生のいろいろな面を見直してみよう。
この話には続きが・・・
冒頭で、出社嫌いの知人は「会社に行きたい」とまで言い出したが、実はそれには理由があった。
詳しくは続きのこちらの記事に。
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