指導者の言うことは当然選手に聞いてもらえると思ってませんか?
おはようございます。かえもんです。
さて、新年最初の記事は「コーチング」についてです。
昨日エルトラックの講習を受けて学んだことを整理しておきます。
ちなみに講習のテーマは「ルーマンとコーチング」でした。
この講習は教育学者ルーマンの教育に対する考え方が示され、それとコーチングを結びつけるような内容になっていました。
その講習のなかで印象に残った言葉があります。それは
という言葉です。注目していただきたいのは後半で、多くの教育者は「教育=未完成」であると考えているということが書かれています。未完成ということはその先に完成された教育があるということです。
このことをさらに言い換えると「この世界には正解(=絶対にうまくいく方法がある)と多くの人は考えている」ということになります。
この考え方はコーチングやスポーツの現場でもよく見受けられます。例えば、バスケなら強豪校の戦術をそのまま真似すること。強豪校で成功した戦術が他のチームでも成功するとは限りません。
また、コーチングについても「これをすれば絶対成功する関わり方」というものがあると私たちは考えがちです。
コーチはミーティングや試合中に話をしたり指示を出したりしますが、それら全てがきちんと選手に伝わっているかどうかは分かりません。絶対に全員にきちんと伝わる話し方というものは存在しないのです。もしかしたら、一部分だけ聞いているかもしれないし、全く話を聞こうともしていないかもしれません。
つまり、絶対に上手くいく方法(=正解)というものは教育においてもスポーツにおいても存在しないということです。
この考え方はルーマンの
という言葉にも表れています。
それでは、どうやって私たちコーチは指導していけば良いのでしょうか。
絶対に正しい指導法などが存在しない世界でどうやって選手をチームを育てていけば良いのでしょうか。
その答えはルーマンの思想のキーワードである「因果プラン」と「アクラシア」にあります。
「因果プラン」とは、こういうときはこうすれば上手くいくという経験知のことです。つまり、長年の経験から学んだことです。
そして、「アクラシア」とは「成功が保証されていないにもかかわらず、どこまでも手探りで成功の条件を模索し続ける行為」のことです。
バスケの練習メニューを例にとって説明します。このメニューをすれば絶対にバスケが上手くなるというメニューは存在しません。ずっと3メンをしていれば試合で勝てるようになるという甘い世界ではないはずです。
そうなったときに私たちコーチはいろいろと考えます。3メンではなく別のメニューをした方が良いのではないかと考え、別のことを始めるかもしれません。
このように「バスケが上達するための方法を考え続ける」ということこそ「アクラシア」であるのです。
結論としては次のようになります。
つまり、様々な経験から学びながら、最善の方法を模索し続けるということです。
このスタンスは私の理想とする「学び続ける教師」とも重なります。
今後のコーチングにぜひとも取り入れたい考え方です。
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