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プロの販売員として思うこと
私は高校生の頃のアルバイトから現在に至るまで、30年に渡る人生の半分近くを「販売、営業」に費やしてきた。
まだまだ若輩者であると自認してはいるが、あえて言わせていただく。
「私は物を売るプロだ」
付け加えて説明すると、対面で商品を販売をするのが上手な人です。
しかし昨今、メルカリやのベースなど、個人による販売方法が多岐に渡る時代となり「物を売る」事が誰でも出来るようになった。
SNSなどでその商談のやり取りを散見するが決まって
値引きをしてくれない=対応が悪い
といった暗黙の了解じみた文化がある。
私自身、営業をしていて「値段交渉」「値切り」「値引き」の話は吐き気がするほどやってきた。
「あなたの頑張り次第で購入を検討する」
「あと数万円安くしてくれたら考えるよ」
なんてセリフを腐る程聞いてきたが、私は一貫して
「値引き=頑張るってなんですか??」
といった疑問を持ち続けていた。
まず前提として、商品には原価があり、消費者の手に届くまでに関わった人への対価=利益が付加されることで売価となる。
よく「原価は○○円なのだからこの値段はぼったくりだ」
なんて耳にするが、そんな事を言うのなら誰かを挟まず自分で原価での仕入れをすれば良いじゃないと反論したくもなる。
自分ではできない事を人にやってもらう行為を形にしたものがお金であり、その合計が商品の価格となる、つまり関わった人の数だけ価格は比例して上がるのだ。
ひねくれた考えなのだが私には
「値引きをしてくれ」は「私の為に無償で働いてくれ」と聞こえてしまう。
そんな人に対して私は、お値引きは丁重にお断りをさせて頂いている。
結果として、私が関わるほとんどのお客様は商品を価格では無く
商品自体に「価値」「必要」「感動」を見て購入していただけている。
値引き自体を完全に否定するつもりは毛頭無いが、もしも買い物をする時、「値切り」をするのであれば、その行為は「関わった誰かの行為を無碍にしてしまっている」と言うことに気づいて欲しい。
私自身、こういったお金の流れに気づいた時、人はもっと誰かに対して思いやりを持つことが出来て、普段の何気ない買い物の時でも、少しだけ幸せな気持ちになれるのかなと思った。