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君はどのタイプ?NIH式?研究者9タイプを語る!!

こんにちは、海外で現役ポスドク(生命科学系)をしておりますポス山毒太郎と申します。このnoteはあくまで毒太郎の体験を元に、偏見に基づいた感想を語っていく場です。ですのでほとんど統計値などは出てきませんので悪しからず。

さて、前回は教授、PIを9タイプに分類した絵について語りました。

今記事では、同じくAlexander Dent氏が作成したポスドク9タイプの絵に関して語っていきたいと思います。ポスドクとは、末端の研究者のことをいいますが、要は研究者の9タイプと思っていただければと思います。

ポスドクとななんぞや?と気になる方はこちらの記事もご覧ください。


今回紹介する絵はこちらです。

https://dentcartoons.blogspot.com/2008/より引用、抜粋

注意点:上の図は、https://dentcartoons.blogspot.com/2008/から引用し、また下では絵の一部切り取って使用しています。教育使用目的のつもりですが、クレームが来たらすぐ消します。

この絵は、Alexander Dent氏によって1992-1997の間にNIH(アメリカの一番大きい医学研究所)から発行されるニュースレターに寄稿されていたもののひとつです。筆者は元々、前記事で紹介した"Nine types of PI"が好きで、それからネット上で他の絵を探していたところ、この絵に出会いました。以降これもお気にりの一品です。

30年前とかの絵で、現在の状況とは少し違うので、そういった見方をしても興味深いと思います!訳文は一応の意味にはなっていると思いますが、英語をそのまま感じた方がいいと思います。和訳のニュアンスが間違っていたらすみません。

では早速どうぞ!!



Type1. The M.D. (エムディー)

Research is fun! Has had negligible research training, but talks a great game

『研究って楽しい!あんまり研究のトレーニングを受けてないけど、壮大なこと語りがち。』

はい、出ました。筆者も記事でたまに医師(Medical Doctor 略してM.D.とは医師のこと)研究者をいじっていましたが、彼ら彼女らは今も昔も、しかもアメリカでもいじられるんですね笑。当たり前ですが、この絵は筆者が作ったわけではありません。

多分この作者は前回の図の右上が明らかに医師を指すBig Talkerだったり、今回の絵でもThe M.D.を一番に出すあたり、医師研究者に思うところがあったのでしょう。

しかし医者ばかりいるNIHでこれをやってのけるのはかなり強心臓です。

わざわざ矢印でLab Coatを示しているのがじわじわきます。白衣を着なくてもいいところでいつも着てるんだよなぁ。白衣に誇り持ちすぎなんよ。

この七三の感じも分かります。そしてやっぱり昔も今もラボでスーツ着てるんだよなぁ。この「僕は他とは違うんだよね感」ね。おっと筆者の毒袋が、、、。

一応言っておきますが、筆者はリアルの医師研究者とはいい関係を築いている(ハズ)し、尊敬しています。しかしnonMDからするとちょっと変わっている人と感じる方が多いです。

これに関してはひと記事を使って、じっくりじっくりいじりたいと思っています。

以前に医師に物申す記事を挙げましたが、興味がある方はこちらもどうぞ。この記事はどちらかというと激励で医師研究者必見です。 有料記事ですが、定期的に売れているので値上げも常に検討しています。読むなら今のうちです!!


Type2. The 9 to 5-er(ナイントゥーファイバー)

Research is just another job! It shouldn't get in the way of a normal life.

『研究は別の仕事に過ぎない!研究が普段の生活を邪魔するなんてあり得ない!!』

日本のポスドクで9-5時はあまりいないように感じますが、米国では沢山います。かくいう私も子持ち共働き研究者なので仕方がなくこうなっています。おっと、これは次のネタバレになりますね。

あくまでイメージですが、同じアジア人でも中国人はかなり働く印象がありますが、日本人は周りに染まりやすいのか、米国に来ると働かなくなる人が多い気がします。

米国では、短い時間で効率的に研究を進められる設備が整っているので、(金さえあれば)この働き方でも能力と少しばかりの運があれば生きていける人は生きていけるでしょう(自分に能力があるとは言ってない)。

筆者は研究者に留学をお勧めしているので、もし興味がある方はこちらの記事もどうぞ


Type3. The Parent(ペアレント)

Has little time for goofing off or socializing. Either very stressed or very focused. Often a 9to5-er

『ふざけたり、ぺちゃくちゃする時間なんてないわ!めちゃくちゃストレスが溜まっているか、集中して研究している。9-5時erであることが多い。』

今の筆者は正にこれな気がします。米国に来て思ったのは、日本人はとにかく片働きが多いですが、それ以外の外国人は共働きがとても多いです。

別にどちらがいいかとかは特にありません。片働きは研究に時間をかけ放題なのが羨ましいですが、年収を考えると共働きの方がいいかなぁとは感じます。研究にフォーカスするなら子無し共働きが最強かな?とは思います。

ここに書いてあることはとても理解できます。筆者は共働き子持ち研究者なので、子供を学校に送って、ラボに着いて、実験して気づいたら子供をピックする時間になってる毎日です。

ふざけている時間がないからあまり知り合いが出来ないのであって、筆者がコミュ障だから知り合いが全然できないわけではないのです(断言)。

この子持ち共働き研究者の苦悩はまたひと記事かけてまとめたいと思います。

ただしこれだけは言える!子持ち研究者の女性は明らかに米国の方が働きやすいですよ!!本記事ですでに2度目の登場ですが、ぜひ下の留学啓発記事もご覧ください。


Type4. The Biohazard(バイオハザード)

A great mind, but can't work a pipetman. Tends to generate radioactive spills.

『志は高い!ただしピペットマンは扱えません。放射性物質をこぼしがち。』

今でいうとバイオインフォマティシャンでしょうか?

この絵が発表された当時は分かりませんが、今ではバイオインフォマティシャンはどこでも重宝されています。この絵の彼も今頃、どこかで偉くなっていることでしょう。

筆者が学生くらいの10年以上程前はどれだけ頭が良くても、多少の手技(器用さ)が生命系研究者には必要と言われていました。

しかし、今ではウェット(手を動かす実験)とドライ(パソコンによる解析)で分業が進んでいて時代が違うのかもしれません。

放射性物質もわざわざあんまり使いませんしね。

Type5. The Robot(ロボット)

Works best when told what to do. Often is a 9 to 5-er as well.

『言われたことを完璧にこなす。9−5時で働くことが多い』

日本でよくいるタイプだと思います。手は綺麗(この業界で手技が上手いという意味)だけど、上司が言うことしかやらないタイプ。

これは筆者が考えるに、「筆者の対極にいる研究者」です。筆者は正直見下していますが、彼ら彼女らも筆者のことを馬鹿にしているでしょう。筆者は彼ら彼女らをテク型研究者と呼んでいます。

ただし最近は筆者もボスの「Hi Doctaro, why don't you try this new method?」(目キラキラ)を喰らいすぎてテク型研究者に堕ちようとしています。。。詳しくは前記事をご覧ください。

テク型研究者に関しては次記事でじっくり語りたいと思いますのでお楽しみに。

Type6. The Gunner(ガンナー)

Puts in long hors in single minded pursuit of a CELL, SCIENCE, or NATURE paper.

『長時間Nature ,Cell, Science(生命科学系トップの学術雑誌3誌のこと)に論文を発表することだけを考えている。』

若手研究者が目指すべき姿の一つですね。筆者は、現在The ParentとThe Gunnerの複合を目指していますが、現状ほぼThe Parent単体になっています。

「Noteやってるからや!」というツッコミは無しでお願いします。

Type7. The Pseudo-Gunner(スードガンナー)

Puts in long hours, but most of time is spent on the phone, internet, or playing computer games.

『長時間ラボにいるけど、そのほとんどは携帯やネット、ゲームに費やしている。』

皆様Pseudoという意味を知っていますか?生物系の方はPseudogeneという言葉を聞いたことがあると思います。シュードジーン(偽遺伝子)ですね。

ちなみに、米国でシュードジーンは通じませんでした。スードジーンです、筆者は通じなくてちょい恥をかきました。こういう日本語英語と英語の齟齬がとても多いですよね。

また別記事で日本の英語教育に物申したいと思います。

話がそれましたが、大学院生時代の筆者は残念ながらこれでした。Gunnerにはなれませんでした。

院生時代は、単身で時間もあるので、筆者は空き時間に研究者のブログを読みながら、生活費のためにバイトもしてました。

現在大学院生の皆さんはGunnerか、この下のPsycho-Gunnerを目指してください。研究に長時間かけれるのは学生時代だけですよ。

あっ、ちなみに筆者が学生時代に読んでいた、研究者ブログを下にまとめていますので、興味のある方はどうぞ。

これで君も立派なPseudo-Gunnerだ!!こういうブログを読むのも研究の足しになるかもしれません。。。


Type8. The Psycho-Gunner(サイコガンナー)

Puts in frighteningly long hors in single-minded pursuit of scientific immortality.

『とんでもない長時間を科学的な不死のことだけを考えている。』

筆者もこうありたいと思っています。CNS(Gunnerで出てきたCell, Nature, Scienceの頭文字をとった略称で、全てIF50越えです。)に論文を出すことより、科学的な不死のことを大事に考えている研究者ってあんまりみませんね。

筆者も含め研究者は良くも悪くも論文雑誌のインパクトファクター(IF)ばかり気にしていますが、それだけではPsycho-Gunnerには到達できません。

説明でも研究室において一番レアと書かれていますが、筆者も正直見たことないかもしれません。

バイオは競争が熾烈しすぎるのよ。。。

筆者もこうなりたかったですが、現実(The Parent)はこれを許してくれませんでした。ただマインドはこれのつもりで頑張っています。

Type9. The True-Psycho(トゥルーサイコ)

Puts in long and strange hours in pursuit of something you don't understand and don't really want to.

『狂人的な長時間を何かにかけているが、理解できないし、理解したくもない。』

これは流石に見たことがありません。おそらくPhycho-GunnerのPhychoをもじりたかったのでしょう。

ただし天才と狂人は紙一重とはよく言ったもので、Phycho-Gunnerも一歩間違えれば、True-Phychoになりかねません。もしくはデータが全く出ないで、任期の最後の方になったポスドクは周りからこう見えているのかもしれません。

筆者もこうならないように気をつけます。

さていかがでしたでしょうか?

筆者は、マインドはPsycho-Gunner(のつもり)ですが、実際にはThe Parentといったところでしょうか?

あなたは何タイプですか?

きっと意識の高いnote、X民はThe Gunnerばかりでしょう。

いやnote、Xやってる時点でPseudo-Gunnerだったわ。

今日は毒袋が破れがちです。筆者のいくつかの記事を読んでいただけばわかると思いますが、冗談です。

さて、Alexander Dent氏のブログを覗くとまだ色々みることが出来ますが、筆者が学生の時分に見つけた絵は、前記事と今記事の2枚でしたので、ここにとどめたいと思います。興味のある方はぜひ本人のブログをご覧ください。

次回は今記事でのThe Robotこと、テク型研究者に物申しつつボスとの関係性について語っていきたいと思います。

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