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勤務694日目 初のカスタマーハラスメント客との遭遇を振り返る

勤務299日目にご紹介したクレーマーのご婦人。
かなりぼやかしていたのですが、そろそろ細かく書いても身バレの恐れがなくなってきたので、改めてどんな人だったかご紹介。

この頃は50ccに乗っていて、郵便もいまより多かったので、毎日配達が遅かったんです。
暗くなってきた頃ようやく終わる。

で、その家は担当区の最後らへんなんです。

ぼくはこう見えて物腰はたいへん低く、郵便を渡す際は「ありがとうございます」と一声言って渡しています。すべての人に必ずそう言っています。
そうしていればそうそう悪い目に遭わないはずですし、「遅くまでたいへんだね」と声をかけてもらったり、飲み物や食べ物をくださるとても良い方と出会ったり。

で、その家に行ったとき。

外で野菜かなにかの仕分けをされている高齢夫婦がいらっしゃったのです。
60代あたり。
田舎なので大きな家でした。

おばさんがこちらに近づいてきたので、ぼくは郵便を差し出して「ありがとうございます」とお渡ししたのです。

「なんでこんな時間に郵便もらわんといかんの!!!!!!」

開幕甲高い声でブチ切れですよ。

「向こうの人らは朝もらってるのにどうしてウチだけこんな遅いの!!!」
「おかしいでしょ!!!!」

ぼくはしどろもどろに道が変わるので区が違っていて配達担当が変わることを説明します。
残念ながら一ミリも聞いてはもらえず。

「私は郵便局に朝持ってくるよう言ってある!!!」
「確認してこい!!! 話はそれから!!!!」

目の前で胸ぐらつかみかかるような勢いでした。
そんなふうに恫喝された経験はないので、本当に怖くて、奥にいる旦那さんに目線を送って助けを求めたのですが、一切、こちらを見てくれませんでした。

翌日、タチの悪いことにぼくが言い訳をしていて態度が悪かった、と局にクレームが入りました。

仕方なくこの家だけは無理矢理、朝配ることになったんです。
すごいですよね。普通郵便を恫喝クレーム一つですべて速達扱いですよ。

この家の手前に住む方々や、他のよくしてくれたお客さんに、本当に申し訳ないです。

実際朝行くようになって、この女性に再び会ったのですが、気持ちわるいくらい態度が違っていて、にっこにこ笑ってて高い声で「ありがとうねぇ~」って言ってたんですよ。

もっとタチの悪い話なのですが、朝持って来いと言われていたので、対面配達の書留も朝持っていくんですけど、不在だったことが多々ありました。
ぼくは午後も通るところは不在を切らず、再訪問してなるべく配達しているのですが、その家は朝不在なら午後に通るとしてもクレームが怖いので朝切っていましたよ。

この仕事はなにもバイアスがかかることなくすべての住人と会うことになります。
なので当然こういう人にも遭遇します。考えてみれば当たり前。

不幸にもこの仕事に就く方。
あり得ないようなモンスターと遭遇しても、どうか気をしっかりもってください。
特にお年を召したおばさまは危険。陰湿で卑劣な言動や手段を平気で使ってきます。

でもそんな危ないおばさまはほんの一握りです。お年を召したおばさまはやさしくてすごく温かい方が多いです
そういった方は心から大事に想いましょう。

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