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【最強BMP㉕】自分ができることを徹底的にコントロールする

「自分が変わると人が変わる」という意味

「自分が変わると人が変わる」という言葉を聞いたことがありますか?
私も昔、会社の上司からこの言葉を教えていただきましたが、当時は自分を変えるということがどういうことか、よくわかりませんでした。その結果、変わったというより、自分が折れる形になり、相手は変わらず、苦労して業務をこなした経験があります。
しかし、我慢することが自分を変えることではありません。

あるときは「自分のものの見方を変えると人も変わる」と教えて頂いたこともありましたが、言葉の意味は理解できても、具体的にどう変えればいいのかは教えてもらえませんでした。
仮に「あの人の良い所を見よう」というのがものの見方というなら、それが出来ていれば悩んでいませんよね。しかし、今ならわかります。

それは「自分ができることを徹底してコントロールする」ことです。

自分ができることを徹底的にコントロールする

仕事では、自分のやるべきこと、最終的に何を目指しているかを明確にし、それに集中します。そして、その集中を徹底的に行います。その姿を見て、周囲の気持ちが変わり、協力してくれるようになります。最終的には、相手の行動にも影響を与えるのです。

他人を変えようとする悩み

対人関係や環境で悩む方は多く、私も相談を受けていると「相手を変えるにはどうしたらいいか?」と聞かれることが多々あります。一例ですが

  • 部下がもっとこうしてくれたら上手く行くのに。

  • あの人が変わってくれれば職場がよくなるのに。

  • 今いる環境がよくなれば自分の能力も活かせるのに

他人はコントロールできないと理解する

他人(自分以外のこと)はコントロールできないと理解することが大切です。私もビジネスパーソンでしたから、相談内容の意味はよく理解できます。多くのかたが、今の状況をより良くしたいという思いから、相手に変わって欲しいと願います。しかし「他人を変えるにはどうしたらよいか?」という相談には、「基本、他人はコントロールできないので諦めてください。」と答えます。驚かれる方も多いですが、それでも「どうにか変えられないのですか?」と聞かれます。しかし、自分以外のものをコントロールしようとすることは諦めて頂きます。

徒然草(吉田兼好)の第二百十一段にも「万(よろず)の事は頼むべからず。・・・・・」と書いています。これは「あらゆることは頼りにすべきでない」と述べており、ざっくり言うと「他人に期待するな」ということが書いてあります。いつの時代も、他人は思い通りにいかないものなのです。自分以外のものに過度な期待をせず、自分の行動に集中することが大切なのです。

自分でコントロールできることを徹底的に行う

ブレインメンタルトレーニングでは、「自分でコントロールできることだけを徹底的に行う」ことを指導しています。
例えば、スポーツの場合、目標が「優勝」などはっきりしていますから、それに対して自分ができることを考え、やるべきことを行っていきます。
試合当日の天候やライバルは変えられませんし、練習場所が狭い、練習時間がないなど制約があっても、その中で工夫をしてできることを考え行動します。スポーツはどんなに努力をしても必ず勝敗がつく厳しい世界です。

しかし、「自分にできることはすべてやってきた」という思いがあれば、負けた悔しさはあっても後悔はありません。最悪なのは、負けたときに「こんな結果ならもっとこうしていればよかった」「あれをやっておけばよかった」という後悔です。それを無くすためにも「自分ができることだけを徹底的にコントロールすることが大事」です。

私たちも同じです。自分でコントロールできないことに心を砕いても無駄な時間とエネルギーを使うだけです。他人を変えようとするとストレスとなり、イライラする原因にもなります。仕事に失敗して「○○のせいでこんな結果になったんだ」と他責にするようでは、自己成長もなくなります。だからこそ、自分がコントロールできることに集中することが大切なのです。

ビジネスにおける実践

ビジネスの現場で指導的立場の方であれば、指導方法、面談方法、内容の見直しなど指導者側ができることを徹底的に行うしかありません。

指導的立場の方は、育成などが上手くいかないと「自分の指導が悪かったのかも?」と自分の責任ととらえ、自己嫌悪に陥ることが多々ありますが、人が成長するには当事者の心の在り方が非常に大きなウエイトを占めるので、指導者側だけに責任があるわけではありません。指導者的立場の方は、自分がコントロールできることを徹底して行ったら、あとは「期待はせずに信用する」だけです。他人への期待がまた、悩みの種になるのです。

面白いことに、文句を言われているうちは、その社員は何も変えようとはしません。変えなくても何とかなっている風土があるからです。しかし、組織やチームひとりひとりが必死に目標に向かっている姿をみると、自分も変わろうとする人もいるのです。

事例: 職場でのミスが多い同僚への対処

あるとき「職場でミスが多い人がいて、いくら言っても直らない、なんとかしたい、そのミスが原因で自分が怒られて嫌だ、もう顔を見るだけでイライラする」という相談を受けました。たいてい、ミスする人より相談者のほうがメンタルにきています。自分だけがいつも注意をしているが、相手は聞いていない。だからますますイライラするという状況です。

いつも怒られるという人は「自己防衛本能」が強く働きますから、素直には聞きません。また、怒られ慣れている人は、聞いているふりをすることがよくあります。勿論、状況によって対処も変わってきますが、基本の部分は同じです。

「相手に期待しない。自分ができることを徹底的にやってみる」です。

相談者の方も、最初は簡単ではありませんでしたが、自分ができることだけをコントロールすることで、まず、マイナス感情に支配されなくなりました。その結果、パフォーマンスが上がり、ミスを修正しつつ、自身の仕事をこなし、クライアントから注意を受けることもなくなりました。

その結果、会社側からの評価が上がり、能力をさらに活かせるチームへの配属が決まりました。ミスをする人と別れることとなったのです。

自分ができることだけを徹底的にコントロールすることで、相手に対する負の感情を忘れ、脳が快適になることで、仕事のパフォーマンスが上がりました。ミスを責め立てる姿も見なくなり、職場も明るくなり、周囲が協力的になってミスがないかダブルチェックをしてくれるようになったそうです。
これが「自分が変われば人も変わる」なのではないでしょうか?

まとめ

自分がコントロールできないことに心を砕いても無駄な時間とエネルギーを使うだけです。他人を変えようとするから、ストレスとなり、イライラする原因にもなります。仕事に失敗して「○○のせいでこんな結果になったんだ」など、失敗を他責にするようでは、自己成長もなく、ただ闇落ちしていくだけです。結果として、自分の成長を妨げ、前進することができなくなります。だからこそ、自分がコントロールできることに集中することが重要なのです。


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