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映画『春の香り』プロダクションノート♯12. (出演者:篠崎彩奈)

クランクイン前に感じていたこと

私が『春の香り』に参加したのは、オーディションを受けたことがきっかけでした。ドライヤーで髪を乾かすシーンを映像で撮って、送りました。当時、まだ現役アイドルだったので、卒業後にお芝居のお仕事をしたいと思っていた私は、この役を勝ち取りたい!という強い気持ちでオーディションを受けました。なので、決まったよ!とマネージャーから連絡が来た時はとても嬉しかったです。

まず、最初に衣装合わせ兼妹役のハルカと読み合わせを行いました。初めてのメインキャストということもありましたし、姉妹という関係を演じる上で、ハルカを演じる子はどんな子なんだろう?と思っていたので、当日はソワソワしながら現場に向かいました。

美咲姫の第一印象は、「あ、台本で読んだハルカがいる」と、感じました。本当の姉妹になれる予感がしてとても嬉しかったです。
読み合わせの中で、丹野監督は「自然体を大事にしたい。」、「演じる上で、その時の雰囲気をなによりも大切にしたい。」とおっしゃっていました。
監督の言葉を聞いて、緊張していた気持ちも少し和らぎ、安心感を抱いたことを覚えています。

そして、「この現場はスタッフも共演者も敬語禁止だから」と言われました。これには、慣れるまでなかなか時間がかかりましたが、このおかげですんなりと役に入っていけたように思います。クランクイン前から現場の雰囲気を作ってくださった監督にはとても感謝しています。

江南市に来て感じたこと

江南市に来てみて、実際に春香さんが育った街なのだなとリアルに感じていました。江南市はとてものどかで、平和な街です。また、春香さんやご家族の皆様が育った江南市で映画を撮れることは、とても幸運なことだと感じました。

ママ役の櫻井さん。パパ役の松田さんとは、江南市に来てから顔合わせをしました。松田さんは撮影初日に1週間分の食料を持って部屋を訪ねてきてくれました。櫻井さんも本当に優しく声をかけてくださいました。「敬語禁止」ルールもあったからか、すぐに打ち解けました。撮影期間中は休みの日に家族で焼肉やタンメンを食べに行ったり、本当の家族のように過ごせました。

演じるときに意識していたこと

パパとママにとって、子供のことは何よりも大切で、全てを捨ててでも、守りたい存在だと思います。

でも私が演じたお姉ちゃんの立場は、パパとママのように直線の感情だけではなく、実はもっととても複雑な感情を抱えながら、日々葛藤があったと感じていました。多感な時期であったお姉ちゃんの辛さ、孤独があったのだと思います。

劇中のユウカが感情を爆発させる象徴的なシーンがあります。いつもはたわいもない会話をする時間も、そのシーンを撮影をする日は、朝からパパとママの顔を絶対に見ないと決めて、二人のことを大っ嫌いだと思い込んで撮影に臨みました。

そして、そのシーンを演じるにあたり、実際の春香さんのお姉さんである京香さんに「実際に感情を爆発されたことあるんですか?」と聞きました。京香さんは、「逃げ出したいと思った時もあったけど、それは言わなかったし、言えなかった。だから映画では私の分まで爆発してきて欲しい。」とおっしゃっていました。その言葉を聞いて、私が京香さんの思いをここで表現できるように、姉としての葛藤をぶつけられるように、悔いのないよう全身全霊で演じようと思いました。

関係者試写会で本編をご覧になった京香さんが、試写終了後涙を流してくださって、「あのシーンがあって良かった」と言ってくださった時、少しでも京香さんの葛藤を表現することができたのかな、と思い、この映画にユウカとして関われてよかったなと心の底から思いました。

最後に伝えたこと

私はこの『春の香り』という映画がとても大好きです。

実は、完成版を見るのがとても怖かったです。初めてのメンキャストだったし、自分自身がどう映っているのか、自信が持てませんでした。ですが完成版を見たとき、素直に良い映画だなと感じました。何よりも作品に宿っている大義=命の重みについて、改めて考えるきっかけを与えてもらえる内容だったので、参加できたことを今では誇りに思っています。

当たり前なことはない、生きる大切さ、家族、私たちが生きる上で、切っても切り離せないテーマを題材としている映画です。
見てくださった方に、作品の持つメッセージが届くと信じているし、必ず届くと思ったので、絶対に見てほしいと感じました。

女優として、これからのこと

12年間、AKB48の一員として活動してきました。素晴らしい環境で、居心地はとても良かったけれど、その恵まれた環境に甘えてもいたのだなと感じました。

卒業して、一人で生きていかなければいけないと痛感している中で、この作品を通して、改めてお芝居をして生きていきたいなと思いました。

ひとりの人間として、『春の香り』を通じて、成長することができたと感じています。心に深く残る映画は多くあると思いますが、この『春の香り』も、見てくださった皆様の心に、様々な形で残るような作品だと思います。ぜひ劇場でご覧いただければと思います。お待ちしております。


映画『春の香り』プロダクションノート 第十二話 終
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この映画『春の香り』公式Noteでは、映画『春の香り』に関わった方々の普段あまり語られない映画が完成するまでの成り立ちや、映画の細部に宿る物語を、これから映画をお楽しみいただく皆様に向けて、つまびらかにしていく目的で執筆しています。

映画に関わったスタッフを中心にそれぞれの目線で語られる映画『春の香り』今後、続々と更新していきますので、ぜひお楽しみにお待ちください!

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