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海月のような生き方をしたいから、水と夜が好きなんです。

高校生の頃から、水と夜をモチーフに表現をすることが好きだった。それがなぜか、ずっとわからなかった。

高校2年生のときから、高校の新聞委員会の仲間うち数人で49文字ぴったしになる作品を大量生産していた。そのときの作品にも複数、水や夜がモチーフとなっている表現がある。

私は海月。 月光に照らされた水面を ただ一人、ゆらゆらと彷徨い波風に流されるままに生きては 命果てるの。

49文字の作品集

街頭に照らされ雨粒が光る。
さみしげな雨の香りが もう二度と戻れやしない
眩しい過去の記憶を連れてくる。

49文字の作品集

大通りに面した さら地の工事現場の前に 一人佇んでいる信号機。
真夜中の赤信号は さみしくないのだろうか。

49文字の作品集

高校2年生(もう3年前か…)時点で書いた作品といったこともあり、今見返すと納得の行かない点も多々あるが、それでも今の自分と通ずるものはあると思う。きっとこのころから私は夜とか水とかそういったモチーフが好きだった。

もっといえば私は、雨の日の深夜2時くらいの雰囲気が好きだったのだろう。そんな時間に出歩いたことは高校生の時はなかったけど、(心配しないでください、いたって健康な精神状態&家庭でした。)自分の存在がかき消されそうなというか、自分があいまいな存在になれる、そんな雰囲気が好きだったんだと思う。

今日は、それについて、もう少し言語化をしてみたい。


『この文章の書き手はどんな人?』と興味を持ってくださった際は以下の自己紹介noteをご覧ください。目指す人間像や自身の価値観について触れているので、少しだけどんな人間かお伝えすることができると思います。


友人たちと徹夜でドライブに行くのが好きだ。夜遅くに川沿いの道をお散歩するのでもいい。とにかく、夜に人が出歩いていない広い・知らないところに、大切な友人たちと行くのが大好きだ。

(仲の良い友人や先輩に、夜に遊ぶのが好きなんですよね~と言うと、だいたい心配されるのだが、いたって精神状態も交友関係も健全であることを前提にしてこの話を読んでもらえたらと思う。クラブもシーシャも経験はないし、なんなら飲みコール1つすら知らない。)

真冬の深夜に夜景が見える展望台や、湘南の海岸に友人たちと行くのが好きだ。なんとなく、なんで好きかを考えたときに、夜はふよふよとした曖昧な存在になれる気がするからだなって思った。

夜の海で海月が漂っているように、真夜中の山からみる星空と夜景の中にぽつんと人が存在していて、でも暗いからか、すぐに誰からも忘れられそうな、暗いからこそ世界にとって曖昧な存在になれている気がして、それが好きだ。

水が好きなのも、どこか私の心の中のイメージに、あいまいさ、に近いなにかのイメージがあるからだと思う。空気ほど「ない」ことはないけど、そこに「ある」と言われたら、そうである時もそうでないときもある。水は触っても柔らかいとかそんな風に形容はできないけど、でも確かに存在はしている。感触そのものの形容ができないのに、存在をしている水が好きだ。

川の水を手ですくって、指の隙間からどんどん水が落ちていく。一滴が、どれほど大切なものだったとしても、その水が川に戻ってしまったら、二度とその一滴があったことを証明できなくなる気がして、そんな曖昧な存在である水が好きだ。


私は、この世界の中で、「あいまい」な存在であり続けたいのだろう。


そういえば、雨の音や波の音が好きだ。静かすぎると落ち着かない。
それは、自分の存在をかき消してくれるけど、消されて飲み込まれて心地の良い音だからだと思う。

聞くところによると、海月は99%が水分で出来ているらしい。そして、ふよふよ、ゆらゆら、そこに存在していることすら気が付かれないときもある。私は決して、消えたいわけでも忘れられたい訳でもない。でももっともっと抽象的な意味で、海月のような、そんな存在になりたい。

将来の夢がないとか、流れに身を任せて生きたいとか、そういう次元の話ではなく、ただもっともっともっと生き物としてあいまいな存在であることを自分に刻み込んで受け入れたいのだと思う。


さあ、今日もなんとか2000文字近いnoteを書くことができた。本名で文章を書くというのは私にとってすごくやりにくくて、いくら自制しても納得のいくものを書こうとしたら文体は「だ。である。」になるし、よくわからないことを延々と書いてしまう。

だから、もう見返してしまわないように、明日も書いて、明後日も書いて、このnoteをネットの海に流して、存在をあいまいなものにしてしまおうと思う。



冒頭に紹介した、49文字の作品たちはこちらのnoteにも紹介していますので、良ければご覧ください。お気に入りの作品です。


それでは。


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