ディズニー映画「マイエレメント」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート34】
今回は、洪水を堰き止めるために、エンバーはウェイドと浜辺で砂袋に詰め込む砂をシャベルですくっているシーン。そこでエンバーは自分の弱さをウェイドに見せてしまう。
【学習ポイント】
♦️「まっすぐに持つ」の「持つ」を英語では?
♦️「もうダメ」「もうボロボロ」を英語で言うと…
① it won’t unless you hold the bag straight.「袋をまっすぐ持って」
簡単そうに見える表現ですが、案外「まっすぐ持つって英語で…??」となってしまわないですか?
「持つ」は have が代表格ですが、have は自分のものとしてずっと所持している状態であるのに対して、hold は「一時的に持つ」という意味合いがあります。
ここでは砂袋を、砂を入れ終わるまで一時的に持つという意味なので hold を使っています。
straight は「まっすぐ」なので hold ... straight で「…をまっすぐ持つ」になるのですが、他にもいろんな持ち方があるので次にあげておきます。
Hold it horizontally. (横にして)
Hold it vertically. (縦にして)
Hold it at a slight angle. (ちょっとだけ傾けて)
Hold it upside down. (逆さにして)
Hold it diagonally. (斜めにして)
持つものは全て it にしましたが、スマホなどに置き換えて、英語で言いながら”実演“しても面白いと思います。
上の例では「向き」を変えて持つ表現を取り上げましたが、次のように更に発展させることもできます。
Hold it firmly ( = steady ) (しっかりと)
Hold it gently. (優しく)
Hold it with both hands. (両手で)
Hold it with care. (注意深く)
② I think I’m failing.「私ってホントにダメだ」
直訳は「私は失敗していると思う」です。なんとなくわかりますが、この英語はともかく上手くいっていないと思うことなら何にでも使えます。
「ダメかもしれない」「私ヤバいよ」「上手くいきそうにない」「期待に応えられそうにない」などです。
字幕の「私ってホントにダメだ」もいい訳ですね。エンバーの悲しげな表情とこの英語が本当にマッチしています。
「(試験などに)落ちる」も fail なので、次のようにももちろん使えます。
A: How was the math test you took yesterday?「昨日の数学の試験どうだった?」
B: Honestly, I think I’m failing.「正直言ってダメだと思う」
この場合の「ダメ」は試験に落ちる(だろう)ということです。
A: How’s your project going? 「プロジェクトの進み具合はどう?」
B: Well, I think I’m failing.「上手くいっていないよ」
これは、プロジェクトの準備が上手くいっていない時の fail です。
A: Yo look tired. Is everything ok? 「疲れてるみたいだね。大丈夫?」
B: No, I think I’m failing. I don’t understand most of the classes.「ヤバいです。ほとんどの授業がわかりません」
これは、授業についていけず“ヤバい” 状況に陥ってる例です。
I think I’m failing. という表現、サラッと口から出にくいですが、個人的にとても気に入った表現です。
なぜなら、”fail” だけで上の訳のように、いろんな状況で使えるからです。エンバーのように落ち込んで言う姿が思い浮かんできます。
③ I’m a mess.「もうボロボロ」
もう一つ、エンバーが言った “I’m a mess.” も “I think I’m failing.” と同じように、自分がもうダメだ、という意味の英語です。
mess は messy (散らかった、汚い)の名詞ですが、個人的には This room is messy. のように messy の方が mess よりもよく目にします。
mess は「ゴチャゴチャしたもの、混乱」で “I’m a mess.” なので、「私は混乱してる」=「私もうめちゃくちゃ」「私もうボロボロ」という意味になります。
A: You look stressed. Are you ok?「ストレス溜まってるみたいだけど、大丈夫?」
B: Yeah, I’m a mess... 「うん、もうボロボロだよ」
日本語は「ボロボロ」や「ゴチャゴチャ」など擬態語が豊富なので、その分、いろんな日本語を考えることができて面白いです。
洋画で英語学習をしていると、同時に日本語の勉強にもなります。母語なのに日本語も難しい、と思うことがよくありますね。