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「アナと雪の女王」のワンシーンから“愛” に関する表現を取り上げ、いろいろと応用を考えて見ました。。【パート18】


「アナと雪の女王」の終盤のシーン。エルサが牢獄から逃げ出し、クリストフはアレンデールにアナを助けに戻る。一方、アナは冷え切った部屋で倒れており、オラフが暖炉に火をつけて助けようとする。

アナ: I don't even know what love is.「愛が何かわからない」

オラフ: That's okay, I do. Love is putting someone else's needs before yours.  Like, you know, how Kristoff brought you back here to Hans and left you forever.「僕には分かるよ。愛とは、自分よりその人のためを想うこと。クリストフが君をハンスの元に残したように」

アナ: Kristoff loves me?「クリストフは私を愛してるの?」

オラフ: Wow, you really don't know anything about love, do you?「君って本当に愛をわかっていないね」

アナ: Olaf, you're melting.「溶けてるわよ」

オラフ: Some people are worth melting for. Just maybe not right this second! Don't worry, I've got it! 「アナのためなら溶けてもいい。大丈夫。でも今すぐは困るな閉めるよ」

「アナと雪の女王」

今回は、英語の“愛”に関する表現です。

この「アナと雪の女王」で使われている“愛”についての表現を見つけた時、真っ先に思い出したのが、『ある愛の詩』(Love Story)という1970年のアメリカ合衆国の恋愛映画です。

ずいぶん昔の映画ですが、名家に生まれたオリバーと貧しい女性ジェニファーがが恋に落ち、反対を押し切って結婚しますが、ニューヨークでの新生活を前に、彼女の余命が短いと知らされる、という sad & love story です。

ジェニファーの死後、父親との短い会話の中でオリバーは、生前のジェニファーが言った言葉に触れます。それが、

Love means never having to say you are sorry.「愛とは決して後悔しないこと」

映画「ある愛の詩」

です。

直訳は、「愛とは決して“ごめんなさい”という必要はないことを意味する」ですが、「愛とは相手の行動、言動を無条件に受容することである」という意味にも受けとれます。

『ある愛の詩』では、”you are sorry” が「後悔する」という意味に解釈されています。

オリバーが最後に言ったこの言葉が余りにも悲しくて、その場面が目に焼き付いて離れません。

Love is putting someone else's needs before yours.「愛とは、自分よりその人のためを想うこと」

これは愛情表現というより、“Love” の定義です。愛の意味がわからないアナに対して、オラフが述べた愛の定義です。

直訳は「愛はあなたの必要性の前に誰か他の人の必要性を置く」です。( yours = your needs )

「あなたの必要性の前に誰か他の人の必要性を置く」とは、相手が必要だと思うことを自分のことより優先させるということで、

put A before B で「B の前にAを置く」=「B よりAを優先する

という意味になります。

言い換えると、Love prioritizes someone else’s needs over yours. で、「愛とは自分のことより他人のことを優先すること」

prioritize は少し難しい語ですが、priority「優先」の動詞で、「優先する」という意味です。

prioritize A over B = put A before B です。


Some people are worth melting for.「アナのためなら溶けてもいい」

暖炉の前にいる “生きた雪だるま” のオラフに、「そんなところにいたら溶けてしまう」というアナの発言に対してオラフが返した言葉です。

worth ...ing「…する価値がある」なので、セリフの直訳は「何人かの人々は溶けるに値する」=「溶けるに値する人もいる」で、Some people は遠回しに言っており、オラフは実際には”アナ“のことを言ってるのです。

melt for ... と for があるのは、「(その人の)ために溶ける」だからです。もし for がなく Some people are worth melting. とすると「溶かすのに値する人もいる」というへんてこりんな意味になってしまいます。

雪だるまのオラフが言っているという特殊な状況なので、この Some people are worth melting for. は使う機会はそう多くはないと思いますが、次のように worth 以下を変えると応用がいろいろと効く表現を作ることができます。

“You’re worth loving.”「あなたは愛する価値がある」

You’re worth dying for.「あなたのためなら命をかけてもいい。」( ←あなたのためなら死ぬ価値がある)

遠距離恋愛などでなかなか会えないパートナーへ、

You’re worth waiting for.「あなたは待つに値する人だ」

愛情表現以外でも、

You’re worth listening to.「あなたは聞く価値がある」= 「あなたの話は聞くに値する」

He’s worth trusting.「あいつは信頼に値する」

She’s worth fighting for.「彼女のためなら戦う価値がある」

今回紹介した以外にもまだまだいろんな愛情表現がありますが、使用の有無は別にして「これはいいなあ」と思う表現ー 特に愛情表現 ー は頭にスッと入ってきて忘れにくいので、ドンドン覚えていきたいですね。

English is worth studying.  Do you agree?

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