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ディズニー映画「マイエレメント」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート28】

映画「マイエレメント」の一場面で、エンバーは自分の感情をコントロールできなかったせいで店が閉鎖にならないように、市の検察官やウェイドの上司に訴えかけようとする。

【学習ポイント】
♦️ get to... のいろんな意味を学ぼう!
♦️ Have a good day vs Have a good one
♦️「欠席する」は absent だけでない。
♦️ 複数形にこれほど意味のある文はない!

< エンバーとウェイドは市の検察官と会っている>

ウェイド: Tell him what you told me about your dad and letting him down. (お父さんが悲しむって話を)
エンバー: No. That’s personal. (個人的すぎる)
ウェイド: It really got to me. (僕みたいにわかってくれる)

< 市の検察官が仕事を終えようとする>

市の検察官: Looks like I’m going home early today. (今日は早退するとしよう)
エンバー: No, don’t. (ダメ)
市の検察官: Expect to get shut down within a week. Have a good one.( 今週中には営業停止だ。ご機嫌よう)

< エンバーはウェイドを追いかけて、ウェイドの上司である市役所のゲールに会いにくる >

ウェイド: Actually, Gale won’t be in today. She’s a huge airball fan and the Windbreakers are finally in the playoffs.(ゲイルは休みだよ。ガスゲットボールのファンでオナラーズの試合を見に行った)

ウェイド: Okay. Well, I just came by becauseI left my passes for the game here last night. (僕はチケットを2枚取りに来ただけ)
エンバー: Passes? Like, plural? (チケットを2枚?)

映画「マイエレメント」


It really got to me.「僕みたいにわかってくれる」
この get to... を使った表現は、以前の記事で触れたように思いますが、わかりづらい英語なので再度取り上げたいと思います。

get to… は「…に到着する」なので、直訳は「それは本当に私に届いた」です。「到着する」と聞くと、We got to the station.のように“場所”をイメージしがちですが、It really got  to me. のように「私の心(me)」に届くという意味もあるのです。

心に届くので、良いこともあればそうでないこともあります。ですから次のようにいろんな日本語訳が可能です。

「すごく心に響いた」
「深く感動した」
「心を打ちのめされた」
「参ってしまった」
「かなりショックを受けた」

などです。

ウェイドが、エンバーの父を思う気持ちに心を動かされたという意味なので、ここでは「感動した」「心に響いた」という意味で使われています。

単語自体は簡単なものばかりなので、ドンドン使っていきたいですね。


Have a good one.「ご機嫌よう」
相手に良い一日を過ごしてほしいという意味で使われる表現ですが、Have a good day. の方が馴染みがあるのではないかと思います。

基本どちらを使っても問題ないのですが、”Have a good day”の方が、”Have a good one.” より丁寧でフォーマルな表現です。

ですから “Have a good one” は、より口語的で親しみやすい表現で、友人や家族、同僚などに対して使うのにはピッタリです。

この “Have a good one.” はアメリカに滞在していた時によく耳にしましたが、出会った人は家族や親しい人が多かったので “Have a good one.” が多かったのだと勝手に納得してしまいました。


③ Gale won’t be in today.「ゲイルは休みだよ」
「休む、欠席する」と言えば be absent を思い浮かべることが多いのではないでしょうか。

He is absent today. は He is not in today. とも言い換えることができますが、簡単そうに見える absent も in と比べるとビッグワードです。

ですから、absent はよりフォーマルで直接的な言葉なのです。それに対して、in はより会話的でカジュアルに響きます。

「休む」という表現は、He skipped classes. や He cut classes. や He took a day off. などいろいろありますが、He’s not in. というシンプルでカジュアルな表現も、常に頭においておきたいですね。



(1) I just came by because I left my passes for the game here last night.「僕はチケットを2枚取りに来ただけ」

(2) Passes? Like, plural?「チケットを2枚?」

(1)、(2) とも passes (パスチケット)という名詞ですが、複数形( pass ではなく passes) になっているのが、このエンバーとウェイドの会話を理解するためのポイントです。

“I left my passes for the game here last night.”「昨晩ここに試合のパスチケットを置いてきた」とウェイドは言ったのですが、passes と複数形になっているので「何枚かのパスチケット」を置いてきたのです。

もし一枚なら “I left a pass for...” と “a” をつけなければなりません。

passes (複数形)とウェイドが言ったので、エンバーはそれに反応して「複数枚持ってるなら自分も競技場にいけるかも」と考えたのです。

ですからエンバーは、

Passes? Like, plural?「チケットを2枚?」

と自分も行けるかもと即座に反応したのです。

しかも面白いのが、plural?「複数形?」と確認したのです。passes と本当に言ったのか、ウェイドに確認したかったのですね。

エンバーは英語のネイティブなので単数と複数形( pass と passes ) を聞き取るのは当然ですが、我々英語のノンネイティブには会話の中での単数、複数を一瞬で見分けるのは難しい場合が多いと思います。

ですから、エンバーのように一瞬で passes? と反応するのはネイティブならではと思ってしまいます。

あとちょっとしたことですが、2人のセリフの passes の訳が「チケット2枚」となっていますが、理解をわかりやすくするために2枚と言っているのであり、実際は3枚かもしれないし、それ以上の枚数があるかもしれません。

passes だけでは枚数はわからないからです。これは別に他愛もないことなのでスキップしていただいても結構です。

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