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ディズニー映画「マイエレメント」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート30】

エンバーと市の検査官ウェイドが気球で洪水発生場所を特定し降り立った時、洪水が発生した。その時に、2人は砂袋を積み上げ協力して洪水を堰き止めたシーン。

【学習ポイント】
♦️ hold の使い勝手のよさに驚き!
♦️「何かがついてる」は You’ve got...
♦️ 訳しにくい make sure ...

ウェイド: Ember, throw me more! (エンバー、もっと投げて!)

< 2人で砂袋を積み上げ、水を堰き止める>

エンバー: So, will this hold? 「これでふさがった?」
ウェイド
: Yup. It should for sure.  At least long enough for me to get a city crew to fix it before Friday. What? (しばらくは大丈夫。作業員に直してもらうまではね。何?)
エンバー: You’ve got a little sand.  Sand? (ついてる。砂?)
ウェイド: Oh. Here? Here? (取れた?)
エンバー: It’s right there. (違う、ここだよ)
ウェイド: Oh. Thanks. (ありがとう)
エンバー: Well, let me know when it’s done, I guess. (じゃあ、修理が終わったら教えて)
ウェイド: I’ll make sure there’s a city crew here by Friday. (金曜までに直してもらう)
エンバー: Okay. See ya. (わかった。それじゃ)

映画「マイエレメント」

① So, will this hold? 「これでふさがった?」
こんなシンプルなのに意味がピンときにくい表現、個人的に大好きです。

hold は「(一時的に)持つ」という意味があるので直訳は「これは一時的に持つだろうか?」です。「これ」というのは、破損箇所を砂袋で塞ぐことで、これらの砂袋は洪水に耐えらるだろうか?」というのが、「これは持つだろうか?」という意味になります。

すなわち、「持ちこたえる」という意味が “hold” にはあります。

日本語でも、応急手当てをしてちょっと不安な時、「こんなんで持つかなあ?」とか「これで大丈夫かなあ?」って言いますよね。この感覚が “Will this hold?” です。

この “hold” を用いた例文は次のとおりです。

Will this button hold? 「このボタンこれでもつかな?(=大丈夫かな?)」( → 服のボタンが取れて応急でサッと取り付けた時 )

Will this glue hold?「このノリで大丈夫かな?(貼ったものがとれないかな?)」

Will this paper bag hold?「この紙袋大丈夫かな?(=重たいもの入れても破れないかな?)

などです。なんか全部使えそうです。

hold” は「持ちこたえる」だけでなく、「(全部)入る」という意味でも使えます。

Will this suitcase hold all my clothes?「このスーツケースに服は全部入るかな?」

Will this shelf hold all my books?「この棚に私の本全部乗るかな?」

この「(全部)入る」も「一時的に保持する」という元々の hold の意味から推測できると思います。

hold” って使える語彙だなってつくづく思います。

ちなみに、このシーンの後で2人で置いた砂袋がやっぱり持たずに、再び洪水が発生しました。その時にウェイドが、

“The sandbags didn’t hold.”「砂袋だったらダメだった」

と言いましたが、didn’t hold なので置いた砂袋が「持ち堪えられなかった」となります。


You’ve got a little sand.「ついてる。砂?」
エンバーがウェイドの顔を指さして言った言葉です。

You’ve got … は、「相手の服や顔などに何かがついているよ」という時の決まり文句です。

You’ve got a bug on your shirt.「シャツに虫ついてるよ」

You’ve got a spot on your pants.「ズボンに染みついてるよ」

You’ve got a rice grain on your face.「ご飯粒が顔についてるよ」ー 子供の頃、一度は言われたことがあるのではないでしょうか。

You have … でも大丈夫ですが、You’ve got … の方がインフォーマルな表現で会話でよく使われます。

「…がついている」の「ついている」に固執してしまうと英語に直しにくくなりますが、この You’ve got … で簡単に言えてしまうのでとても便利です。


I’ll make sure there’s a city crew here by Friday.「金曜までに直してもらう」
直訳は「市の職員が金曜までにここにいる(来る)のを確認しておくよ」です。

字幕は「確認」と言う言葉が入っていませんが、「金曜までに必ず直してもらう」と考えていただければと思います。

make sure は「…を確認する」「必ず…する」で、I’ll make sure ... で「私が確認しておくよ」という意味になりますが、

I’ll make sure everything is ready for the presentation tomorrow.「明日のプレゼンテーションのために、すべての準備を整えておくよ(=準備が整っているのを確認しておくよ)」

のように「確認する」という言葉は省かれることがよくあります

実を言うと、私はこの make sure と言う言葉がなぜか苦手で目にすると一瞬「えっ」てなることがよくあります。なぜか意味が取りにくいんですよね・・・

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