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ディズニー映画「マイエレメント」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート22】

今回もディズニー&ピクサー映画「マイエレメント」から、前回の続きのシーンです。’水’ の客が店にやって来ますが、その態度の悪さにエンバーは客を追い返してしまいます。そして、また別の客がやってきますが、エンバーは客の対応に苦慮します。

♦️ 学ぶ英語表現
1) 個人的に忘れられない「目を離すな」
2) 発想の転換が必要な“使える” 褒め言葉
3)「本当?」は Really? だけじゃない!


バーニー: 火のエレメントで店を経営している。
エンバー: バーニーの娘で店を手伝っている。
< 行儀の悪い水のエレメントが客として入ってくる>
バーニー: Water. Keep an eye on them. (水め。目を離すなよ)
水の客1,2 Oops. (おっと)
< 水の客が商品を水で濡らす >
エンバー: You splash it, you buy it. (濡らしたなら買い取って)
< エンバーが怒り狂って水の客を追い払う>
バーニー: You showed them, huh?  Nobody waters down Fire. (よくやったな。二度と水を差すな)
エンバー: Can the shop be mine now? (店をくれる?)
バーニー: When you are ready. (一人前になればな)
< 新たな客が店にやってくる >
エンバー: Àshfá, customer. (お客さんだよ)
バーニー: How about you take it today? (お前が対応しろ)
エンバー: For real? (いいの?) How can I help you? (いらっしゃいませ)
: All of this and the…  Oh! The sparklers are buy one, get one free? (これを全部。1つ買えば1つタダ?)

映画「マイエレメント」


① Water.  Keep an eye on them.「水め。目を離すなよ」
“Water.” 「水め」という言葉から、火のエレメントであるバーニーが水の客にいい思いを持っていないことがわかります。火と水のエレメントは基本、互いに相容れない存在なのです。

Keep an eye on...”「…に目をずっと保持しておく」が直訳で、そこから「…から目を離さない」という意味になります。

on は「接触」を表すので、「…に目(視線)をずっと接触させておく(keep) 」がそのイメージです。

余談になるのですが、この “keep an eye on...” は、個人的に忘れられない英語です。というのは、私が学生時代に英語で最も刺激を受けた同時通訳者の松本道弘氏という方が、全米のディベートチャンピオンへのインタビューの中でこの英語を使っていたからです。

発音が、「キープアナイアン」とリエゾンしていたので、なぜか頭にこびりついて離れません。2年前に亡くなられたのですが、今でも氏の著書をよく読み返します。あー、本当に懐かしい…。


You showed them, huh?「よくやったな」
態度の悪い客を店から追い払った娘に対して父親がかけた言葉です。

You showed them, huh? ー 簡単な単語ばかりですが、その意味はピンときにくいのではないでしょうか?そのまま訳すと「お前(エンバー) は彼らに(水の客2人に)示したよね?」ですが、“何を”示したのかは不明です。

もうこれは慣用句というしかないのですが、相手に示したものは、「その人の実力」です。そこから、「思い知らせてやったね」という意味になります。「(思いもしなかった)自分の実力を見せつける」と言った深い表現なのです。

こんな表現をサラッと言えたかっこいいですよね。

“Even though they said you couldn’t win the match, you showed them, huh?”
「彼らは、あなたが試合に勝てないと言ってたけど、彼らに思い知らせてやったね」

Show them, huh?” 「(お前の実力を)あいつらに見せてやれよ!

“Show them.” と命令形になれば、「思い知らせてやれ」「見せてやれ」という意味になります。

また、”You showed them.” と ,huh をとってもいいですが、,huh をつけると「そうだよな?」と同意を求める言い回しになります。

For real?「いいの?」
父親のバーニーが、How about you take it today?「お前が対応しろ」と言われたエンバーが言った英語です。

別の英語で言うと “Really?”「本当?」ですが、多分、多くの方は “Really?” をよく使うのではないかと思います。私も “Really?” 一択と言ってもいいくらいよく使っています。

エンバーは、”Really?” と言ってももちろんいいのですが、このシーンを考えて下さい。まだそんなに商売の経験がないエンバーに “How about you take it today?”「お前が対応しろ」と言われたのですから、多分信じられないくらいびっくりしたことでしょう。

こういった「信じられない気持ちが強い場合に “For real?” を使います。”Really?” を感情込めて言ってもいいですが、この For real? を口からすぐに出るようにしておきたいものです。

まだ映画の序盤ですが、これからエンバーにどんなことが起こるのか、とても楽しみになってきました…

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