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10年虐待されたトラウマを10年かけて克服した話

タイトルに虐待とありますが、前置きをさせてください。

・フラッシュバックや嫌な思いをする人を極力減らすため、具体的な虐待の描写はありません
・トラウマ治療は専門家の指導のもと行ったものではありません。ご了承ください。
・最後にトラウマ克服の助けになった書籍やYouTubeを紹介しています。


私は5歳〜15歳の時に、継父から身体的・精神的虐待を受けていました。
15歳で終わったのは、母が離婚して引っ越したためです。

虐待が終わってからも地獄の日々が続きました。
「こんなダメ人間いない方がいい」と、四六時中頭の中で止まない自己否定。
対等な人間関係が築けないため恋愛で失敗続き。
自己否定からくる焦燥感で毎日大量に飲酒して泣き叫ぶ日々。

その虐待のトラウマを克服すべく、自己流ですが色々試してきました。今は双極性障害という病気を抱えつつも、トラウマがフラッシュバックすることはほぼなく、穏やかな毎日を過ごすことができています。


今も虐待のトラウマに苦しむ人の参考になればと思い、書きます。

16歳 インターネットで『虐待』を知る

当時スマホが普及し始め、なんでも調べられる時代になりました。
そこで真っ先に検索したのが「虐待」というワード。

虐待されていたときは周りに相談できず、なんとなく「これ虐待だよな?」とうっすら思っていた程度でしたが、スマホで調べて完全に虐待だと気付きました。

虐待だと認識したものの、当時の私はどうすることもできず、ただ苦しい思いを抱えるだけでした。


18歳 自己否定の根本原因に気づく

高校に入ってから、気づけば過剰に自分を卑下するようになっていました。
「自分なんてブスだし」「なんでこんなに頭が悪いんだろう」と、そんな言葉が常に頭を巡っていました。

そんな時、図書館である本に出会いました。
タイトルは忘れてしまったのですが、「虐待された子供の内面はどうなるか」について書かれていました。


その本に書かれていたのは、まさに自分のことでした。
「自分を否定する」「人を遠ざけてしまう」「完璧主義すぎる」など、自分が悩んでいたことそのものでした。(おそらくパーソナリティ障害の症状について書かれていました)

その本では、虐待されると脳のどの部分が萎縮するなども書かれており、初めて自分を客観的に見ることができました。


19歳〜20歳 トラウマ治療への探求

18歳ごろに虐待に関する本をちょくちょく読んでいたものの、本格的に調べるには至りませんでした。

19歳で大学に入学してからは、大学図書館でトラウマ治療に関して調べるようになりました。本で調べていたのは、ネットだと胡散臭いカウンセラーのコピペブログしか出てこないからです。


インターネットで得た情報をもとに、「虐待」「機能不全家庭」「トラウマ」「PTSD」「パーソナリティ障害」「アダルトチルドレン」「インナーチャイルド」「愛着障害」という言葉がタイトルについている本を片っ端から読みました。

そこで、自分がどんな状況に置かれているか把握することができました。


さらに、どうしたら自分のことを好きになって楽になれるのか、フラッシュバックを起こさずに済むのか調べました。

そこで知ったのが「アドラー心理学」「フロイトの精神分析」などでした。

最初に読んだのはアドラー心理学をわかりやすく解説した「嫌われる勇気」という本だったと思います。

そこで衝撃だったのが目的論です。

「過去の〇〇があったから今の私はこうなった」ではなく、「〇〇という目的を達成するために、過去の経験をこのように解釈している」と考えるのです。

アドラー心理学 目的論

つまり、親のせいでネガティブな自分になったから今があると考えるではなく、楽しく生きるために乗り越えてきた過去がある、という風に解釈を変えると少し楽になりそうと思ったのです。

しかし、親への憎しみがあるままこの解釈をするのは難しいと思いました。

その前にはまず思いっきり親を憎み尽くしてからでないと、と思い、半年ぐらい全てを親のせいにする時期がありました。

本当に憎くて、アマゾンで母の日に無言でこの本を送りつけたりしてました。母親に対しては、虐待を見て見ぬフリをし、全く助けてくれなかった恨みがありました。


親を憎み終えた後は、トラウマ克服の実践編(自分で言ってるだけ)に入りました。

当時はネガティブな思い込みが激しかったので、ポジティブな考えに変換しようと思いました。例えば何かを失敗した時に、「自分は頭が悪いから失敗するんだ」と考えるのではなく、「自分の行動の中で失敗しそうな要素はなかったか」と考え、原因を仮定し、次は同じ失敗をやらないよう気を付けるといったことです。



21歳 双極性障害の診断が降りる

それからもトラウマ克服に勤しんでいた頃、就職を機に体調が悪くなっていることに気づきました。

虐待当時に関する悪夢を頻繁にみたり、生理前のイライラが異常であることに気づき、初めて精神科を受診しました。

そこで双極性障害の診断をもらいました。
双極性障害とは、このような病気です。

双極性障害は、気分が高揚する「躁状態(そうじょうたい)」と、気分が落ち込む「うつ状態(うつじょうたい)」という、対照的な状態を繰り返します。これらの状態は、数日から数週間、あるいは数ヶ月続くことがあります。

google検索より


説明にもあるように、双極性障害は気分の波が極端に変動する病気です。

私の場合、20歳ごろからトラウマのフラッシュバックで夜中に泣き叫んで大暴れすることがあり、その度に「なぜ私だけこんなに苦しいんだ」「死んでしまえばいい」と思っていました。

これらの症状に「双極性障害」という名前がつき、薬物療法が開始したことで、ようやく少し安心することができました。


22歳〜26歳現在 病気に悩みながらも徐々にトラウマ克服へ

その後も、気分の波が激しく、時には過度な飲酒に走ることで、過去のトラウマが再燃することがありました。

しかし、アドラー心理学以外にも参考になりそうな本やYouTubeを見つつ勉強は続けていました。

すると、年々フラッシュバックや悪夢が減っていき、25歳ごろからほぼなくなっていました。今は、余裕がある時にこのような振り返りのnoteを書くことで自分を癒しています。


トラウマ克服の助けになったもの

ここまでは私の体験記だったので、最後にトラウマ克服の助けになった本などを紹介させていただきます。

⭐️自分の現状を知れる本


⭐️機能不全家庭で育ち、大人になってカウンセリングを受け立ち直る話。
感銘を受けて筆者にメールを送ったところ、テレビで紹介されました。


⭐️書き込み式のワークを通じて過去の自分を救う本。
トラウマを思い出すことになるので、調子の良いときに無理せず取り組むのがいいと思います。幼い頃の自分を抱きしめてあげられます。


⭐️早稲田メンタルクリニックの院長益田先生のYouTubeです。
幼少期に親からの愛情が十分与えられなかったことで発生する人間関係の問題である、愛着障害についてわかりやすく解説してくれます。



新たなスタート 機能不全家庭は抜け出せる

これまた私事ですが、来月結婚することになりました。
4年ほど交際し3年同棲し、相手の方の優しさや誠実さに毎日救われています。

これも虐待を受けた方の不安の一つだと思うのですが、「自分も機能不全家庭にしてしまうのではないか」ということ。

現に私も昔は思いやりのない方を沢山引き寄せていました。
ここから抜け出すには自分を大切にする方法を学ぶことが一番だと身をもって感じました。


機能不全家庭の連鎖を断ち切ることが私の人生の目標でもあり、今もその目標に向かって1日1日を積み重ねることに邁進しています。

機能不全、虐待の連鎖は断ち切れる、そう信じたいです。


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