現在(いま)を生きがたく思っているすべての人に薦めたい一冊
青山美智子 著『お探し物は図書室まで』(ポプラ社 刊)
最初は、よくある「生きがたい」人たちが、ある出会いによって自分の「生きがたさ」を解決していくお話ではないかと、第1章「朋香 21歳 婦人服販売店員」を読み終わった時は思っていた。まあ、「生きがたい」人たちあるある話だと安直に考えたわけだ。
しかし、第2章「諒 35歳 家具メーカー経理部」、第3章「夏美 40歳 元雑誌編集者」と読み進めていくうちに、いかに自分がこの小説をなめていたのかを思い知らされていった。第4章「浩弥 30歳 ニート」では、完全にアッパーカットを食らい、