芭蕉の歩いた山形へ ①
山形県は広い。目的の鶴岡、酒田には山形新幹線は通ってない。仕方ない、特に用事もない終点の新庄駅からレンタカーで最上川沿いを辿り日本海サイドへ。帰りは the 山形!という感じの雪深い山間を(トンネルを)くぐって山形駅から帰京コース。
時刻表を見て「あれ?」山形新幹線が妙に遅い事に気づいた。青森はもっとずっと遠いのに、到着時間が変わらないって、なぜ?燃料節約?
わからないまま乗り込んで、わかった。速い新幹線が、山形に入った途端、各駅停車?急にゆっくりに。駅に迎えに来る車道と同じ高さ(そのまま改札だから、バリアフリー)のローカルなホームにも停車。
普通の線路で新幹線ってイケるの?
ビックリした。山形がお金を出して、山形のための新幹線を通した。じゃあ秋田新幹線は秋田ローカル?気持ちはわかるけど、県ごとにブチブチ切らないで新幹線連結させようよ。日本海側の未来を盛り上げようよと、つい力みそうになった。
☆ 新庄駅(終点)
近代的な駅舎だが、人はかなりまばら。あまりにお腹が空いていたので、観光案内で食事処を尋ねると、
「美味しい名物?それならここ。絶対、間違いない」
おじさんが 熱く勧める店へ。
◎ 鶏モツそば
徒歩3分「急行食堂」客は地元の運転手が1人。運転手が奥にいる主人に 私達が来た事を知らせてくれる。準備が出来てないのか、ものすごく待たされていたら「チン!」(冷凍モツを解凍)電子レンジの音が奥からした。
「え、まさか、あれ?」
所々くっついた中華麺に鶏モツ入れて、美味い訳は、なーい!おいおい誰が 超おすすめじゃ(苦笑)
☆ トトロの木
地図には「小杉の大杉」と。住所もなく、ザックリした位置をレンタカー屋に入れてもらい、立て看板を頼りに天然記念物の曲川の大杉を見に。ビューポイントまで回ると
「うわ〜まさにトトロよ!」
ポッテリ!可愛い。こんな形の木、初めて。忘れられないかも。
最近は特に人気で、小さな駐車場には新しくトイレも出来、木の周りはボードウォークに整備されていて多少雨でも歩きやすくなっています。沢が近くにあるのか鳥の囀りが響き渡る。森の中で出会えた嬉しさ。大人の私だって、しばしトトロをまったり♡独占できます。
☆ 最上川
松尾芭蕉
五月雨を あつめて早し
最上川
五月雨を の「を」を選ぶ芭蕉は、やはり天才だなぁ。目から鱗。旅中に何回 口にしただろう、名句だ。
険しい山がある広い山形県ですが、大昔でありながら 芭蕉一行はよくわかってらっしゃる!先人たちの知恵、素晴らしい。日本海までのこの最上川を沿って辿るルートを選べば、山を越える事なく平坦な道が続き、体力も温存でき危険も少なく、風を感じつつ、時に東屋で団子を食べての吟行も可能だ。
最上川のメインの観光は舟での川下り。大昔、マレーシアの嵐での恐怖がトラウマの私は、大の舟嫌い。完全に見る派です。
☆ 白糸のパーラー
最上川下りの目玉、白糸の滝が目の前に見える、嘘みたいに素敵な喫茶店。山形でセンスの良い喫茶店は探すのはホント至難の業(失礼)だと思うが、何て事ないドライブインの2階のここ!覚えていて欲しい。ガラスいっぱいにグリーンと最上川、レトロモダンな赤い椅子、床の格子の色合いったら、もうセンス抜群!
◯ 白糸の滝
チョロチョロ過ぎない?川下りのメインがこの滝って、失笑は免れないだろう。大体、白糸の滝って名前が日本にどれだけ沢山あるのよ。名付けがイージー過ぎ。
水量が少ない🟰白糸に見える?
風情でごまかす名前負けな 滝(笑)
☆ スイデンテラスホテル(鶴岡)
◯ 建築設計・坂 茂
再利用した圧縮紙管の建築をかなり前から推進している。震災時、体育館でのプライバシー確保のパーテーションや、素早くローコストで量産する技術で仮設住宅を建てた。建築を素材から見直す未来環境派。もっちろんプリツカー賞持ち。
鶴岡市が推進、招致するサイエンスパークという慶應大学院の繊維の研究所や、最先端のバイオテクノロジー研究機関の特別なエリア(空港が近くバス有)。そこを支える宿泊や飲食や文化を担う拠点なので、若い人の単身利用が多い。観光というよりワーケーション、まさにだ。
スイデン(水田)テラスに水がないい!水に建物が映ってる写真(トップ公式画像)撮れな〜い。田んぼ干上がってる。そんな馬鹿な〜。
ね、事前に教えてよう。
「これから水を引かない農法に換えて行く予定です」
やっぱり水のメンテが難しいのかしら?はぁ、わざわざ見に来たのに。
◯ 朝食ビュッフェ
期待を上まる素晴らしさ。基本はとにかく「米」。米の食べ比べ。庄内米を味わってもらうための副菜の数々にやられ、おかわり3杯しました。ウチの娘だったら間違いなく、2時間は余裕で居座ってたはず。朝食だけでも又来たくなります。
◎ 2日目は鶴岡から30分車で北上、酒田まで。
☆ 山居倉庫
酒田の観光拠点。日本海側の港町として栄えていた酒田の昔が感じられる。たくましく根を張る欅並木に、海から倉庫に運んだ木舟や橋、ちょっと時代劇が撮れそう。
☆ 酒田市立美術館
展示もモチベーションも地味過ぎだが、ま、庭園だと思えば、心地よい。のんびりティータイムにいい。
☆ 酒田ラーメン「さらしな」
初日の鶏モツ蕎麦で失敗したので、「ラーメン、絶対に外したくない。ギトギトも魚臭いのもムリ!」
美術館スタッフに頼んで教えてもらうと、私が事前のネット検索で調べた3軒は入ってない。えっ?
ビックリ、地元の口コミは固い。
普段は行列だいう早仕舞いの店へ、慌てて滑り込む。おススメ全部盛りラーメン(ワンタン入り)を。キャー美味しい!で、すごい量。
山形・酒田の途中ですが、この辺りで。