買ったり食べたり ガンバレ金沢 ③
★ 東出珈琲店
金沢に戻って来て、さすがにお腹が空いて、すぐ近くにある近江市場関係者に大人気という珈琲店に入る。古めかしい木の店内、珈琲を豆から丁寧に挽くスタイル。平日の午後なのに、地元客とガイドブックを手に来る観光客とで、もういっぱいだ。
☆ ホテルパシフィック(素泊まり)
チェックイン。近江市場のすぐ裏手、抜群の立地にある1階がカフェのリノベーションホテル。シンプル➕清潔だけの安い宿だが、エレベーターは辛うじてあり、スタッフは親切。
私はスタイリスト伊藤まさこの旅の本からピックアップ、かなり前に1番広めの部屋(と言っても狭い)を予約しておいた。でも外国人バックパッカーもよく知ってるもんですね、ほぼ満室でした。
★ 近江町市場
街の真ん中にあり、とても行きやすい。物欲にスピード感が伴わない私には、この宝物が混在する迷路のような市場での買い物には、なかなか慣れない。
目が忙し過ぎて「うわ、うわぁ」つい気後れして結局全部買いそびれて、後悔する性格。今回は、かなり頑張って予習して来ました。
近江町市場は、金沢の台所。鮮魚、蟹に野菜、乾物、生花、味噌、果物に各種の惣菜、場内はセクションが大まかに分かれていて、威勢の良い声で活気に満ちている。
何とか気合いを入れて、ノドグロの乾き物に、富山の氷見うどんをパパッと購入は出来た。
「私は一生に一度、もう浴びるほど、もうイヤ!って思うほど、蟹が食べてみたいの」
鼻息荒く豪語してたのに、場内の短い時間で馴染みのない高額な蟹を選んで、クール便の手はずは、私に壁が高すぎた。
「ん〜〜やっぱりいいかな。蟹は、どこかお店で食べよっかな」
威勢のいい店には、完全に尻込み。結局蟹は選べなかった。
もう。
甘エビのコロッケは買えた。
◎ 市場へのアメリカ人ツアー客に遭遇♡ホッコリ
そう、こんなことがあった。
狭い歩道で、市場にこれから向かうアメリカ人観光客の団体と出くわした。
先頭にいるバイリンガルの厳しそうな女性ガイドは、小柄な盲目の女性とつなぐ紐(伴走者用?)のようなものを短く持って片腕も絡めて、もう片方の手には、ツアーの旗を掲げている。
「いいですか。ここからは大変混んでいます。迷路みたいなので、絶対はぐれないように、気をつけてください」
ガイドの強い口調に、列の後ろに並ぶ人達にまで緊張が伝染するのか、妙に険しい顔に皆なっている。大丈夫か。
ですがその時、先頭に並ぶ小柄の、その盲目女性(50才くらい)だけが、頬をピンクにして、1人ニッコニッコ嬉しそうにしているのだ。
そう、街の匂いが変わっていくのが、彼女にだけは、もうわかるのだろう。
「市場の中はもっと、も〜っと良い匂いがしますよ。よく来たぞ!来た!
ウェルカムトゥー JAPAN!
LOVE カナザワ!
うんと楽しんでってね〜!」
嬉しくて私は、大声で叫びたかった。
そうだ。そうなのだ。
私たちは、いつだって待ってちゃいけない。
前に!前にだ!GO GO〜!
★ 金沢21世紀美術館
オープン当初、その建築でもかなり話題になった美術館で、かなり年月が経った今も客のほとんどが県外から、チケットを買う長い列が出来るという。
あちこちかなり足繁く通う「美術館フェチ」な私が、遠方とはいえ、こんな有名どころに
「え、行った事がないの?」
毎回 聞き返されていた。
雑誌や本で、ほぼ全部の見どころは頭に入っていたが、それらをまぁ今回は確認する感じ?と思いましたが、やっぱり初めての肌で感じる美術館は心が踊り出します。
楽しい。
人気の建築は、やはりトキメキがある。周辺のムードを掌る魅力がある。
古都・金沢に文化の新風。街に開放していて、とびきり明るい。
明るいって、ホント素晴らしい事だ。
◎ さぁ、美術館の中に入ってみましょう。
○ 美術館スタッフの制服
斬新な明るいコスチュームは、やっぱり!ミナペルホネンの皆川明デザイン。こんなカジュアルな感じでも、彼の店でこの服を買うと、20万円とか(ヒーッ)平気でするんです。ふらりと立ち寄っては、毎回必ずビックリする私。
目も脳も全然慣れない、この相場に。時代に。
◎ フォトジェニックな館内名所
〇 切り取られた夜空が、作品。
♫ 見上げてごらん〜夜の星を〜…
僕らのような、名もない星が〜 ♬
好きだ、このフレーズ。つい口ずさんでしまう。
〇 ウサギ椅子
以前の記事で「私が持ってる建築家・中村好文のウサギ椅子(ラパン)の方が可愛い」と生意気に言ってしまった、美術館のマスコット的なウサギ椅子。
あら、御対面!あはは、失礼しました。
〇 美術館の建築
名誉ある世界的建築家に贈られる「プリツカー賞」を2010年受賞。現在も世界各地からのオファーで引っ張りだこだ。
妹島和世は、私の記事「ドライブホリデイ」に出て来た、海の上のシースルーな日立駅の建築家でもあります。(茨城県出身)
◎ ミュージアムショップ
とにかく美術館の売店って、楽しくて大好き。初めての美術館なんて、もうウキウキだ。
○ 「途中でやめる」のワンピース
私「あ、これ買う!」
夫「えっ、美術館で洋服まで買う?」
なかなか、特に洋服を気に入って買うことがない私が、ふらりと夜のミュージアムショップで
「お!」
試着もしないで即断即決。厚めコットン生地の白とブレードリボンの赤のクルンクルンが、絶妙。自分でミシンも使うので(下手です)、この仕上がりが、どれほど大変か、身に沁みてわかる。まじリスペクト。
「途中でやめる」ってアーティストのブランドで
「私も買いました」という売店スタッフから説明される。
へぇ初耳。
確か¥7800、安!上がる♫
赤と白が好き。ちょっと若い?
大丈夫。娘もおりますから。
黒地と水色地の渋い色のシャツ(くるんくるん)もラックに、2枚まだ掛けてあって、私が会計しようとすると
夫「え、じゃあ、僕もシャツ、これ買おうかな」
私「それ、色がダメ。可愛くない」
一瞬で、スパッと却下。ひど。
私って、そゆとこある。(笑)
★ 近江町市場の居酒屋
夜遅くなると、開いてる店は少ない。ホテルの近くの店で、地元のメニューをあれこれ頼んだ後に
私 「あ、蟹は、なんかありますか?」
店 「¥9800のなら、ある」
私 「ん〜ちょっと(注文したのを)食べてからにします」
また逃してしもた。 だって、そんな、いきなり¥9800のメニューって。そんなのサラリと注文した経験ないし私。
蟹、もうビビる。
高級魚のどぐろは刺身よりも、調理してこそ光る魚だな。
この時、チャラリーン♪Paris在住の友人カップルがスキーリゾートにいて、LINEが来た。友人のミニッツステーキや、フランス人爺さんの好物の(グロい)臓物ソーセージなんかのランチ写真が届いたので、
「よーし!」
ビックリさせようと(上の)居酒屋メニューの写真を送ってみた。
「僕たちって、同じ地球にいるけど、ホントに全然違うもんを食べてるんだね」
返信が来た。
あはあは。
ま、いつも白子や荒汁は、食べてないけど。
ほろ酔い気分で、金沢の夜♫
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