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夏の妙高高原へ ①
宿の予約はしていたものの、今回は直前まで行くのを迷っていた。
「うん、行こう!」
決断は間違ってなかった。
「行かない」より「行く」方が、
性格に合ってるのだ。
夫は 滅法気がきかないタイプだが、
無邪気で親切なアシストおじさん。私のアンテナへの信頼は絶大で、いつも完全お任せ、安心しきって隣にいる。
ま、こんな私には 丁度良いのか。
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外観は大学病院みたいで、
お粗末 ガッカリ
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組んであって 素敵なのに
計画中に失敗した。でも電話で事前に教えてもらって良かった。私のネットやガイドブックの地図の読み方が どうも甘かった。
「朝1番で着いたら(行った事ない)白馬まで行けるかしら?」
「白馬?えっ、何を考えてるんですか。ここから?は?は?ムリです」
呆れられた。あら、え、そんなに?
そっか、山岳地域だった。残念。
新潟と長野の県境が近くなので、長野市まで行く事に。地元の人達は有料道路は利用しないし、あまり近隣に遊びに出かけない感じでしたね。
「長野まで?ええっ、遠いですよ」
噂どおり高速道路は空いていたが、
思ったより距離はあった、1時間強。
◎ 長野県へ
☆ 小布施 竹風堂
長野市のお隣の小布施は、以前 訪れた事があったので、早めのお昼だけ食べに立ち寄る。秋の栗シーズンは新鮮な栗を使ったスイーツを求めて、大変な賑わいだそう。いいな、食べたい。
広々した店内は、気持ちが良い。
観光客に10am 開店は嬉しい。
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大音量の蝉時雨
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餅米の粒が ツヤツヤしてる
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シンプル is ベスト
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栗づくし
☆ 善光寺
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小林一茶
「春風や 牛に引かれて 善光寺」
牛に引かれて?えっ牛?周りは農道だった?何だか 遥か昔の信州へと想像が膨らむ。どんだけ気が長い道のりだったんだろ。連れて行きたかったのは 牛の方だったのかしら(笑)
1707年に再建(焼失後)。
宗派や身分にかかわらず 誰でも参拝出来る寺で、江戸時代から 広い信仰を集めて来た。とりわけ女性参拝客は 多かったという。当時は一大イベント、少しお洒落して 仲見世で 味噌饅頭や おやきを 家族やご近所に買ったりしたのかしら。楽しそうだわ。
「一生に一度は 善光寺詣り」
私達も令和の今 ようやく初参拝。
皆 線香の束を手に 煙を浴びて、長い時代をいくつも越えても 人気は健在。大層 賑わっていましたよ。
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名木ってすごい
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こんな茶屋で ひと休みしたのか
○ お戒壇めぐり
本堂の中(有料)靴を脱いで手すりだけを頼りに 味わった事のないほどの
真っ暗闇を歩いて行くと「錠前」を手探りで見つけ触る。それが極楽浄土の御仏と出会える門が開く、パスポートみたいな?いやはや、ビックリ肝試しに似た まさに苦行?珍業?閉所恐怖症の方は取り敢えず、止めときましょ。
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四方に墨をぶっかけたみたいな暗闇
ヒャー
☆ 長野県立美術館 東山魁夷館
大の東山魁夷ファンとしては、こちらに是非一度、行ってみたかった。
父・谷口吉郎が東山魁夷と生前、親しくしていたので、息子の谷口吉生が建築設計を担当。また実に匠な人。
「額縁は 絵を邪魔してはいけない」
美意識がいつも素晴らしい。
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キラキラと広い天井に映る
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売店の日除けスクリーンに
草花の影
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広過ぎる廊下の 未来感
◎ 長野県立美術館・本館
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建築設計・
宮崎 浩+プランツアソシエイツ
初めて知る建築家、若い人ではない。激戦のコンペティションで(2017年リニューアル時)見事に勝ち取った。実力突破、おめでとうございます。
庭のどこからが美術館なのか、子供が遊べる小屋や噴水、芝生のオープンエリアが建物へと明るく誘う。
「風が通る」建築のコンセプトは、カフェや中庭、玄関からも強く 肌で息で 確かに感じられる。
特別な魅力は、屋上だ。必ず上がってみて欲しい。潔いほど何もない広がる床面が、まるでもう1つの大地になり、善光寺や公園、大学や山々を平らな舞台に乗せて包み込む。そこに吹く風は、善光寺の鐘の音を運んで 辺りに響かせている。
この深い歴史と新しい文化、四季折々の自然が1つの美しい景色になる。
成功です。素敵でした。
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善光寺の屋根と 鐘の音と 山々
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沢山見学に来ていました。
◎ 中谷芙美子 作品
(父は 雪の結晶の研究者)
中庭で 定時に始まる 体験型作品
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滝のように噴射されてビックリ
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館内のみんなも 大盛り上がり♫
◎ 妙高高原(新潟県)
☆ 赤倉観光ホテル
戦後の外貨獲得の為に作られた、日本のリゾートホテルの先がけ。源泉掛け流しの温泉と、スキー場、ゴルフ場がある。
そのせいって事もないと思うが、洋食器は一流だが、懐石料理の和食器は、外国人が考えた盆踊りのような、目がシバシバするほど悪趣味だった。
あ、悪口 言った?あは、一流リゾートも そう完璧ではないってことで。
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標高1000mに ポツンと建つ
もちろん経済的余裕のない私達は 古い本館の低価格な(激狭な)部屋を予約したのですが、滅多にない ひょんな事がありまして
「どうぞ、こちらのお部屋をお使いください」
夕ごはんの後、館内で1番新しくリニューアルされた 先ほどの部屋の4倍くらい広い 豪華な露天風呂付きの部屋へと誘導された。
夫「何だよ、これ。すげーな」
私「ホント」
夫「冷蔵庫の中のもん、飲み放題って書いてあるぞ。(激狭の部屋の冷蔵庫は 水も有料だった)でもなぁ、ちょっと怖くて飲めねーよなぁ」
ラグジュアリーな だだっ広い部屋で 貧乏性の私は所在なく、チンマリ端っこの椅子に座る。近眼(老眼)の私には、向こうにいる夫の姿はわかるが、その顔の表情は遠くて見えない。あちこちあるテレビやらも、つけたらもう
夫「えっ?なに?なんて言った?」
声は届かなくなり、簡単な会話まで不便になったりして(苦笑)
あちこちの引き出しを開けて
夫「浴びるほどあるぞ、タオル。
うわ、見て!こんなのまであるぞ。へぇ、すげーな」
小学生のように目をキラキラ。私は長い運転と寝不足で疲れていたが、夫はあちこち探検し、大浴場からエレベーターを間違えつつ 戻って来た。
私「(温泉大浴場)どうだった?」
夫「ビックリするくらい 湯船は爺さんだらけ。ここの客の年齢層 めちゃくちゃ高いぞ」
私「やだ、自分を棚に上げちゃって、ヒドッ!(爆笑)ここ、名門ゴルフ場って言うから、余裕ある高齢の客層が厚いのかしらね?あっでもそう言えば、夏休みなのに子供(家族連れ)全然いなかったわね〜」
夫「そうだろ?」
夜は 部屋の露天風呂(結構深い)にも入って、星空を見上げてた。
夜は8月なのに、床暖房。やっぱり山のリゾートだわ。
私「ここから妙高山の頂上まで、歩いて(往復)9時間ってよ」
引出しの地図を見ながら私は 珈琲タイム。旅の夜は 静かで長い。
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大きなベッド3つ
◎ 翌朝
よく眠れた。
スタッフ「おはようございます。今日は最高の天気ですよ。」
周りに何もない 山の中腹なので、朝の景色を目の前に 贅沢に愛でる。
周りを囲む なだらかな山並みが、美しいグラデーションをつくる。
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朝湯を楽しむ夫を発見
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あら、エレガント
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難しいんですよねぇ
◎ 朝食ヴュッフェ
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フレンチトーストと粉砂糖
☆ この皿、可愛い。
記念にパン皿¥2500 購入。
皿上の薄〜い線の山並み、
まさにここだわ
朝食ブュッフェに新潟名物「笹団子」並んでました。あは、ウケる。
ウチの夫は白髪になった今も ブュッフェが大好き。日頃、朝ごはんなど全く受け付けないのに、パンに粥に味噌汁からカレーまで食べる。
私「ね、朝からカレー、行くの?」
夫「ちゃんとしたホテルのカレーは、本当に抜群なんだぞ」
夫の持論を聞かされる 朝。んん〜
ま、どうぞどうぞ ♫
私は ドロドロのフレッシュにんじんジュースや、地元産の香りの良い蜂蜜が好き。
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忘れられない 高原ビュー
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ぜひぜひ
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パッケージデザイン可愛い
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昔のデザインも味わい深い
避暑地でのんびり優雅に!は、なかなか出来ないんですよね。
「赤倉観光ホテルのこの眺め、良かったなぁ。また絶対に来たいなぁ」
そんな事を噛み締めながら後半の、
新潟 十日町を中心にした大地の芸術祭へと 旅は続きます。