行ってみたかったぁ!佐賀 ①
春から計画していた九州の旅、夏休みを秋に持ち越して(お金を貯めてw)「ぜひぜひ行ってみたかった」憧れと前のめりのワクワクとで、いざ出発。
東京生まれの私達ですが、夫は幼少期を北九州、黒崎で過ごし、私は独身時代に博多へ友人を訪ねた以来、本当に久しぶりの九州です。11月だというのに夏のような日差しで、地図を帽子代わりに、半袖Tシャツでの眩しい秋の旅行になりました。
佐賀空港は新しく近代的でしたが、駐車場が無料ってすごい。レンタカーが空港内(すぐ隣)歩いて数十歩ってのもビックリ。こんな空港見た事ない?いやぁ便利便利。大好きさ。
空港を出ると、広がる野原で黄色い蝶々がペアで楽しげに飛んでたりして
「ああ、これが佐賀なのか」
妙な実感。私にはこの荒涼とした景観が、まさにゴッホの絵の世界に見える。佐賀ゴッホ?何かいいかも。
佐賀の有料道路、土地はふんだんに余っていそうなのに追い越し車線のない一車線道路。道路は作るのもメンテナンスもお金がかかる。経済問題を抱える地方あるあるでしょうか。この現代にETCが使えないのにも「えええ〜っ?」驚いた(嘘でしょ?)。料金所には日焼けした優しげなおじさんが
小銭をニコニコ渡してくれる。
◼️ 呼子
遠かった。空港から半島の先まで、2時間強かかって到着。朝市、とっくに終わってるし、平日なのに活きイカ 既に完売してるし。ま、気を取り直してイカ漁の町 呼子を散策。
「やっぱりここは泊まらなきゃ、ダメだったな」
ああ、もったいない事をしたなぁ。やっぱり朝が大切。再訪リベンジを強く心に誓う。
⚫️ 河太郎
大人気でビックリ。平日の午後遅めで、活きイカ完売なのに、30分も待たされた。皆さん注意です!こんな何も他にないような場所ですが、多分昼時は数時間待ちです。
イカ刺身も色々種類があるみたいで、このイカは(コリコリじゃなくて)ふわり柔らかい口当たり。
死ぬ前に一度は食べたいイカ天、毎日食べたい。市内でも食べたがダントツ美味しかった。やっぱり活きイカは新鮮さが1番だけど、天ぷらは やはり技術がいる。外はカリカリでも 中が粘ってたりするとガッカリだ。なので、天ぷらの上手な店を選ぶといいかも。
⚫️ クール便で発送
待ち時間に隣の店で、イカ刺身(1パイ¥2500 高っ)を食の細くなった両親や兄妹宅に、着いて早々だが送る。世話になっているので、大出費ですけど、たまには頑張ろ、私。ウチにはついでにイカ焼売や干物も。
「あ、現金のみです」
ええええっ? 現金、追加して持って来て良かった。佐賀に着いて、手持ちキャッシュ半分以上なくなり
「この先、足りるかしら?」
ちょっと不安に。
◼️ 唐津
⚫️ 名旅館 「洋々閣」
美しい庭の和風旅館、昔のままを大切にした木造建築。今回ギャラリー訪問だけでしたが、やはり無理しても泊まるべきだった。だって素敵。木や石、畳にガラス、古い建具もピカピカに磨き込んだ日本家屋の美しさ。宿泊するフランス人グループにも玄関先で遭遇。ナイスチョイス!
名旅館の敷居の高さがまるでなく、スタッフも親切で温かい。
石の上での私の靴の脱ぎ履きに、甲斐甲斐しく手を貸す夫をじっと見ていて
「旦那さん、いや〜優しい〜〜」
「いいわ〜〜」
女性達にめちゃくちゃ褒められて、本人少しニマニマしてました。
「次は、ぜひ泊まりに来ますね」
◎ 隆太窯ギャラリー
唐津焼の窯はあちこち点在していますが、この「洋々閣」で使用される器は全部この窯のもの。3つの小さな部屋がギャラリーになっていて、宿泊者以外も買い求めることが出来る。近くに実演が見られる窯元もある。父・息子・娘・孫とで、それぞれの個性で唐津焼を制作する。
私はアメリカのメーン州と唐津の2拠点で制作する娘・中里花子さんの小鉢を購入。こんなに温かみのある器を¥4000、嬉し過ぎ。
ポテトサラダに豆腐料理にと活躍してます。
⚫️ 虹の松原
洋々閣のすぐ裏手、素晴らしい海原が高低差もなく手に取れそうなほど近くにある。穏やかな形の島が、旅の平和に見えて嬉しい。散歩に最適なスポットだ。松原は段々幅が広くなり、松の向こうの海が遠くになる。
で、虹はどこだ。
⚫️ 鏡山展望台
日暮れに特に期待もせずに、山道を上り鏡山展望台へ。神社と公園みたいなガランと車がほぼいない薄暗くなった駐車場に、1台のバス。韓国人観光客を待つドライバーに聞く。
「ここが展望台ですか?」
「ここだよ。そっち」
何ここ、展望台まで遠いの?薄暗い山の上だし、とぼとぼ歩いていたら、すぐに古めの二階建て展望台が見えた。
「う、うわ〜うわ〜」
「何だこれ、うわ〜!」
海じゃないみたい。薄い霞のかかった海面が、柔らかい形の小島たちを包むような光景。神がかった雲上のような薄桃色の光が 目の前に広がる。夕陽も加わり、カメラマン達もガッツポーズでファインダーを覗いていた。
車椅子の人達も一緒に来た家族も皆それぞれに、吸い込まれるような夕陽の唐津湾に感動していた。サプライズにも近い最高のタイミング、やった。
⚫️ 唐津くんち
偶然にもこの日が「唐津くんち」という秋祭りが初日で、夜、暗くなって魂の炎が入れられた巨大な鯛や獅子が、唐津神社から街へと繰り出す祭りの始まりに運良く遭遇。暗い夜の闇を祈りの舞いが練り歩く。想像以上の活気で、駅から祭りの灯りを目指す人達は賑わいを増していた。収穫と安全を願う祭り、掛け声とお囃子、人々の繋ぐ美しい宵山は心に響く。
江戸文化の東京の祭りとはまた違って、昔語りの1ページに紛れ込んだような、そんな夜に思えた。ユネスコ無形文化遺産。
◎ 宵山
唐津に魅了されてた私達、もっと居たかったのですが、今回の旅のメイン翌朝のバルーンフェスタがあるので、佐賀市内へと戻る。慣れない真っ暗な道を2時間、安全第一の1人ドライブ。(夫は おなじみ "世界一助手席が似合う男"です)
「つ、疲れる〜!きつ〜い!」
ホテルに着いて、心底ホッとした。ホテル内の中華レストランにギリギリ入店して、海鮮麺やらをハフハフ食べた。大きなホタテもイカも多分(夜遅いし)冷凍だと思うのに、めちゃくちゃ美味しくて
「佐賀、サイコー!」
盛りだくさんの初日、晴天に恵まれて楽しんだ。夫はと言えば、部屋に入って次の瞬間(振り返ると)大爆睡。ま、旅のいつもの事だけど、このスイッチのオフり方、才能だよな。私はノロノロ風呂に入り、冷めたお茶をすすりながら娘達にLINEを送り、枕元のリモコンで最小音量のテレビを消す。
明日からも 楽しい旅になりますように。